こんにちは。神社と日本の伝統文化、運営者の「月影」です。
毎年新しい手帳やカレンダーを手にするたびに、今年の国民の祝日一覧はどうなっているのかなと気になりますよね。
ゴールデンウィークやシルバーウィークは何連休になるのかを早めに知っておきたいという方も多いはずです。
また、単に休みを確認するだけでなく、それぞれの祝日にどんな意味や由来があるのかを知ると、休日がもっと味わい深いものになります。
銀行や役所が休みになるのかといった実用的な情報や印刷して使えるカレンダーのデータも含めて、日本の祝日について詳しく見ていきましょう。
国民の祝日一覧と法制度の基礎知識
私たちが普段なにげなく目にしているカレンダーの赤字の日ですが、実は法律や天文学といった面白いルールの上に成り立っているんです。
まずは、現在定められている全ての祝日を一覧で確認し、その後に制度の裏側についてお話ししますね。
【保存版】国民の祝日一覧(全16日)の早見表

日本の「国民の祝日」は年間で16日あります。
日付が毎年固定されているもの、ハッピーマンデー制度によって移動するもの、そして天文学的な観測によって決まるものなど、実はいくつかのパターンに分かれています。
| 月 | 日付 | 名称 | 意義(法律上の定義) |
|---|---|---|---|
| 1月 | 1月1日 | 元日 | 年のはじめを祝う。 |
| 1月 | 第2月曜日 | 成人の日 | おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます。 |
| 2月 | 2月11日 | 建国記念の日 | 建国をしのび、国を愛する心を養う。 |
| 2月 | 2月23日 | 天皇誕生日 | 天皇の誕生日を祝う。 |
| 3月 | 20日頃 | 春分の日 | 自然をたたえ、生物をいつくしむ。 |
| 4月 | 4月29日 | 昭和の日 | 激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。 |
| 5月 | 5月3日 | 憲法記念日 | 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。 |
| 5月 | 5月4日 | みどりの日 | 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。 |
| 5月 | 5月5日 | こどもの日 | こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。 |
| 7月 | 第3月曜日 | 海の日 | 海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。 |
| 8月 | 8月11日 | 山の日 | 山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。 |
| 9月 | 第3月曜日 | 敬老の日 | 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。 |
| 9月 | 23日頃 | 秋分の日 | 祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。 |
| 10月 | 第2月曜日 | スポーツの日 | スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培い、健康で活力ある社会の実現を願う。 |
| 11月 | 11月3日 | 文化の日 | 自由と平和を愛し、文化をすすめる。 |
| 11月 | 11月23日 | 勤労感謝の日 | 勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。 |
内閣府が定める祝日の定義と法律

リストアップした祝日は、なんとなく休みになっているわけではありません。
実は、昭和23年(1948年)に施行された「国民の祝日に関する法律(通称:祝日法)」という、非常にしっかりとした法律によって定められています。
私自身、この法律の条文を初めて読んだとき、その美しさに少し感動してしまいました
祝日法の第1条には、祝日を設ける目的が次のように記されています。
「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを『国民の祝日』と名づける。」
いかがでしょうか。「美しい風習を育てつつ」や「よりよき社会、より豊かな生活を築きあげる」といった言葉には、戦後の日本が復興に向けて抱いていた「平和への強い願い」や「未来への希望」が込められているように感じます。
単に学校や会社が休みになってラッキーというだけでなく、国民みんなで何かを祝い、感謝し、記念するという能動的なアクションが求められている日なんですね。
現在、日本の国民の祝日は年間で16日あります。これは世界的に見ても比較的多い部類に入ります。
春分の日や秋分の日、あるいは新設された山の日など、季節の移ろいや自然への感謝が含まれているのも、四季豊かな日本ならではの特徴と言えるかもしれません。
内閣府のホームページなど公的な資料で国民の祝日一覧を確認する際は、単なる日付のリストとして見るのではなく、それぞれの祝日に込められた「国を愛する心」や「自然への感謝」といった法的な定義にも思いを馳せてみると、いつもの休日が少し違った景色に見えてくるかもしれません。
(出典:内閣府『国民の祝日について』)
振替休日や国民の休日のルール

カレンダーを見ていると「あれ?本来の祝日は日曜日なのに、なんで月曜日じゃなくて火曜日が休みなの?」とか、「祝日でもない平日がなぜか赤くなっている」といった不思議な現象に出会うことがありますよね。
これは、私たちがより多くの連休を楽しめるように設計された「振替休日」や「国民の休日」という仕組みが働いているからです。
まず「振替休日」についてですが、基本的なルールは「国民の祝日が日曜日に当たった場合、その直後の平日を休日とする」というものです。
かつては「祝日が日曜なら翌日の月曜日を休みにする」とシンプルに決まっていました。しかし、祝日が連続するゴールデンウィークなどで、月曜日自体も祝日になってしまうケースが出てきます。
そこで法改正が行われ、「月曜日」と固定するのではなく「その日に最も近い『国民の祝日でない日』」を休みにすることになりました。
これにより、日曜日の祝日の振替が月曜日、火曜日、ときには水曜日へと玉突きのようにスライドしていく現象が起こるようになったのです。
いい仕組みだと思うけど、学生のときは土曜日が祝日と重なると少し残念だったな
そしてもう一つ、絶対に覚えておきたいのが通称「オセロ休日」と呼ばれる「国民の休日」です。
これは祝日法第3条第3項に規定されているもので、「国民の祝日と国民の祝日に挟まれた平日(かつ、その日が祝日でない場合)は休日とする」というルールです。
オセロの黒と黒に挟まれた白が黒にひっくり返るように、平日が休日に変わるんですね。
| 日付 | 曜日 | 祝日・休日名称 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 9月21日 | 月曜日 | 敬老の日 | ハッピーマンデー |
| 9月22日 | 火曜日 | 国民の休日 | 祝日に挟まれたため休日化 |
| 9月23日 | 水曜日 | 秋分の日 | 天文計算により確定 |
最も有名な例は、9月のシルバーウィークでしょう。「敬老の日」と「秋分の日」が1日あけて並んだ時、その間の平日が「国民の休日」となり、土日と合わせて5連休が出現します。
ただし、この現象は毎年起こるわけではなく、秋分の日付や曜日の巡り合わせによるレアな現象です。
「来年はシルバーウィークがあるのかな?」と国民の祝日一覧をチェックする際は、このオセロの法則を頭に入れておくと、自分で連休を予測できるようになりますよ。
春分の日と秋分の日が決まる仕組み

「今年の春分の日は3月20日だけど、来年は3月21日かも?」
国民の祝日一覧を数年分見比べてみると、不思議なことに気づきます。
元日やこどもの日のように日付が固定されている祝日とは違い、「春分の日」と「秋分の日」だけは、年によって日付が動くのです。これは一体なぜなのでしょうか。
実はこの2つの祝日だけは、法律で「◯月◯日」と具体的な日付が明記されていません。
祝日法には、春分の日は「春分日」、秋分の日は「秋分日」とだけ書かれています。では、その「春分日・秋分日」を誰が決めているのかというと、なんと国立天文台なんです。
地球は太陽の周りを1年かけて回っていますが、厳密には365日ちょうどではなく、約365日と6時間ほどかかります。
このズレを調整するために4年に1度「うるう年」がありますが、それでも微妙な時間のズレは積み重なっていきます。
天文学では、太陽が「春分点(黄経0度)」を通過する瞬間を含む日を春分の日、「秋分点(黄経180度)」を通過する瞬間を含む日を秋分の日と定めています。
この天体観測と計算に基づき、国立天文台が翌年の春分・秋分の日付を予測します。
そして、毎年2月の最初の官報に掲載される「暦要項(れきようこう)」という発表をもって、はじめて法的に翌年の祝日として確定するのです。
つまり、2年以上先の春分の日や秋分の日については、カレンダーに載っていたとしても、それはあくまで「天文学的な計算に基づく予測」であり、法的にはまだ確定していないということになります。
とはいえ、計算の精度は非常に高いので、予測が外れることはまずありません。太陽や地球といった宇宙の動きが、私たちの休日に直結しているなんて、とてもロマンチックだと思いませんか?
また、これらの日は古くから「お彼岸」の中日として、ご先祖様のお墓参りをする大切な日でもあります。自然のサイクルと信仰が結びついた、日本らしい祝日の決め方だと言えるでしょう。
祝日における銀行や役所の休み

せっかくの祝日、普段できない手続きや用事を済ませようと銀行や役所に出かけたら、シャッターが閉まっていた……なんて経験はありませんか?
国民の祝日一覧を確認する際、単に「休みだ!」と喜ぶだけでなく、社会インフラがどう動いているかを把握しておくことは、生活する上で非常に重要です。
基本的に、銀行、郵便局(貯金・保険窓口)、市役所や県庁などの行政機関は、国民の祝日は休業となります。
これは「銀行法」や「行政機関の休日に関する法律」といった法律で厳格に定められているため、例外はほとんどありません(一部の出張所や休日開庁窓口を除く)。
特に気をつけたいのが、現金の確保です。銀行の窓口が閉まっている祝日でも、ATMは稼働していることが多いですが、注意すべきは「手数料」です。
多くの金融機関では、祝日のATM利用に対して「休日手数料」を設定しています。自分のお金を引き出すだけなのに、数百円の手数料を取られてしまうのはもったいないですよね。
また、硬貨(小銭)の取り扱いや振込の反映タイミングも、平日とは異なる場合があります。
最近では24時間即時反映のモアタイムシステムも普及していますが、メンテナンス等で祝日は停止する場合もあるので注意が必要です。
もう一つ、命に関わる重要な情報が医療機関です。大学病院や総合病院の外来診療は、祝日は原則として休診になります。
急な病気やケガをした場合は、自治体が指定する「休日当番医(休日診療所)」を受診することになります。
お住まいの地域の広報誌やウェブサイトで、祝日の当番医を事前にチェックしておくといざという時に慌てずに済みます。
物流に関しては、郵便局の「窓口」は休みでも、郵便物や宅配便(ゆうパック)の配達は祝日も行われることが多いです。
ただし、普通郵便(手紙やハガキ)の土曜・日曜・祝日の配達は原則休止されているため、急ぎの書類を送る場合は速達やレターパックなどの利用を検討する必要があります。
「カレンダーが赤い日は、世の中の動きも少しゆっくりになる」。そう心得て、事前の準備をしておくことが大切ですね。
ゴールデンウィークと連休の構造

春の陽気に誘われて、どこかに出かけたくなる4月末から5月初旬。ここには「昭和の日(4月29日)」「憲法記念日(5月3日)」「みどりの日(5月4日)」「こどもの日(5月5日)」という、なんと4つもの祝日が集中しています。
これらが土曜日や日曜日とうまく組み合わさることで生まれるのが、日本最大級の大型連休「ゴールデンウィーク(GW)」です。
この期間の連休パターンは、その年の曜日配列(カレンダーの並び)によって大きく2つのタイプに分かれます。
一つは、祝日と土日がきれいに連結して自然に5連休や7連休ができる「連休型」。もう一つは、祝日の間に平日がポツポツと挟まる「飛び石型」です。
飛び石型の場合、カレンダー通りに休むと2連休、1日仕事、3連休……といった具合に休みが分断されてしまい、遠出の計画が立てにくいのが難点です。
しかし、ここで重要になるのが「有給休暇」の戦略的な活用です。
例えば、飛び石連休の間に挟まった平日(オセロ休日に惜しくもならなかった日)に有給休暇を取得することで、分断された休みを連結させることができます。
たった1日や2日の有給を使うだけで、10連休近い超大型休暇を錬成することも夢ではありません。
最近では「働き方改革」の一環として、企業側がこの期間に「有給取得奨励日」を設定することも増えてきました。
また、ゴールデンウィークの構成要素である祝日自体も、歴史の中で変化してきました。
例えば5月4日は、かつては祝日ではなく、平日(国民の休日)扱いだった時期がありました。
さらに遡れば、「みどりの日」はもともと4月29日でしたが、法改正によって「昭和の日」が制定された際に、5月4日に引っ越しをしてきたという経緯があります。
こうしたパズルのような変遷を経て、現在の大型連休の形が出来上がっているのです。
来年のGWはどんな形になるのか、国民の祝日一覧を見ながら「ここを休めば大型連休になる!」と皮算用するのも、この時期ならではの楽しみ方ですよね。
国民の祝日一覧にある各日の意味
ここからは、先ほどのリストで挙げた全16ある国民の祝日について、その意味や由来を少し掘り下げてご紹介します。
ただ「休みだ!」と喜ぶだけでなく、なぜその日が祝日なのかを知ると、日本の歴史や文化への理解が深まります。
実は神社の祭祀(さいし)と深く関わっている日も多いんですよ。
建国記念の日や天皇誕生日の由来

2月11日の「建国記念の日」は、日本の国が始まったことをお祝いする日です。
法律上の定義は「建国をしのび、国を愛する心を養う」とされています。でも、なぜ2月11日なのでしょうか?
これは、日本の初代天皇とされる「神武天皇(じんむてんのう)」が、奈良の橿原宮(かしはらのみや)で即位された日に由来しています。
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日本書紀に記された即位の日(辛酉年春正月庚辰朔)を現在の太陽暦(グレゴリオ暦)に換算すると、紀元前660年の2月11日になるとされているのです。
戦前は「紀元節」と呼ばれ、全国の神社で盛大なお祭りが行われていました。ちなみに、「建国記念日」ではなく「建国記念の日」と「の」が入っているのには理由があります。
史実として「この日に建国された」と断定するのではなく、「建国という事象そのものを国民みんなでお祝いしましょう」というニュアンスを含めるためだと言われています。
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また、2月23日の「天皇誕生日」は、現在の天皇陛下(徳仁親王)のお誕生日をお祝いする日です。
この日は、皇居で一般参賀が行われ、多くの国民が旗を振って陛下をお祝いする様子がニュースなどで流れますね。
天皇誕生日は、天皇陛下の代替わりとともに移動します。平成の時代は12月23日が天皇誕生日でしたし、昭和の時代は4月29日でした。
その時代の天皇陛下のお誕生日が、そのまま国民の祝日として定着していくわけです。これは、国民と皇室の親密な関係を示す、日本ならではの伝統と言えるかもしれません。
みどりの日や文化の日の制定背景

5月4日の「みどりの日」は、新緑がまぶしい季節にぴったりの祝日ですが、その由来をご存知でしょうか。法律では「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」と定義されています。
実はこの日、もともとは昭和天皇のお誕生日である4月29日が「みどりの日」という名称でした。
昭和天皇は生物学者としても著名で、自然をこよなく愛されたことから、その御遺徳を偲んで名付けられたのです。
その後、4月29日が「昭和の日」と改められることになり、「みどりの日」という名称と理念は5月4日に受け継がれました。
現在では、この日に合わせて国立公園や植物園が入場無料になることも多く、文字通り自然と触れ合うのに最適な一日となっています。
そして秋の深まりを感じる11月3日は「文化の日」です。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日とされています。
この日は1946年に日本国憲法が公布された日であり、平和憲法の精神に基づいて文化的な活動を奨励しようという意味が込められています。皇居では文化勲章の授与式が行われ、功績のあった方々が表彰されます。
しかし、歴史好きの方ならご存知かもしれませんが、この日は明治時代には「明治節(めいじせつ)」と呼ばれる、明治天皇のお誕生日をお祝いする祝日でした。
明治という近代国家の礎を築いた時代を記憶する日でもあったのです。現在でも、明治神宮ではこの日に「明治神宮秋の大祭」が行われ、流鏑馬(やぶさめ)などの奉納行事で賑わいます。
「文化の日」は、新しい憲法の記念日であると同時に、近代日本の歴史を感じる日でもあるんですね。
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こどもの日や敬老の日の意義

5月5日の「こどもの日」は、鯉のぼりを揚げたり、柏餅を食べたりする楽しい行事として定着していますね。
古くは「端午の節句(たんごのせっく)」と呼ばれる五節句の一つで、男の子の健やかな成長を願う日でした。
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しかし、祝日法における「こどもの日」の定義をよく読んでみると、意外な一文が含まれていることに気づきます。
「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」。そう、実はこの日は子供をお祝いするだけでなく、子供を産み育ててくれたお母さんに「ありがとう」を伝える日でもあるのです。
母の日が近いので影に隠れがちですが、この素敵な定義はもっと知られてもいいかなと思います。もちろん、現代ではお母さんだけでなく、お父さんや家族みんなに感謝する日として捉えても良いでしょう。
一方、9月の第3月曜日は「敬老の日」です。「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」日です。
この祝日の発祥は、意外にも地方の小さな村でした。昭和22年、兵庫県の野間谷村(現在の多可町)で「としよりの日」として提唱されたのが始まりです。
「お年寄りを大切にし、その知恵を借りて村作りをしよう」という運動が全国に広がり、やがて国民の祝日として制定されました。
世界中を見渡しても、高齢者を敬うことを法律で定めて国民の祝日にしている国は珍しいそうです。
核家族化が進む現代ですが、この日にはおじいちゃんおばあちゃんに電話をかけたり、会いに行ったりするきっかけにしたいですね。
ハッピーマンデー制度の解説

カレンダーを見ていると、一部の祝日が「第◯月曜日」となっていて、毎年日付が変わることに気づきます。これは「ハッピーマンデー制度」によるものです。
具体的には、「成人の日(1月第2月曜日)」「海の日(7月第3月曜日)」「敬老の日(9月第3月曜日)」「スポーツの日(10月第2月曜日)」の4つがこれに該当します。
この制度は、祝日を月曜日に移動させることで「土・日・月」の3連休を増やし、国民にゆとりある休日を楽しんでもらおう、そして観光需要などを喚起して経済を活性化させようという目的で導入されました。
確かに3連休が確約されるのは、旅行の計画などを立てる上でとてもありがたいですよね。
一方で、日付が固定されていた時代を知る世代や、伝統的な意味合いを重視する方々からは、「祝日の本来の意味が薄れてしまうのではないか」という懸念の声も聞かれます。
例えば、成人の日はかつて1月15日の「小正月(こしょうがつ)」に行われていましたし、スポーツの日(旧体育の日)は1964年の東京オリンピック開会式が行われた10月10日が由来でした。
日付が変わることで、そうした歴史的な背景が見えにくくなる側面があるのも事実です。
ただ、制度が定着した現在では、多くの人がこの3連休を有意義に活用しています。日付が変わっても、その祝日に込められた「意味」や「願い」が変わるわけではありません。
毎年カレンダーを確認する際に、「今年は◯日が成人の日か。元々は小正月だったんだよな」と、本来の日付や由来を思い出すことで、ハッピーマンデーの利便性と伝統への敬意を両立させることができるのではないかな、と私は思います。
国民の祝日一覧を正しく理解する

最後に、一年の締めくくりに近い11月23日の「勤労感謝の日」について触れておきましょう。
現代では「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」として、働いている人へ感謝する日というイメージが強いですが、そのルーツは非常に古く、神聖なものです。
もともとは、宮中祭祀の中でも最も重要とされる「新嘗祭(にいなめさい)」の日でした。
これは、天皇陛下がその年に収穫された新穀(新米)を天照大御神(あまてらすおおみかみ)をはじめとする神々に供え、自らも召し上がり、五穀豊穣に感謝するという儀式です。全国の神社でも、この日には新嘗祭が行われ、秋の実りを神様に報告します。
戦後、祝日法が制定される際に名称は「勤労感謝の日」と変わりましたが、根底にある「収穫への喜び」や「労働の成果への感謝」という精神は、古代から脈々と受け継がれているのです。
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こうして見てみると、国民の祝日一覧に並ぶ一つ一つの日付には、日本の長い歴史、美しい四季、そして人々の平和への祈りが凝縮されていることがわかります。
ただの「休み」として消費してしまうのはもったいないほど、深い物語が隠されているのです。
2025年や2026年のカレンダーを眺める際は、ぜひ「この日はどんな神様と関係があるのかな?」「どんな歴史があって祝日になったのかな?」と、少しだけ立ち止まって考えてみてください。
そして、正確な日付や最新の連休情報は内閣府の公式サイトや国立天文台の発表で確認しつつ、その休日が皆さんにとって心豊かな一日となるよう、計画を立ててみてくださいね。
神社にお参りして、その祝日の意味を神様に報告するのも、とても素敵な過ごし方だと思いますよ。