宮崎県日南市に佇む鵜戸神宮。読み方は「うどじんぐう」です。そのスピリチュアルな力に引かれて、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
断崖絶壁の洞窟に鎮座する朱色の社殿は、見る者を圧倒する神秘的な雰囲気に満ちています。この記事では、鵜戸神宮がなんの神様で、どのようなご利益があるのかという基本的な疑問から、日本神話におけるその重要な役割、そして意外と知られていない鵜戸神宮と鵜戸神社の違いまで、詳しく解説します。
また、母性の象徴であるお乳岩の伝説や、願いが叶うとされる運玉が入った時の体験、さらには昭和の新婚旅行で賑わった歴史的背景にも触れていきます。参拝に欠かせない人気のお守りの情報や、迷わず行けるためのアクセスと住所も網羅していますので、ぜひ最後までご覧ください。
鵜戸神宮のスピリチュアルな魅力の源泉

鵜戸神宮はなんの神様?そのご利益は?
鵜戸神宮は、日本の初代天皇である神武天皇の父、日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)を主祭神としてお祀りしています。非常に長いお名前ですが、これは神話のエピソードに由来するものです。

名前が長すぎて覚えられないよ~
この神様が祀られていることから、鵜戸神宮は特に縁結び、夫婦和合、子授け、安産、育児といった、人の「生」や「結びつき」に関するご利益が篤いことで知られています。
また、海に面した立地から、古くから漁業や航海の守護神としても信仰を集めてきました。様々なご利益を授かることができる、非常に懐の深いパワースポットです。
主なご祭神とご利益
ご祭神 | 主なご利益 |
---|---|
日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊 (ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと) | 縁結び、夫婦和合、子授け、安産、育児 |
相殿神(あいどのし) (天照大神、天忍穂耳尊など) | 国家安泰、五穀豊穣、海上安全、大漁満足 |

鵜戸神宮のご利益は、人生の様々な節目で私たちを力強く後押ししてくれるものばかりね
そうだね。新たな始まりや家族の幸せを願う方にとっては、これ以上ない聖地と言えそうだね

日本神話に記された鵜戸神宮の由緒

鵜戸神宮の由緒は、日本の神話、特に「海幸彦・山幸彦」の物語に深く関わっています。物語の主人公である山幸彦(やまさちひこ)と、海の神の娘である豊玉姫命(とよたまひめのみこと)が結ばれ、お子を身ごもります。
豊玉姫命は出産のために、山幸彦に産屋(うぶや)の建設を頼みます。しかし、彼女は鵜(う)の羽根で屋根を葺き終える前に産気づいてしまいました。
この「鵜の羽で葺くのが間に合わなかった」という出来事が、主祭神である「鸕鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)」というお名前の由来となったのです。
神話の舞台となった洞窟
古くからの言い伝えでは、この出産が行われた場所こそが、現在の鵜戸神宮の御本殿が鎮座する洞窟そのものであるとされています。
洞窟の中に足を踏み入れると、まるで神話の時代にタイムスリップしたかのような、神聖で荘厳な空気に包まれます。この場所が、生命の誕生と再生を象徴する特別な聖地であることが肌で感じられます。
本当の姿(八尋の大きなワニザメ)を見られたことに心を痛めた豊玉姫命は、生まれたばかりの御子を残して海へ帰ってしまいます。しかし、我が子を想う母の愛が、後述する「お乳岩」の伝説へと繋がっていくのです。

神話の舞台がそのまま残ってる神社なんだね
日本神話が想像上の物語じゃないことがわかるわね

母性の象徴とされるお乳岩の言い伝え

御本殿の裏手には、鵜戸神宮のスピリチュアルな魅力を語る上で欠かせない「お乳岩(おちちいわ)」があります。これは、海に帰らねばならなかった母・豊玉姫命が、御子の健やかな成長を願い、自らの両乳房を岩に貼り付けたとされる神聖な岩です。
今でもこの岩からは清水が滴り落ちており、「お乳水」として信仰の対象となっています。このお乳水で作られた「おちちあめ」は、母乳の代わりとして御祭神を育てたと言い伝えられており、安産や育児を願う参拝者に人気のお土産です。
岩から滴る清水に、我が子を想う母の深い愛情が込められていると考えると、胸が熱くなりますね。お乳岩の前に立つと、優しく包み込まれるような、温かい母性のエネルギーを感じることができるでしょう。
この伝説から、鵜戸神宮は「母性の神様」が宿る場所として、特に女性からの信仰が篤く、悩みや不安を抱える人々にとって特別な癒しの空間となっているのです。

神話から見ても鵜戸神宮のスピリチュアルな要素があるのね
意外と知らない鵜戸神宮と鵜戸神社の違い
宮崎県内には、「鵜戸」と名の付く神社が他にも存在するため、混同されることがあります。特に有名なのが、日向市にある大御神社(おおみじんじゃ)の境内にある「鵜戸神社」です。

両社の大きな違いは、その格と規模にあります
「神宮」と「神社」の違い
- 鵜戸神宮(うどじんぐう):日南市にある、皇室の祖先神をお祀りする特に格式の高い神社。「神宮」という称号は、天皇の勅許によって定められます。全国的にも有名な観光地であり、大規模な社殿を有します。
- 鵜戸神社(うどじんじゃ):日向市の大御神社境内にある末社の一つ。こちらも海岸の岩場にありますが、規模は小さく、地域に根差した信仰の場です。
どちらも海辺の洞窟に祀られているという共通点があり、古代の自然信仰の形を今に伝えています。ただ、一般的に「鵜戸さん」と呼ばれ、多くの参拝者で賑わうのは、ここ日南市の鵜戸神宮です。参拝の際は、目的地を間違えないように注意しましょう。
昭和の新婚旅行で人気を博した歴史

鵜戸神宮が鎮座する日南海岸は、かつて「昭和の新婚旅行のメッカ」として、全国から多くのカップルが訪れる憧れの地でした。
その背景には、青い海と空が広がる南国的な風景はもちろんですが、鵜戸神宮が持つ「縁結び」や「夫婦和合」のご利益が大きく影響しています。新しい人生の門出を迎えた夫婦が、これからの幸せを祈願するために鵜戸神宮を参拝するのは、ごく自然な流れだったのです。
風物詩「シャンシャン馬」
江戸時代から明治にかけては、花嫁を馬に乗せ、花婿が手綱を引いて七浦七峠の険しい道のりを越え、鵜戸神宮へお参りする「シャンシャン馬」という風習がありました。
馬の首に付けられた鈴が「シャンシャン」と鳴ることから、この名が付いたと言われています。現在では観光行事として再現されており、当時の賑わいを今に伝えています。
このように、鵜戸神宮は単なる神話の聖地としてだけでなく、人々の人生の節目に寄り添い、祝福を与えてきた場所としての歴史も持っているのです。

実際に私の両親は新婚旅行で鵜戸神宮がある宮崎県に行きました
そうなんだ。かつては新婚旅行と言えば日南海岸だったのね

鵜戸神宮でスピリチュアルな体験を深める

霊石亀石に運玉を投げて願掛け
鵜戸神宮の参拝で最も有名なアトラクションと言えるのが、本殿前の広場から行う「運玉投げ」です。眼下の荒磯に、亀のような形をした霊石亀石(れいせきかめいし)があり、その背中には枡形のくぼみがあります。
このくぼみを目指して、粘土を素焼きした「運玉」を投げ、見事入ると願いが叶うと言われています。この亀石は、神話で豊玉姫命が海から乗ってきた大亀が姿を変えたものと伝えられています。
運玉投げのルール
運玉を投げる際には、性別によって投げる手が決まっています。ルールを守って、心を込めて願いましょう。
- 男性:左手で投げる
- 女性:右手で投げる
利き手と違う手で投げるのは意外と難しいですが、そこに願掛けの意味が込められているのかもしれませんね。
ちなみに、この運玉は現在、地元の小中学生や福祉施設の方々が心を込めて手作りしています。参拝者の楽しみが、子供たちの健全育成や社会貢献にも繋がっている、とても素敵な仕組みです。

運玉の風習も素敵だけど、作ってるのが地元の子供たちというのも素敵ね
運玉が入った時に授かる大きなご利益
運玉投げは、単なる遊びではありません。一心に願いを込めて投げた運玉が亀石のくぼみに入った時には、大きなご利益が授かると信じられています。
くぼみにすっぽりと運玉が入った瞬間は、周りの参拝者からも歓声が上がるほど。その達成感と共に、願い事が成就する前触れとして、心に強い確信と希望が湧いてくるでしょう。
たとえくぼみに入らなくても、亀石に当たれば良しとされています。大切なのは、願いを込めて挑戦することそのものです。

周りから歓声が上がるほどくぼみに入れるのは難しいんだね
なんか燃えてくるわね。一度挑戦してみたいわ!

運玉が入った人だけが授かれるお守りも
見事、運玉が亀石の枡形に入った方は、その証として特別なお守りをいただくことができます。授与所には、実際に入った運玉そのものが入ったお守りも用意されていることがあるようです。参拝の良い記念になるだけでなく、強力なご利益を家に持ち帰ることができるでしょう。
願いを込めていただく人気のお守り
鵜戸神宮では、そのご利益にあやかるためのお守りも多数授与されています。自分の願い事に合ったお守りを選んで、神様とのご縁をより深いものにしましょう。
特に人気なのは、やはりご祭神のご利益にちなんだものです。
お守りの種類 | 期待されるご利益 |
---|---|
縁結び守 | 良縁、恋愛成就、夫婦和合 |
安産守 | 安産、子授け、子育て |
運玉守 | 心願成就、開運招福 |
撫でうさぎ関連 | 病気平癒、開運飛躍 |
また、境内には「撫でうさぎ」と呼ばれるうさぎの像があり、撫でることで病気平癒や開運のご利益があると言われています。うさぎは鵜戸神宮の神の使いともされており、うさぎをモチーフにした可愛らしいお守りも人気を集めています。
参拝前に確認したいアクセスと住所

鵜戸神宮への参拝を計画する際に、事前に確認しておきたい基本情報をまとめました。特に開閉門時間は季節によって異なるため注意が必要です。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 鵜戸神宮(うどじんぐう) |
住所 | 〒887-0101 宮崎県日南市大字宮浦3232 |
電話番号 | 0987-29-1001 |
開閉門時間 | 午前6時~午後6時 |
駐車場 | 400台(無料) |
アクセス(車) | 宮崎ICから約40分 / 宮崎空港から約30分 |
アクセス(公共交通) | JR日南線「伊比井駅」または「油津駅」から路線バスで約20分、「鵜戸神宮」バス停下車徒歩約10分 |
交通情報について
鵜戸神宮周辺は、大雨などの影響で道路状況が変わることがあります。訪問前には、鵜戸神宮公式サイトなどで最新の交通情報を確認することをおすすめします。
総括:鵜戸神宮のスピリチュアルな魅力

鵜戸神宮でのご参拝が、あなたにとって心安らかなものとなりますように