こんにちは、神社と日本の神話の月影です。
日本神話の神様を調べ始めると、天照大御神や須佐之男命、大国主大神のような有名な神だけでなく、読み方すら迷う名前が次々に出てきます。私も神社巡りをするようになってから神様の名前を覚えてきましたが、今でもすべてを覚えきれているわけではありません。
しかも、大国主大神には大穴牟遅神など複数の名前があり、同じ神なのに別の神のように見えることがあります。『古事記』と『日本書紀』で表記や登場のしかたが違うこともあり、最初はややこしく感じやすいところです。
それでも、神様の名前と「どの物語で何をした神なのか」を少し知るだけで、神社の御祭神が急に身近になります。この記事では、日本神話に登場する主要な神々を、物語の流れと役割に沿って見ていきます。
日本神話の神様はどう見る?

日本神話には数多くの神々が登場します。名前を一人ずつ暗記するより、「どこに属する神なのか」「何の物語に出るのか」「どんな役割を持つのか」を一緒に見ると、関係がつながりやすくなります。
神様は八百万で数え切れない
神道では「八百万の神」という言葉が使われます。これは必ず八百万柱いるという人数表ではなく、非常に多くの神々がいることを表す言い方です。自然や土地に関わる神、氏族の祖神、神話に登場する神、のちに神として祀られた歴史上の人物まで、神社で祀られる存在はさまざまです。
日本神話に限っても、『古事記』の冒頭から国生み、黄泉、天岩戸、出雲神話、国譲り、天孫降臨へと物語が進むたびに新しい神が登場します。そこで、この記事では神話を読むときによく出会う神を中心に取り上げます。神社に祀られる存在全体については、神社の御祭神と御神体の違いもあわせて読むと分かりやすいですよ。
天津神と国津神で見分ける
日本神話の神々を見るうえでよく出る言葉が、天津神(あまつかみ)と国津神(くにつかみ)です。大まかに言うと、天津神は高天原に関わる天上の神々、国津神は葦原中国など地上に関わる神々を指します。
天照大御神や高御産巣日神、瓊瓊杵尊などは天津神側の物語に現れ、大国主神や事代主神、建御名方神などは国津神として語られます。
能力や属性は役割から見る
「日本神話の神様の能力や属性を知りたい」という検索も多いのですが、神話の神々にゲームのような固定ステータスが決められているわけではありません。たとえば武甕槌神は国譲りや武に関わる神として知られ、宇迦之御魂神は稲荷信仰と結びつく食物・農耕の神として広く祀られています。
つまり、属性を見るなら「火属性」「水属性」と一語で決めるより、太陽、海、山、火、食、国づくり、芸能、知恵、道案内、武、農耕など、その神が関わる自然や働き、神話上の行動を見たほうが実像に近づきます。神社本庁の「日本の神話」でも、神々は物語ごとの働きとともに紹介されています。
日本神話の神様一覧
まずは主要な神様を一覧で見てみましょう。表記は主に『古事記』でよく見かける形を中心にしつつ、神社で一般的に用いられる表記も併記しています。同じ神でも文献や神社によって漢字が異なる場合があります。
| 神様 | 読み方 | 主な役割・特徴 | 代表的な物語・神社 |
|---|---|---|---|
| 天之御中主神 | あめのみなかぬしのかみ | 天地のはじまりに現れる神 | 『古事記』冒頭 |
| 高御産巣日神 | たかみむすびのかみ | 生成や高天原の神事に関わる神 | 国譲り・天孫降臨 |
| 神産巣日神 | かみむすびのかみ | 生成や国づくりに関わる神 | 大国主神の物語 |
| 伊邪那岐命 | いざなぎのみこと | 国生み・神生み・禊に関わる神 | 国生み・黄泉・禊 |
| 伊邪那美命 | いざなみのみこと | 伊邪那岐命と国土や神々を生む女神 | 国生み・黄泉 |
| 天照大御神 | あまてらすおおみかみ | 高天原を治める太陽に関わる神 | 天岩戸・伊勢神宮 |
| 月読命 | つくよみのみこと | 月に関わる神 | 三貴子・月読宮 |
| 須佐之男命 | すさのおのみこと | 海原や嵐、出雲神話に関わる神 | 天岩戸・八俣遠呂智 |
| 思金神 | おもいかねのかみ | 知恵を働かせる神 | 天岩戸 |
| 天宇受売命 | あめのうずめのみこと | 舞・芸能、天孫降臨に関わる女神 | 天岩戸・天孫降臨 |
| 天手力男神 | あめのたぢからおのかみ | 天岩戸を開く場面で働く神 | 天岩戸 |
| 櫛名田比売 | くしなだひめ | 須佐之男命の妻となる女神 | 八俣遠呂智 |
| 大国主神 | おおくにぬしのかみ | 国づくり・国譲りの中心となる神 | 因幡の白兎・出雲大社 |
| 少名毘古那神 | すくなびこなのかみ | 大国主神と国づくりを進める神 | 国づくり |
| 事代主神 | ことしろぬしのかみ | 大国主神の御子として国譲りに登場 | 国譲り |
| 建御名方神 | たけみなかたのかみ | 大国主神の御子、諏訪信仰の祭神 | 国譲り・諏訪大社 |
| 建御雷神 | たけみかづちのかみ | 国譲りに派遣される神、武の神 | 国譲り・鹿島神宮 |
| 経津主神 | ふつぬしのかみ | 国土平定に関わる神 | 『日本書紀』・香取神宮 |
| 瓊瓊杵尊 | ににぎのみこと | 天孫として地上へ降る神 | 天孫降臨 |
| 猿田毘古神 | さるたひこのかみ | 天孫を導く神 | 天孫降臨 |
| 木花之佐久夜毘売 | このはなのさくやびめ | 瓊瓊杵尊の妻、火中出産で知られる女神 | 天孫降臨後・浅間信仰 |
| 大山津見神 | おおやまつみのかみ | 山に関わる神 | 木花之佐久夜毘売の父神 |
| 宇迦之御魂神 | うかのみたまのかみ | 食物・稲荷信仰に関わる神 | 伏見稲荷大社 |
| 豊受大御神 | とようけのおおみかみ | 食事を司る御饌都神 | 伊勢神宮外宮 |
| 綿津見神 | わたつみのかみ | 海に関わる神 | 禊・海神の物語 |
一覧表の見方
神様の役割は一つだけとは限りません。神話、神社の由緒、後世の信仰によって意味が重なっていることがあります。表は入口として使い、気になった神から個別の物語へ進むのが分かりやすいです。
天地のはじまりと国生みの神々
日本神話は、いきなり天照大御神から始まるわけではありません。『古事記』では天地が開けたときに姿を現す神々が語られ、その後に伊邪那岐命と伊邪那美命による国生みへ進みます。
別天津神と造化三神
『古事記』の冒頭で最初に現れるのが、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神です。この三柱は造化三神と呼ばれます。さらに宇摩志阿斯訶備比古遅神、天之常立神を加えた五柱は、別天津神とされています。
ここで面白いのは、最初の神々が人間のように長い会話や冒険をするわけではないことです。天地のはじまりに現れ、姿を隠す神として語られます。日本神話を人物相関図だけで読むと見落としやすいのですが、世界が生まれる段階そのものに神が現れるのが特徴です。
伊邪那岐命と伊邪那美命
伊邪那岐命と伊邪那美命は、天の神々から命を受けて国土を形づくり、さまざまな神を生む夫婦神です。淡路島をはじめとする島々を生む国生み、その後に海・風・山・野・火などに関わる神々を生む神生みへと物語が続きます。
ところが火之迦具土神を生んだ伊邪那美命は大きな傷を負い、黄泉国へ向かいます。伊邪那岐命は妻を追って黄泉国へ行きますが、やがて地上へ戻り、穢れを落とすため禊を行います。この禊から天照大御神、月読命、須佐之男命という三貴子が生まれる流れは、日本神話の大きな転換点です。
火之迦具土神と禊の神々
火之迦具土神は火に関わる神です。火は暮らしに欠かせない一方で、人を傷つけるものでもあります。神生みの物語では、その両面性を感じさせる存在として登場します。
また、伊邪那岐命の禊では、身につけていた物や水で身をすすぐ動作から次々に神々が生まれます。神社参拝の前に手水で手と口を清める作法を知ると、この禊神話とのつながりも見えてきます。神社とは何かという基礎から知りたい方は、神社と神道の関係を解説した記事も参考にしてください。
三貴子と高天原の神々
伊邪那岐命の禊から生まれた天照大御神、月読命、須佐之男命は三貴子と呼ばれます。それぞれが別の領域を任され、日本神話の中心人物として物語を動かしていきます。
天照大御神
天照大御神は伊邪那岐命が左目を洗ったときに生まれ、高天原を治めるよう命じられた神です。太陽に関わる神として知られ、皇室の御祖神とされます。神社本庁の神話解説では、八百万の神々の中でも最も尊い神と説明されています。
有名な物語が天岩戸です。須佐之男命の行いをきっかけに天照大御神が天岩戸へ隠れると、世界は暗くなります。八百万の神々が知恵を出し合い、天宇受売命の舞や鏡などを用いて外へ導き出す場面は、日本神話を代表する話の一つです。
ただし、「最高神だから他の神より戦闘能力が上」というような見方は日本神話にはなじみません。天照大御神の位置づけは、太陽、高天原、皇祖神、稲作、天孫降臨など複数の文脈で見たほうが伝わりやすいでしょう。
月読命
月読命は伊邪那岐命が右目を洗ったときに生まれた神で、月に関わる神として知られています。天照大御神や須佐之男命に比べると、『古事記』での具体的な活躍は多くありません。そのため、名前は有名なのに物語を思い出しにくい神でもあります。
伊勢神宮には月読命を祀る月読宮、外宮側には月夜見尊を祀る月夜見宮があります。同じ神格を示すとされる名前でも漢字表記が異なる例で、神社を巡っていると「読みは同じなのに字が違う」と気づく場面があります。
須佐之男命
須佐之男命は伊邪那岐命が鼻を洗ったときに生まれた神です。高天原での荒々しい振る舞いによって天照大御神の天岩戸隠れにつながる一方、高天原を追われて出雲へ降った後は、八俣遠呂智を退治し、櫛名田比売を救う英雄として描かれます。
八俣遠呂智の尾から現れた剣は、のちの草薙剣につながります。同じ神が一つの性格だけで描かれないところも、日本神話の面白さです。須佐之男命を「嵐の神」だけで覚えるより、高天原と出雲という二つの舞台をまたぐ神として見ると印象に残ります。
天岩戸で活躍する神々
天岩戸では天照大御神と須佐之男命だけでなく、多くの神が活躍します。思金神は神々の知恵を集めて策を考え、天宇受売命は岩戸の前で舞い、天手力男神は天照大御神が岩戸から姿を見せたところで外へ導きます。天児屋命や布刀玉命も祭祀に関わる重要な神です。
天岩戸の神話は「天照大御神が隠れた話」だけで終わらせず、誰が知恵を出し、誰が舞い、誰が祭祀を担ったのかまで見ると、神々の役割が一気につながりますよ。
出雲神話と国づくりの神々
須佐之男命の物語から続く出雲神話では、大国主神が中心になります。恋愛、試練、国づくり、国譲りまで物語が長く、神社でも頻繁に名前を目にする神です。
大国主大神と多くの名前
大国主神を調べると、大穴牟遅神、大己貴神、八千矛神など別の名前が出てきます。私も最初は別々の神だと思いかけました。ですが、大国主大神には複数の御神名が伝わっており、出雲大社の公式案内でも大己貴神や八千矛神などの別名が紹介されています。
大国主神は、因幡の白兎を助ける物語、須勢理毘売との物語、少名毘古那神と進める国づくり、そして国譲りへと長く登場します。縁結びの神として有名ですが、それだけに限定せず、地上世界の国づくりを担った神として見ると神話全体での位置が分かります。
少名毘古那神
少名毘古那神は小さな姿で海の彼方から現れ、大国主神とともに国づくりを行う神です。医薬、温泉、酒造などと結びつけて信仰されることもあります。大国主神が一柱ですべてを成し遂げるのではなく、他の神と協力して国をつくっていく物語として読むと印象的です。
国づくりの途中で少名毘古那神が去った後、大国主神の前に別の神が現れます。この流れは大物主神の信仰とも関係していきます。大国主神周辺は神名や神格の関係が複雑なので、一度で全部覚えようとしなくても大丈夫です。
少名毘古那神は童話「一寸法師」のモデルになった神様ともいわれているよ
宇迦之御魂神や食の神々
日本神話には食物に関わる神も多く登場します。宇迦之御魂神は、現在では稲荷信仰の代表的な神として知られます。また、大宜都比売神や保食神の神話も、穀物や食物の起源と結びついて語られます。
伊勢神宮外宮に祀られる豊受大御神は、天照大御神の御饌都神として食事を司る神です。食の神と一口に言っても、文献上の系譜や神社での信仰は同じではありません。「食属性の神」とまとめ切るより、それぞれの物語と祀られ方を見るほうが自然です。

国譲りに登場する神々
国譲りは、地上世界を治めてきた大国主神から、天照大御神の子孫へ国を譲るまでを語る神話です。ここでは天津神と国津神の関係がはっきり見え、多くの有名な神が登場します。
建御雷神と経津主神
『古事記』では建御雷神が天鳥船神とともに出雲へ向かい、大国主神に国譲りの意思を問います。建御雷神は鹿島神宮の御祭神として知られ、武や国土平定に関わる神として信仰されてきました。
一方、『日本書紀』では経津主神と武甕槌神が国土平定に関わる形で語られます。経津主大神は香取神宮の御祭神です。鹿島神宮と香取神宮の関係は、単に近くにある神社というだけでなく、神話上でも深く結びついています。詳しくは鹿島神宮・香取神宮・息栖神社の東国三社巡りでも触れています。

事代主神と建御名方神
大国主神は、自分だけで国譲りを決めず、御子神の意見を確認します。事代主神は国を譲ることに同意しますが、建御名方神は建御雷神に力比べを挑みます。その結果、建御名方神は信濃の諏訪へ至る物語となり、現在の諏訪大社の御祭神としても知られています。
この場面だけ見ると勝敗の話に目が行きますが、神社を知るうえでは、その後に建御名方神が諏訪の神として広く信仰されていくことのほうが大切です。神話の一場面と、長い信仰の歴史は分けて見る必要があります。
古事記と日本書紀で違う点
日本神話を読むときに大事なのが、『古事記』と『日本書紀』の記述を完全に同じ話として扱わないことです。国譲りでも、派遣される神や細部の描写に違いがあります。また、『日本書紀』には本文だけでなく異伝も収められています。
天孫降臨と地上へ降る神々
国譲りの後、物語は高天原から地上へ神が降る天孫降臨へ進みます。ここでは瓊瓊杵尊を中心に、道案内をする神、舞の神、山の神の娘など、多彩な神々が登場します。
瓊瓊杵尊
瓊瓊杵尊は天照大御神の孫にあたり、天孫として高天原から地上へ降る神です。天孫降臨では三種の神器を授けられ、多くの神々を伴って天降ります。この物語は皇室の祖先神話や稲作の起源を語る文脈ともつながります。
「ニニギ」という響きは最初は覚えにくいかもしれませんが、天照大御神から地上の物語へ橋を渡す存在だと考えると位置づけが見えます。
猿田毘古神と天宇受売神
天孫降臨の途中、天と地の境に現れ、瓊瓊杵尊を導くのが猿田毘古神です。道案内の神として知られ、各地の猿田彦神社や道祖神的な信仰とも結びついてきました。
その猿田毘古神に名を尋ねる役目を担うのが天宇受売神です。天岩戸で舞った女神が、天孫降臨でも再び重要な役目を担います。一つの神話だけでなく、別の物語でも同じ神が登場すると分かると、神々の関係が覚えやすくなります。
木花之佐久夜毘売命
木花之佐久夜毘売命は大山津見神の娘で、瓊瓊杵尊の妻となる女神です。妊娠を疑われたことから、戸のない産屋に入り、火を放ってその中で出産するという印象的な神話で知られます。
富士山本宮浅間大社の御祭神としても知られ、浅間信仰と深く結びついています。桜のように咲く名前の美しさと、火の中で子を産む神話の激しさが同居する女神です。
海幸彦山幸彦と豊玉毘売
瓊瓊杵尊と木花之佐久夜毘売命の子孫へ物語が進むと、海幸彦と山幸彦の話が登場します。山幸彦にあたる火遠理命は、失った釣針を探すため海神の宮へ行き、海神の娘である豊玉毘売と結ばれます。
ここでは山と海、地上と海神の世界が結ばれていきます。天孫降臨から神武天皇へ続く系譜を見るときにも重要な物語です。日本神話は一話ずつ独立しているように見えて、実際には親子や婚姻の関係で次の物語へつながっています。
神社でよく出会う有名な神々
神話の登場回数だけでなく、現在の神社でよく名前を見るかどうかも、覚える優先順位を決める目安になります。ここでは参拝時に出会いやすい神々を取り上げます。
武甕槌大神と経津主大神
武甕槌大神は鹿島神宮、経津主大神は香取神宮の御祭神です。どちらも国土平定や国譲りに関わる神として知られ、武神として篤い信仰を集めてきました。春日大社では武甕槌命と経津主命に加え、天児屋根命と比売神が祀られています。
神様の名前を神話だけで覚えにくい場合は、「武甕槌大神=鹿島神宮」「経津主大神=香取神宮」のように代表的な神社と結びつけると、実際の参拝と知識がつながります。
大山津見神と綿津見神
大山津見神は山に関わる神、綿津見神は海に関わる神として知られます。伊邪那岐命・伊邪那美命の神生みでは、山や海など自然に関わる神々が次々に生まれます。
ただし、「山の神だから山だけ」「海の神だから海だけ」と狭く見る必要はありません。地域の産業、航海、農耕、氏族の伝承などと結びつき、信仰の内容が広がっている神社もあります。自然そのものと人の暮らしが近かった時代の感覚が、神名の背景から見えてきます。
豊受大御神と宇迦之御魂神
豊受大御神は伊勢神宮外宮に祀られ、天照大御神の御饌を司る神として崇敬されています。宇迦之御魂神は伏見稲荷大社の中央座に祀られる神で、稲荷信仰を通じて全国で親しまれています。
どちらも食や稲、暮らしに関わる神として知られますが、同じ神ではありません。神社名が似ているから同じ御祭神、同じ分野だから同一神というわけではない点は覚えておきたいところです。
名前が複数ある理由と読み方
日本神話の神様一覧が難しく感じる最大の理由の一つが、同じ神に複数の名前や表記があることです。ここを先に知っておくと、検索結果や神社の由緒を読んだときに迷いにくくなります。
同じ神に別名がある
代表例が大国主神です。大穴牟遅神、八千矛神、葦原色許男神など、物語の場面によって別の名で呼ばれます。名前が変わるたびに別人が登場したと考えると、出雲神話はかなり読みづらくなります。
神名には、その神の性格、働き、土地との関係、後世の信仰が反映されることがあります。まずは「大国主神には複数の名がある」と覚え、細かな異名は必要になったときに確認するくらいで十分です。
古事記と日本書紀で表記が違う
同じ神でも、『古事記』と『日本書紀』で漢字が違うことがあります。たとえば須佐之男命は、素戔嗚尊などの表記でも見かけます。瓊瓊杵尊も邇邇芸命など複数の書き方があります。
検索するときは、一つの漢字だけにこだわらないのがコツです。「スサノオ」「須佐之男命」「素戔嗚尊」のように読みと代表的な別表記を知っておくと、神社公式の由緒や文献を探しやすくなります。
神社ごとに祭神名が異なる
神社では、その神社の由緒や伝承に沿った表記を使っていることがあります。同じ神格と考えられる神でも、命・尊・大神などの敬称や漢字が異なる場合があります。
だから私は、神社へ行く前に御祭神の名前を一度確認するようにしています。神名の読み方が分かり、その神が登場する神話を一つ知っているだけでも、拝殿の前に立ったときの見え方が少し変わるんですよ。
神名は漢字を完璧に暗記するより、まず読み方と代表的な物語を覚えるほうが続きます。私も全部は覚えていませんが、神社で何度か同じ名前を見るうちに自然と頭に残るようになりました。
神様一覧を神社参拝に生かす
神様一覧は、知識として眺めるだけでも面白いのですが、神社参拝と組み合わせるとぐっと実感しやすくなります。御祭神から神話へ、神話から別の神社へとつながっていくからです。
御祭神と神話の物語を結ぶ
神社の公式案内や境内の由緒書で御祭神を確認したら、その神がどの神話に登場するか調べてみてください。たとえば天照大御神なら天岩戸と天孫降臨、大国主大神なら因幡の白兎や国づくり、武甕槌大神なら国譲りという具合です。
すると「なぜこの神社でこの神が祀られているのか」「なぜこの祭りが行われるのか」という疑問にもつながります。神社は建物だけを見る場所ではなく、神話、土地、祭祀が重なった場所として見えてきます。
代表神社から覚える
神様の名前だけで覚えにくいときは、代表的な神社とセットにする方法が使いやすいです。天照大御神なら伊勢神宮、大国主大神なら出雲大社、武甕槌大神なら鹿島神宮、経津主大神なら香取神宮、建御名方神なら諏訪大社、宇迦之御魂神なら伏見稲荷大社という具合です。
もちろん、同じ神は一社だけに祀られているわけではありません。全国各地に同じ神を祀る神社があり、由緒や祭礼もそれぞれ違います。代表例は「その神を知る入口」と考えるのがちょうどいいでしょう。
すべて覚えなくても大丈夫
日本神話の神々は本当に多いので、最初から全部覚える必要はありません。天照大御神、須佐之男命、大国主大神、伊邪那岐命、伊邪那美命あたりから始め、天岩戸、八俣遠呂智、国譲り、天孫降臨という有名な物語を追うだけでも主要な神々が何度も登場します。
興味が湧くと、以前は読めなかった神名が読めるようになり、神社の御由緒も面白くなってきます。あなたが次に神社へ行ったとき、御祭神の名前を見て「あ、この神はあの物語の神だ」と気づけたら、それだけで神話の世界が現実の場所とつながります。
日本神話の神様に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 日本神話で一番偉い神様は誰ですか?
A. 天照大御神は神社本庁の神話解説で八百万の神々の中でも最も尊い神とされ、皇室の御祖神として位置づけられています。ただし、日本神話の神々を一列の順位表にして「一位から最下位」まで決める考え方ではありません。神ごとに役割や物語が異なります。
Q2. 天津神と国津神の違いは何ですか?
A. 大まかには、高天原に関わる天上の神々を天津神、地上の葦原中国に関わる神々を国津神と呼びます。天照大御神や瓊瓊杵尊は天津神側、大国主神や事代主神などは国津神として語られます。優劣を示す分類ではありません。
Q3. 大国主神と大己貴神は同じ神様ですか?
A. 大国主大神には大己貴神、大穴牟遅神、八千矛神など複数の御神名が伝わっています。文献や神社によって表記が異なるため、検索するときは読み方や別名も確認すると理解しやすくなります。
Q4. 日本神話の神様には属性や能力がありますか?
A. 現代作品のような固定された属性表や能力値はありません。ただ、太陽、月、海、山、火、食、知恵、芸能、道案内、武、国づくりなど、神話上の役割や自然との関わりはあります。神徳や物語の働きとして見るのが自然です。
Q5. 日本神話の神様は何柱いますか?
A. 「八百万の神」という言葉は非常に多くの神々を表す表現で、神様の総数を確定する数字ではありません。『古事記』『日本書紀』だけでも多数の神が登場し、さらに各地の神社や地域伝承まで含めると一つの数字で数え切るのは困難です。
日本神話の神様一覧まとめ
日本神話の神々は、単純な人気順や能力順で見るより、天津神と国津神、役割、登場する物語、祀られる神社を結びつけて見ると分かりやすくなります。
まずは気になる神を一柱選び、その神が出てくる物語を読んでみてください。次にその神を祀る神社を知ると、神話が昔話のままではなく、今も続く祭祀や参拝につながっていることが見えてきます。私自身、名前と物語がつながってから神社巡りがさらに楽しくなりました。