格式ある神前式に親族として参列する場合、どのような服装を選べばよいのか迷う方は少なくありません。神前式では親族の服装はどうすればいいのかと悩む方の多くが、場にふさわしい装いを知りたい、恥をかかずに参列したいという思いを抱えているのではないでしょうか。
本記事では、まず神前式とは?という基本から解説し、ドレスやスーツなどの洋装はNG?といった疑問にも答えます。さらに、神前式におけるドレスコードの考え方や、両親や兄弟、男性、女性、友達それぞれの立場に合った服装についても具体的に解説していきます。
また、服装選びに悩んだときに便利なレンタルサービスについても紹介しています。初めて神前式に参列する方でも安心して準備ができるよう、わかりやすくまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
神前式の服装マナーと親族のNGコーデ

神前式とは?基本的な流れと意味
神前式(しんぜんしき)とは、日本の伝統的な結婚式スタイルの一つで、神社や神殿などで行われる神道に基づく挙式形式です。特徴的なのは、神様の前で新郎新婦が結婚の誓いを立てるという、厳かな雰囲気と格式の高さにあります。
まず、神前式の大きな目的は「家と家を結ぶ」ことです。個人同士の結びつきだけでなく、両家の関係を重視するという点が、チャペルで行うキリスト教式や自由なスタイルの人前式とは異なります。
神前式にはいくつかの代表的な儀式があり、主な流れは以下の通りです。
- 参進の儀(新郎新婦と参列者が列を組んで境内を進む)
- 修祓(しゅばつ:心身を清める儀式)
- 祝詞奏上(神職が神様に結婚の報告をする)
- 三三九度の盃(新郎新婦が交互にお神酒を交わす)
- 誓詞奏上(新郎新婦が結婚の誓いを読み上げる)
- 指輪の交換(行う場合もある)
- 玉串奉奠(たまぐしほうてん:玉串を神前に捧げる)
- 親族杯の儀(親族が神酒をいただき親族の結びつきを固める)
- 斎主の挨拶・退場
このように、神前式は静寂と厳粛な空気の中で行われるため、参列者の服装や振る舞いにも一定のマナーが求められます。式の流れを事前に知っておくことで、当日も落ち着いて対応できるでしょう。
ドレスコードの考え方と格の合わせ方

神前式に参列する際の服装には、明確な「ドレスコード」があるわけではありませんが、儀式の厳粛さにふさわしい装いが求められます。親族であれば、一般ゲストよりもやや格式を重視した服装が基本です。
本来、神前式では和装が主流でしたが、現在ではフォーマルな洋装でも問題はありません。ただし、カジュアルな服や過度な露出があるスタイルは避けるべきです。
女性であれば、黒留袖や色留袖、訪問着、または袖付きで膝丈以上のフォーマルドレスが適切です。男性はブラックスーツやダークスーツが一般的で、白やシルバーのネクタイを合わせるとよりフォーマル感が出ます。
格を合わせるうえで特に重要なのは、両家や親族間で服装の「格差」が出ないようにすることです。例えば、新郎新婦の母親が黒留袖であれば、その姉妹や叔母などもそれに準ずる格の装いが望ましいでしょう。父親がモーニングを着る場合、兄弟は準礼装のブラックスーツなどでバランスをとることが一般的です。
こうしたドレスコードの考え方を理解し、格の調整を意識することで、全体の調和がとれた印象になり、神前式の厳かな雰囲気を損なわずに参列できます。なお、和装や礼服は購入せずともレンタルサービスを活用できるため、費用を抑えつつ適切な服装を整えることが可能です。
洋装(ドレスやスーツ)はNGなのか?

神前式では和装が一般的なイメージですが、洋装での参列もまったく問題ありません。実際、現在の神前式では和装と洋装が共存しており、多くのゲストがスーツやドレスで参列しています。
このように言うと「格式の高い場で洋装は失礼では?」と心配されるかもしれません。しかし、神前式だからといって和装を強制されることはなく、あくまでフォーマルな服装であれば許容されます。ポイントは、神前式の厳粛な雰囲気に調和した、品のあるスタイルを意識することです。
あまりにもカジュアルすぎる服装や、目立ちすぎる派手な色柄は避けるべきです。神前式は格式を重んじる場であり、落ち着いた印象が求められます。つまり、洋装はNGではなく、正しい選び方と着こなしができていれば、問題なく参列できます。
NGマナーと避けたいコーデ例

神前式に参列する際、避けるべき服装や小物があります。知らずに選んでしまうと、周囲に不快な印象を与えることもあるため注意が必要です。
まず気を付けたいのが「素足」。神前式では靴を脱いで神殿に上がることもあるため、必ず靴下やストッキングを着用しましょう。特に女性はストッキングが基本で、万一に備えて予備も持参すると安心です。
次に避けたいのが「ピンヒール」。神社の境内は砂利道や石畳が多く、ヒールが沈んで歩きにくくなります。静寂な中で音が響くのもマナー違反とされる場合があります。ヒールを履くなら太めで低めのものが適しています。
また、「毛皮やヘビ革・ワニ革のアイテム」もNGです。これらは殺生を連想させ、縁起が悪いとされています。バッグや靴の素材にも注意しましょう。
「露出の多い服装」も控えるべきです。肩や胸元が大きく開いたドレス、ミニスカートなどは場の雰囲気に合いません。肌を隠す工夫や、着席時の見え方にも気を配りましょう。
さらに、「白い服」は花嫁と被る可能性があるため避けるのが一般的です。白は特別な色とされており、主役である新婦の装いと競合してしまいます。
最後に「大きな荷物」も要注意です。神社によってはクロークがないことが多く、荷物を預ける場所がない場合もあります。できるだけ小ぶりなバッグにまとめるとスマートです。
これらのNGポイントを押さえておけば、安心して神前式に臨むことができるでしょう。
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男性・女性・両親・兄弟・友達の服装を解説

神前式の服装は、参列者の立場によって適切なスタイルが異なります。表にまとめてみました。
立場 | 無難な服装例 |
---|---|
父親 | モーニングコートまたはブラックスーツ |
母親 | 黒留袖またはアフタヌーンドレス |
兄弟 | ブラックスーツ+白シャツ+白またはシルバーネクタイ |
姉妹 | 黒留袖(既婚)または中振袖(未婚) |
男性ゲスト | ダークスーツ+白シャツ+控えめなネクタイ |
女性ゲスト | 袖付きフォーマルドレスまたは訪問着 |
男友達 | ブラックまたはネイビースーツ+フォーマルな靴 |
女友達 | ワンピースドレス+ボレロやジャケットで露出を調整 |
甥っ子 | ジャケット+襟付きシャツ+スラックス |
姪っ子 | ワンピースまたは落ち着いたフォーマルな子供用ドレス |
このように、それぞれの立場に合わせて服装を調整することが、神前式の格式にふさわしい参列マナーとなります。
服装選びに迷ったらレンタルもおすすめ

神前式にふさわしい服装を一から用意するのは、時間も費用もかかるため負担に感じる方も多いでしょう。そんなときに便利なのが、フォーマル衣装のレンタルサービスです。
レンタルを活用すれば、和装・洋装どちらも豊富な種類の中から選ぶことができ、着付けや小物まで一式がそろっていることがほとんどです。特に和装に不慣れな場合、自分でそろえるよりも安心ですし、専門スタッフがコーディネートを手伝ってくれる点も魅力です。
例えば、黒留袖を着たいけれど家紋がわからない場合でも、通紋と呼ばれる誰でも使える家紋入りの着物をレンタルすることで対応できます。また、モーニングコートや中振袖など、フォーマルな衣装は購入すると高価なため、一度きりの参列であればレンタルの方が経済的です。
ただし、人気のシーズン(春や秋)には予約が混み合うこともあるため、なるべく早めに準備を始めることをおすすめします。
季節に応じた服装調整の注意点

神前式は神社で行われることが多く、式場によっては空調設備が不十分な場合もあります。そのため、季節に合わせた服装の調整が必要です。
夏の暑い時期であっても、ノースリーブや素足は避けるのがマナーです。女性はストッキングを着用し、汗をかきやすい場面でも通気性の良い素材を選ぶと快適に過ごせます。男性もシャツは吸汗性のあるものにして、ジャケットの内側に汗取りパッドを入れるなどの工夫をしましょう。日傘や携帯用扇風機などで暑さ対策をするのもおすすめです。
一方、冬は冷え込みが厳しくなるため、防寒対策が欠かせません。ただし、フォーマルな場にふさわしい上着やストールを選ぶことが重要です。たとえば女性であれば、フォーマルコートや落ち着いた色のショールを羽織り、足元にはタイツやヒートテック素材の肌着を活用するとよいでしょう。男性も厚手のコートやカイロを持参し、屋外でも快適に過ごせるよう準備しておきましょう。
このように、服装の「マナー」に加え、「快適さ」も意識することで、季節を問わず神前式に安心して参列できます。