日本神話の世界

日本神話で最初に現れた神は誰?造化三神と別天津神を順番に解説

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日本神話の最初の神は誰なのか

こんにちは、神社と日本の神話の月影です。

私は神社巡りを始めて日本神話を学ぶようになるまで、日本神話で最初の神様は天照大御神だとずっと思っていました。天照大御神は伊勢神宮の御祭神で、日本神話を代表する神様ですし、最高神ともいわれる存在なので、自然と「一番最初に現れた神様なのだろう」と思っていたんですよね。

ところが『古事記』を読んでみると、天照大御神が登場するよりもずっと前に神々が現れています。しかも、一番最初に現れる神、最初の三柱、最初の五柱には、それぞれ異なる呼び方があります。

『古事記』で一番最初に現れる神は天之御中主神です。そして天之御中主神を含む最初の三柱が造化三神、さらに二柱を加えた最初の五柱が別天津神とされています。

「日本神話の最初の神は誰?」「3柱と5柱は何が違うの?」という疑問は、この順番を知るとかなり分かりやすくなります。この記事では、『古事記』の冒頭から神々が現れる順番をたどっていきましょう。

この記事で分かること

  • 『古事記』で最初に現れる神
  • 造化三神の名前と出現順
  • 別天津神五柱と造化三神の違い
  • 天照大御神より前にどんな神々がいるのか

日本神話で最初の神は誰?

日本神話の神々を祀る神社へ続く石鳥居と参道
日本神話の神々を知ると、神社で目にする御祭神の名前も少しずつつながって見えてきます

日本神話の「最初の神」を調べると、天之御中主神、造化三神、別天津神など、いくつもの名前が出てきます。ここで迷いやすいのは、どれか一つが間違っているわけではないことです。

一柱だけを答えるのか、最初の三柱を指すのか、最初の五柱までを指すのかによって答え方が変わります。

一柱なら天之御中主神

『古事記』本文の冒頭では、天地が初めて動き始めるような場面で、高天原に神々が現れます。そこで最初に名前が挙げられるのが天之御中主神です。

読み方は「あめのみなかぬしのかみ」。名前が長く感じますが、「天」「御中」「主」と分けて見ると、天の中心に関わる神を思わせる名前ですよね。

そのため、「古事記で最初に登場する神は誰ですか?」と一柱だけ答えるのであれば、天之御中主神と考えるのが分かりやすいです。

最初の神を一柱だけ挙げるなら天之御中主神。ただし、日本神話全体には『古事記』だけでなく『日本書紀』など異なる伝承を収めた史料もあるため、「日本神話すべてに共通する唯一の最初の神」という意味で断定しないことが大切です。

天之御中主神については、國學院大學 古典文化学事業「天之御中主神」でも、『古事記』の天地初発における最初の神として紹介されています。

三柱なら造化三神

天之御中主神に続いて現れるのが、高御産巣日神と神産巣日神です。

この三柱はまとめて「造化三神」と呼ばれます。

順番 神名 読み方
1 天之御中主神 あめのみなかぬしのかみ
2 高御産巣日神 たかみむすひのかみ
3 神産巣日神 かむむすひのかみ

検索すると「日本神話の最初の3神」「古事記の3柱」といった言い方を見かけますが、その三柱とは基本的にこの造化三神を指します。

ただし、『古事記』本文で三柱がそろって世界を作る場面が詳しく描かれるわけではありません。「創造神だから、この三柱が天地を作った」と単純化すると、本文から少し離れてしまいます。

五柱なら別天津神

造化三神が現れたあと、さらに宇摩志阿斯訶備比古遅神と天之常立神が現れます。

ここまでの五柱を『古事記』では別天津神(ことあまつかみ)として扱います。

つまり、覚え方はかなり単純です。

1柱:天之御中主神

3柱:天之御中主神+高御産巣日神+神産巣日神=造化三神

5柱:造化三神+宇摩志阿斯訶備比古遅神+天之常立神=別天津神

「日本神話の最初の神」と「日本神話の最初の五柱」が検索結果によって違って見える理由は、ここにあります。

古事記の最初の五柱を順番に解説

ここからは、『古事記』で最初に現れる五柱を順番に見ていきます。名前だけを暗記するより、「どの場面で現れたのか」まで一緒に知っておくと神話の流れがつかみやすいですよ。

天之御中主神

最初に現れるのが天之御中主神です。『古事記』では天地初発の時、高天原にこの神が現れたと語られます。

ところが、日本神話の最初に登場するほど重要な位置にいながら、天之御中主神について長い物語が続くわけではありません。冒頭で現れたあと、天照大御神や須佐之男命のように次々と神話の主人公になる神ではないのです。

ここが初めて『古事記』を読むと少し意外なところ。私は「一番最初なら、そのまま天地を作っていく中心人物なのかな」と思ってしまいましたが、『古事記』の語り方はそうではありません。

天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神の三柱はいずれも独神として現れ、身を隠したと記されます。

「最初の神=その後ずっと神話の主人公」と考えないほうが『古事記』は分かりやすいですよ。日本神話では、物語が進むにつれて中心になる神が次々と変わっていきます。

高御産巣日神

二番目に現れるのが高御産巣日神です。読み方は「たかみむすひのかみ」。資料によっては高皇産霊尊など別の表記を見ることもあります。

高御産巣日神は冒頭に現れるだけではなく、『古事記』の後半でも重要な場面に関わります。特に葦原中国の平定や天孫降臨へ進む場面では、天照大御神とともに天上側から神々へ働きかける存在として登場します。

そのため、造化三神の中でも、物語の後半とのつながりを追いやすい神です。

また、高御産巣日神は「高木神」という名前で登場する部分もあります。同じ神なのに途中で呼び名が変わるので、初めて読むと別の神だと思いやすいところですね。

神産巣日神

三番目が神産巣日神です。読み方は「かむむすひのかみ」。高御産巣日神と名前がよく似ています。

高御産巣日神と神産巣日神には、どちらも「産巣日」という文字が入っています。この「ムスヒ」は、生成や生み出す働きと関係するものとして解釈されてきました。

神産巣日神も冒頭だけで消えてしまうわけではありません。大国主神に関係する物語などで再び姿を見せます。

高御産巣日神が天孫側の物語で目立つのに対し、神産巣日神は出雲に関係する物語とのつながりが見えてくるところも面白い部分です。

この二柱を「似た名前の神」とだけ覚えるより、その後どの神々と関わるのかまで見ていくと印象に残りやすくなります。

宇摩志阿斯訶備比古遅神

四番目に現れるのが宇摩志阿斯訶備比古遅神です。読み方は「うましあしかびひこぢのかみ」などとされます。

名前の長さに驚きますよね。私も最初に見たときは、一度で覚えるのは無理だと思いました。というかいまだに覚えてません。

この神が現れる場面では、国土がまだ若く、浮かぶ脂のようで、クラゲのように漂っている様子が語られます。そして、葦の芽のように萌え上がるものから宇摩志阿斯訶備比古遅神が現れたとされます。

造化三神の出現に続き、まだ形の定まっていない世界に生命が伸びてくるような場面です。

名前の「阿斯訶備」は葦牙、つまり葦の芽に対応するものとして見ることができます。文字だけを見ると難解ですが、神が現れる場面を思い浮かべると少し覚えやすくなるのではないでしょうか。

天之常立神

五番目に現れるのが天之常立神です。読み方は「あめのとこたちのかみ」。この神までを合わせた五柱が別天津神です。

天之常立神も独神として現れ、身を隠したとされています。

少しあとには名前の似た国之常立神も登場します。天之常立神と国之常立神は別の神なので注意してください。

名前だけで覚えようとすると混同しやすいのですが、天之常立神は別天津神の五番目、国之常立神はその次に始まる神世七代の最初、と位置づけておくと分かりやすいですよ。

『古事記』冒頭における五柱の原文と注釈は、國學院大學 古事記学センター「天地初発」でも確認できます。

造化三神とはどんな神々?

造化三神とはどんな神々?
神社と日本の神話・イメージ

「日本神話 造化三神」と検索すると、三柱が日本神話の創造を担う神として紹介されることがあります。ただ、ここは少し丁寧に見たほうが日本神話のおもしろさが伝わります。

造化三神を構成する三柱

造化三神とは、改めて言うと次の三柱です。

神 古事記での順番 その後の特徴
天之御中主神 最初 天地初発で最初に現れる
高御産巣日神 二番目 天孫降臨などでも関わる
神産巣日神 三番目 大国主神に関わる物語などに登場

この三柱は『古事記』序文の記述をもとに「造化三神」と呼ばれています。

ただし、三柱が手を動かして天や大地を作るような創世物語が詳しく描かれているわけではありません。西洋神話などの「創造神」のイメージをそのまま当てはめると、少し違って見えるかもしれません。

三柱はいずれも独神として現れる

『古事記』では、造化三神について、いずれも独神となって身を隠したという特徴が語られます。

独神は、後に現れる男女一組の神々とは異なり、対となる相手を伴わずに現れる神です。

ただ、「独神だから男性でも女性でもない」と単純に言い切るより、『古事記』では男女一対として記されていない神と見るほうが無理がありません。

やがて神世七代では男女の対となる神々が現れ、最後に伊邪那岐神と伊邪那美神が登場します。そこから国生み、神生みへと物語が大きく動き始めます。

産巣日という名前にも注目

高御産巣日神と神産巣日神には共通して「産巣日」という字が使われています。

「ムスヒ」は物が生まれ育っていく働き、生成する働きに関わるものとして考えられてきました。日本語の「むす」という音から、「生す」「産す」など生命が生まれる感覚を連想すると少し理解しやすいかもしれません。

もちろん、神名の意味には複数の学説があります。名前の漢字だけから神様の役割を一つに決めつけるのではなく、「こうした解釈がある」と受け取っておくのがよいでしょう。

別天津神とは最初の五柱

造化三神まで理解できたら、その外側にある別天津神も難しくありません。最初の三柱に二柱を加えた五柱です。

造化三神との違い

造化三神と別天津神は、まったく別々の神々ではありません。

造化三神は別天津神の中に含まれています。

呼び方 柱数 含まれる神
造化三神 3柱 天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神
別天津神 5柱 造化三神+宇摩志阿斯訶備比古遅神+天之常立神

図形で考えるなら、大きな「別天津神」という枠の中に「造化三神」という三柱のまとまりが入っているイメージです。

「古事記の最初の3柱は?」「古事記の最初の5柱は?」という二つの質問があったら、それぞれ造化三神と別天津神を答えればよいわけですね。

別天津神の意味は単純ではない

別天津神は「ことあまつかみ」と読まれます。

ここで注意したいのは、「別」という一文字を現代語の感覚だけで解釈して、「特別な天の神だからこういう意味」と断定しないことです。

なぜこの五柱を他の神々と区別して別天津神としたのかについては、研究上もさまざまな見方があります。

初心者が日本神話の流れを知る段階では、まず『古事記』冒頭の五柱を別天津神と呼ぶと覚えておけば十分です。そのうえで神話を深く読みたくなったとき、言葉の意味や研究上の説へ進んでいくと楽しめます。

五柱の次は神世七代へ

別天津神五柱が現れたあと、『古事記』では国之常立神、豊雲野神へと続き、やがて男女一対の神々が登場します。

これらは神世七代と呼ばれ、その最後に現れるのが伊邪那岐神と伊邪那美神です。

ここから有名な国生みへつながっていきます。

神話の序盤は、別天津神五柱 → 神世七代 → 伊邪那岐神・伊邪那美神による国生みという流れを頭に入れておくと追いやすくなります。

神社で祀られている神々について先に知りたい場合は、神社には誰が祀られている?御祭神と御神体の違いもあわせて読むと、日本神話と現在の神社とのつながりが見えてきます。

天照大御神は最初の神ではない

日本神話をあまり知らなかった頃の私と同じように、「最初の神は天照大御神では?」と思っている方もいるかもしれません。

ですが、『古事記』の登場順で見ると、天照大御神は最初の神ではありません。

天照大御神の登場はもっと後

天照大御神が誕生するのは、伊邪那岐神と伊邪那美神による国生みや神生み、黄泉の国の物語などを経たあとのことです。

黄泉の国から戻った伊邪那岐神が禊を行い、左目を洗ったときに天照大御神、右目を洗ったときに月読命、鼻を洗ったときに建速須佐之男命が生まれたと『古事記』では語られます。

この三柱は三貴子などと呼ばれ、日本神話でも非常によく知られています。

ただ、物語の時間で見ると、その前には別天津神、神世七代、伊邪那岐神・伊邪那美神の国生みと神生みがあるわけです。

有名さと登場順は別の話

天照大御神は伊勢神宮の皇大神宮に祀られ、皇祖神として非常に大切にされてきた神です。そのため、日本神話を代表する神として名前を知っている方も多いでしょう。

だからこそ、「一番大切な神=一番最初に現れた神」と感じてしまいやすいんですよね。

しかし、日本神話では神の重要性、有名さ、物語での登場順は同じではありません。

八百万の神々という考え方や代表的な神々について知りたい方は、八百万の神は日本だけ?神道の歴史と世界との違いも参考にしてください。

造化三神と天照大御神はつながる

「それなら造化三神と天照大御神はまったく別の話なの?」と思うかもしれませんが、神話を先へ読み進めるとつながってきます。

特に高御産巣日神は、葦原中国の平定や天孫降臨へ続く神話の中で、天照大御神とともに重要な役割を担います。

最初に登場した神が、ずっと表舞台に立ち続けるのではなく、長い物語の中で再び姿を見せる。このつながりが分かってくると、『古事記』を読む楽しさが一段増すかなと思います。

古事記と日本書紀は同じではない

「日本神話で最初の神」を調べると、天之御中主神ではなく国常立尊など、別の神名を見かけることがあります。

これは必ずしも誤りとは限りません。『古事記』と『日本書紀』では、天地の始まりについて同じ順番だけが語られているわけではないからです。

古事記では天之御中主神から始まる

『古事記』では、天地初発の時に高天原へ現れた神として天之御中主神が最初に置かれ、そのあと高御産巣日神、神産巣日神と続きます。

さらに宇摩志阿斯訶備比古遅神、天之常立神が現れ、五柱を別天津神とします。

この記事で「最初の神は天之御中主神」としているのは、『古事記』の本文上の順番を基準にしているためです。

日本書紀には複数の伝えがある

一方の『日本書紀』は、天地開闢について一つの形だけを示しているわけではありません。本書の記述に加えて「一書曰」という形で異なる伝承も収めています。

そのため、最初に現れる神の扱いも『古事記』と完全には一致しません。国常立尊や可美葦牙彦舅尊などが天地開闢の神として現れる伝えがあります。

ここを無理に一つへまとめ、「昔の日本人は全員、最初の神を○○だと考えていた」とすると、日本神話が持つ複数の伝承を見落としてしまいます。

「古事記で最初の神」と「日本神話すべてに共通する最初の神」は同じ質問ではありません。検索するときは、どの史料を基準にしている説明なのかを見ることが大切です。

違いがあるから神話は面白い

最初は「答えを一つにしてほしい」と思うかもしれません。私も神様の名前を覚え始めた頃は、資料によって表記や順番が違うとかなり戸惑いました。

でも、日本神話を知っていくと、この違いそのものが面白くなってきます。

『古事記』と『日本書紀』は成立の目的や構成が同じではなく、それぞれ異なる伝承の残し方をしています。一つの正解だけを探すより、「古事記ではこう語る」「日本書紀にはこういう伝えもある」と分けて読むほうが、神話の奥行きを感じられますよ。

神社と神話そのものの関係を最初から知りたい場合は、神社とは何をするところ?神道との関係と役割を基本から解説も参考になります。

最初の神々を覚えるコツ

最初の神々を覚えるコツ
神社と日本の神話・イメージ

別天津神の名前を見ると、「こんな長い神名を五柱も覚えられない」と感じるかもしれません。私も最初はそうでした。

ですが、いきなり五柱すべてを漢字まで暗記する必要はありません。神話の流れから覚えるとかなり楽になります。

まず三柱と二柱に分ける

最初から五柱を一列に並べるより、最初の三柱+あとから現れる二柱と考えてみてください。

最初の三柱が造化三神。

天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神です。

そのあとに宇摩志阿斯訶備比古遅神と天之常立神が現れ、五柱になったところで別天津神。

これだけ覚えると、「3柱」「5柱」という検索キーワードが何を意味しているのか迷わなくなります。

名前より出現場面を覚える

宇摩志阿斯訶備比古遅神のような長い名前は、漢字だけを見るとかなり大変です。

そこで私は、「国がまだ漂っているとき、葦の芽のように伸びるものから現れた神」という場面と一緒に見るほうが覚えやすいと思っています。

天之御中主神なら一番最初、高御産巣日神と神産巣日神なら「ムスヒ」の二柱、天之常立神なら別天津神の五番目。

物語の位置と名前を組み合わせる方法です。

神社の御祭神から逆にたどる

日本神話は、本だけで覚えようとすると神名が次々と出てきて混乱しがちです。

神社巡りが好きなら、御祭神から神話へ逆にたどる方法も面白いですよ。

例えば伊勢神宮から天照大御神を知り、その誕生をたどると伊邪那岐神へ行き着きます。さらに前へ戻ると神世七代、別天津神へ進めます。

出雲大社から大国主神を知れば、神産巣日神や少名毘古那神など別の神々へ関係が広がっていきます。

日本神話は最初から全部暗記しようとしなくても大丈夫です。神社で気になった御祭神を一柱ずつ調べ、その親神や関係する神へ進んでいくと、少しずつ巨大な神話の地図がつながってきます。

最初の五柱の次に何が起こる?

別天津神を知ると、その先の日本神話もかなり読みやすくなります。五柱で終わりではなく、ここは壮大な神話のほんの入口です。

神世七代へ続いていく

別天津神に続いて登場する神々が神世七代です。

最初は国之常立神と豊雲野神がそれぞれ独神として現れ、その後は男女一対の神々へ移っていきます。

そして神世七代の最後に登場するのが伊邪那岐神と伊邪那美神です。

天地の始まりに一柱ずつ現れていた世界から、男女一対の神へ。そして二柱が国を生み、さらに多くの神々を生んでいく世界へ移っていくわけです。

伊邪那岐神と伊邪那美神が国を生む

伊邪那岐神と伊邪那美神には、天つ神から国土を完成させる役目が与えられます。

二柱は天の沼矛を使い、淤能碁呂島を生み、そこから国生みへ進んでいきます。

淡路島をはじめとする島々が生まれ、続いて数多くの神々が生まれる神生みへと話が広がります。

つまり、別天津神は有名な国生み神話よりも前に置かれた神々なのです。

その後に天照大御神へつながる

伊邪那美神が火の神を生んだことで亡くなり、伊邪那岐神は黄泉の国へ向かいます。

そして黄泉から戻った伊邪那岐神が禊をした際に、天照大御神、月読命、須佐之男命が誕生します。

ここまでたどると、最初の神々から天照大御神までにはかなり長い物語があることが分かります。

私が初めてこの順番を知ったときに驚いたのもまさにここでした。「天照大御神より前にこんなに世界が広がっていたのか」と感じたんですよね。

一柱と三柱と五柱を区別しよう

この記事で一番覚えて帰ってほしいのは、難しい神名の意味より、まずこの三段階です。

疑問 答え
古事記で最初の神は? 天之御中主神
最初の三柱は? 造化三神
最初の五柱は? 別天津神

この関係が分かれば、「日本神話の始まりの神」「日本神話の原初神」「古事記の最初の5柱」といった言葉で調べたときも、情報の違いに振り回されにくくなります。

そして、その五柱のあとに神世七代が続き、伊邪那岐神・伊邪那美神、天照大御神、須佐之男命、大国主神へと、おなじみの日本神話へつながっていきます。

日本神話の最初の神に関する疑問

最後に、造化三神や別天津神について初めて調べるときに気になりやすい点を確認しておきます。

日本神話の最初の神に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 日本神話で一番最初の神様は誰ですか?
A. 『古事記』の本文で最初に名前が記されるのは天之御中主神です。ただし、『日本書紀』には天地の始まりについて異なる伝承も収められているため、「日本神話すべてに共通する唯一の最初の神」という意味では分けて考える必要があります。
Q2. 造化三神とは誰ですか?
A. 天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神の三柱です。『古事記』の天地初発で最初に現れる三柱で、いずれも独神として現れ、身を隠したと語られます。
Q3. 別天津神の五柱は誰ですか?
A. 天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神、宇摩志阿斯訶備比古遅神、天之常立神の五柱です。最初の三柱が造化三神なので、造化三神は別天津神の中に含まれています。
Q4. 天照大御神は日本神話で最初の神ではないのですか?
A. 『古事記』では最初ではありません。天照大御神は伊邪那岐神が黄泉の国から戻ったあとに行った禊から誕生します。それ以前に別天津神、神世七代、国生みや神生みなどの物語があります。
Q5. 古事記と日本書紀では最初の神が違うのですか?
A. 天地の始まりに関する伝え方は同じではありません。『古事記』では天之御中主神から始まりますが、『日本書紀』は本書に加えて複数の異伝を収めており、国常立尊や可美葦牙彦舅尊などが天地開闢に関わる神として登場します。どの史料を基準にしているのかを確認するのが大切です。

日本神話の最初の神まとめ

日本神話の最初の神を知るときは、「最初」という言葉が一柱を指しているのか、三柱なのか、五柱なのかを分けて考えることが大切です。

この記事のまとめ

  • 『古事記』で最初に現れる神は天之御中主神
  • 天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神が造化三神
  • 造化三神に宇摩志阿斯訶備比古遅神・天之常立神を加えた五柱が別天津神
  • 別天津神五柱はいずれも独神として現れ身を隠す
  • 別天津神のあとに神世七代が続く
  • 伊邪那岐神と伊邪那美神は神世七代の最後に登場する
  • 天照大御神は伊邪那岐神の禊から誕生するため最初の神ではない
  • 『日本書紀』には『古事記』とは異なる天地開闢の伝承もある

私自身、日本神話を学ぶ前は天照大御神が一番最初の神だと思っていました。ところが、その前に造化三神や別天津神がいて、さらに神世七代を経て伊邪那岐神・伊邪那美神へつながっていると知ったとき、日本神話の世界が一気に広がったように感じました。

神様の名前は長く、最初は覚えにくいです。でも、まずは「一柱なら天之御中主神、三柱なら造化三神、五柱なら別天津神」。ここから始めれば十分ですよ。

次に神社を訪れたとき、御祭神の名前を見て「この神様は日本神話のどこに登場するのだろう」と少しだけ考えてみてください。今までただ眺めていた御祭神の名前が、一つの大きな物語の中でつながって見えてくるかもしれません。

  • この記事を書いた人
月影というキャラクター

月影

はじめまして。月影と申します。
神社巡りや日本の神話が好きで、その魅力を伝えたくてブログを始めました。
忙しい毎日に、和の暮らしや神社参拝を通じて、心がほどける時間をお届けできればと思っています。
どうぞ、ゆったりとお楽しみください。