「盛岡八幡宮には神様がいない」という噂を聞いて、参拝すべきか迷いや不安を感じていませんか。歴史ある大きな神社についてそのような話があると、本当のところはどうなのか気になりますよね。
実は、盛岡八幡宮にはその長い歴史の中で育まれた多くの神様が鎮座しており、そのご利益も多岐にわたります。この記事では、盛岡八幡宮に神様がいないという誤解を解き、祀られているなんの神様からどのようなご利益を授かれるのかを詳しく解説します。
さらに、有名なひょうたんのお守りや縁結びのパワースポット、さらには龍神の存在や御朱印の情報まで、境内を深く知るための情報を網羅しました。盛岡市の中心的な神社へのアクセス方法もご紹介しますので、参拝の計画にも役立ちます。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
「盛岡八幡宮に神様いない」は本当?

盛岡八幡宮の由緒ある歴史
盛岡八幡宮は、300年以上の非常に長く、由緒ある歴史を持つ神社です。
その始まりは、今から950年以上前の康平5年(1062年)、源頼義が前九年の役の際に戦勝を祈願し、京都の石清水八幡宮の神様を勧請したことにあると伝えられています。現在の場所での創建は、江戸時代の延宝8年(1680年)に、盛岡藩の第29代藩主であった南部重信公によって行われました。
藩の鎮守として、また地域の人々の心の拠り所として、長年にわたり深く信仰されてきました。社殿は明治17年(1884年)の盛岡大火をはじめとする災害や風雪により、何度か再建が繰り返されています。
現在の色鮮やかで壮麗な社殿は、平成9年(1997年)に再建されたものです。この再建は、「現代の名工」として知られる宮大工の菊池恭二氏が手掛けたもので、その美しい彫刻や朱塗りの姿は新しい盛岡の顔として、堂々たる風格を漂わせています。このように、盛岡八幡宮は単なる古い神社ではなく、時代を超えて人々の祈りとともにあり続けた、生きた歴史そのものと言えるでしょう。
盛岡八幡宮はなんの神様を祀る?

盛岡八幡宮には、人間生活の根源に関わる重要な神様が祀られています。
主祭神は、品陀和気命(ほむだわけのみこと)です。この神様は、日本の第15代天皇である応神天皇(おうじんてんのう)と同一視されており、古くから武運の神(八幡大神)として広く信仰されてきました。しかし、時代の移り変わりとともに、現在では農業、工業、商業といった産業から、学問、衣食住に至るまで、私たちの生活全般を守り、導いてくださる神様として崇敬されています。
このため、特定の願い事だけでなく、日々の暮らしの安泰や事業の成功、学業の成就など、幅広い祈願のために多くの人々が訪れます。
また、本殿には主祭神である品陀和気命に加え、春日大神(かすがのおおかみ)と白山大神(しらやまのおおかみ)も合わせて祀られています。これらの神様もまた、人々の営みを多角的に見守ってくださる存在です。一つの社殿に複数の神様が鎮座することで、より多くのご利益をいただけると考えられています。

盛岡八幡宮にはちゃんと神様がいたんだね
そうね。これで安心して参拝に行けるわね

多くのご利益を授かれるパワースポット
盛岡八幡宮は、一つの場所で多様なご利益を授かることができる、県内でも随一のパワースポットです。
なぜなら、広大な境内には本殿の他にも、さまざまな神様を祀る12もの摂社・末社が点在しており、「神社のテーマパーク」とも呼ばれるほどだからです。これにより、参拝者は自身の願い事に合わせた神様を直接訪ね、祈りを捧げることができます。
具体的には、以下のような多岐にわたるご利益が期待できます。
- 諸願成就: 農業、工業、商業、学問、衣食住など生活全般
- 成功勝利: 仕事やスポーツなど、大事な場面での成功
- 商売繁盛: 笠森稲荷神社など
- 健康長寿・病気平癒: 健康神社など
- 縁結び・安産: 縁結美神社や梅宮など
- 学業成就: 盛岡天神社など
このように、総合的な願い事は本殿で、そしてより具体的な願い事はそれぞれの専門の神様がいるお社で祈願するというように、目的に応じて参拝できるのが大きな魅力です。一度の参拝で、仕事からプライベートな願い事まで、幅広く祈願できるため、多くの人にとって頼りになる存在となっています。
縁結びのご利益とハートの石

盛岡八幡宮は、特に良縁を願う人々にとって見逃せないスポットです。
境内には「縁結美(えんむすび)神社」という、その名の通り縁結びにご利益のあるお社が存在します。ここでは恋愛成就だけでなく、家族や友人、仕事仲間との良好な人間関係を築くためのご利益もいただけるとされています。
そして、この縁結美神社の近くには、知る人ぞ知る隠れたパワースポットがあります。それは、大きな木の陰にひっそりと置かれたハートの形をした石です。自然にできたものか、人の手によるものかは定かではありませんが、その可愛らしい形から、見つけて触れると恋愛運がアップすると密かに人気を集めています。
ただし、このハートの石は案内板などが出ているわけではないため、見つけるには少し注意深く探す必要があります。強い願いを込めてこの石に触れ、縁結美神社で祈願することで、あなたの良縁を力強く後押ししてくれるかもしれません。人間関係の修復や、新しい出会いを求めている方は、ぜひ訪れてみてください。
厄を封じ込めるひょうたんとは

盛岡八幡宮で特に目を引くユニークな授与品が、「厄封じのひょうたん」です。
これは、自分自身の厄や災いをひょうたんの中に封じ込めて奉納することで、厄払いを行うというものです。古来より、ひょうたんは邪気を吸い込み、悪いものを封じ込める力があるとされてきました。
その作法は非常にシンプルです。 まず、社務所でひょうたんを授与していただきます。次に、ひょうたんの口に自分の息を三度、強く吹きかけます。これは、自分の中にある厄や穢れを息に乗せてひょうたんの中に移す、という意味合いがあります。息を吹き込んだら、すぐに蓋をしっかりと閉めて、中の厄が出てこないように封じ込めます。
最後に、そのひょうたんを専用の奉納掛所に結びつければ完了です。奉納された数え切れないほどのひょうたんが並ぶ光景は圧巻で、多くの人々がここで厄を祓い、新たな一歩を踏み出してきたことがうかがえます。厄年の方はもちろん、何か最近ついていないと感じる方や、心機一転を図りたい方にもおすすめの厄除け方法です。
盛岡八幡宮に神様いない説と境内社

有名なお守りと目出鯛おみくじ
盛岡八幡宮では、参拝の記念や祈願のために、多種多様なお守りやおみくじが用意されています。
特に人気が高いのが、安産祈願のお守りです。盛岡藩主南部家が安産や子孫繁栄を祈願した歴史を持つことから、現在でも子授けや安産を願う多くの人々がこのお守りを求めて訪れます。
また、参拝をより楽しくしてくれるユニークなものとして「目出鯛(めでたい)おみくじ」があります。これは、鯛の形をした可愛らしい張り子の中に、おみくじが入っているものです。備え付けの釣り竿を使って、まるで魚釣りをするかのように自分で好きな鯛を釣り上げるスタイルが、子どもから大人まで大変人気です。釣り上げた鯛は、縁起物として持ち帰ることができます。
この他にも、交通安全、学業成就、健康長寿など、さまざまなお守りが授与所に並んでいます。ご自身の願い事や、大切な人に贈りたいお守りを選んでみてはいかがでしょうか。これらの授与品は、神様とのご縁を結ぶ大切な証となります。
龍神はいる?特徴的な手水舎

盛岡八幡宮の境内に、明確に「龍神」を祀ったお社は存在しません。しかし、水と深く関わる龍神の力強いエネルギーを感じさせるような、非常に特徴的な場所があります。
それが、参拝前に心身を清めるための「手水舎(ちょうずや)」です。通常、手水舎の水は龍の口から流れ出ていることが多いですが、盛岡八幡宮の手水舎は一風変わっています。ここの手水石は、なんと自然の滝壺の中にあった岩なのだそうです。
長年にわたる水の流れによって自然に窪みができたというこの手水石は、自然の力の偉大さを感じさせます。龍は水の神様であり、滝や川と深い関わりを持つ存在です。そのため、この滝壺の石で作られた手水舎は、直接的ではないものの、龍神の持つ浄化のエネルギーや生命力に通じるものがあると考えられるかもしれません。
参拝の際には、ぜひこの手水舎で手を清め、自然が作り出した神秘的な造形に触れてみてください。清らかな水と自然の岩のパワーが、心身の穢れを祓い、清々しい気持ちにさせてくれるでしょう。
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御朱印やお札はどこで受けられる?

盛岡八幡宮では、参拝の証として御朱印やお札を授与していただくことができます。
御朱印の授与
御朱印は、拝殿に向かって右側にある大きな授与所で受けることが可能です。盛岡八幡宮の御朱印は、中央に「八幡宮」と力強く書かれた、シンプルで格式のあるデザインです。境内社の御朱印も複数あり、笠森稲荷神社や岩手護國神社など、それぞれの神社の御朱印をいただくこともできます。
- 受付場所: 拝殿右手の授与所
- 受付時間: 午前9時から午後5時まで(時間は変更される可能性があるため、事前に公式サイトで確認することをおすすめします)
- 初穂料: 500円
縁起の良いお札
盛岡八幡宮では、特別な「お札」も人気です。これは、社務所で名前と日付をその場で書き入れてもらえるもので、より個人的な祈りが込められた縁起物となります。このお札を書いていただいた後は、再度拝殿で手を合わせ、神様の力を込めていただくのが丁寧な作法とされています。特別な祈願がある方には、こちらのお札がおすすめです。
御朱印やお札は、神様とのご縁を結ぶ大切な証です。参拝の際には、ぜひ授与所に立ち寄り、旅の記念、そして日々の暮らしのお守りとしていただいてみてはいかがでしょうか。
周辺にある盛岡市の神社も参拝しよう

盛岡八幡宮を訪れた際には、少し足を延ばして、周辺にある他の魅力的な神社にも参拝することをおすすめします。盛岡市内には、それぞれに異なる歴史やご利益を持つ神社が点在しており、合わせて巡ることで、より深く盛岡の歴史や文化に触れることができます。
桜山神社(さくらやまじんじゃ)
盛岡城跡公園(岩手公園)内に鎮座する神社で、盛岡八幡宮からも比較的近い場所にあります。盛岡藩を治めた南部家の藩祖・光行公などを祀っており、盛岡の町の礎を築いた神様として崇敬されています。境内にある巨大な「烏帽子岩(えぼしいわ)」は、盛岡城築城の際に現れたとされ、強力なパワースポットとして知られています。
盛岡天満宮(もりおかてんまんぐう)
学問の神様として名高い菅原道真公を祀る神社です。盛岡出身の歌人・石川啄木が愛した場所としても知られ、境内には啄木の歌碑が建てられています。ユニークな表情をした狛犬も見どころの一つで、受験合格や学業成就を願う多くの参拝者が訪れます。
これらの神社は、盛岡八幡宮とはまた違った趣があり、それぞれに独自のパワーを秘めています。時間に余裕があれば、盛岡のパワースポット巡りとして、これらの神社を訪れてみるのも良いでしょう。
盛岡八幡宮へのアクセスと駐車場

盛岡八幡宮は、盛岡市の中心部からほど近い場所にあり、公共交通機関や車でのアクセスが非常に便利な立地にあります。
基本情報
項目 | 詳細 |
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住所 | 岩手県盛岡市八幡町13-1 |
参拝時間 | 境内は24時間参拝可能 |
授与所 | 午前9時~午後5時 |
電話番号 | 019-652-5211 |
アクセス方法
交通手段 | 詳細 | 所要時間 |
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バス | JR盛岡駅東口バスターミナルから岩手県交通バスを利用。「八幡宮前」バス停下車すぐ。茶畑・中野線(系統番号307など)や、都心循環バス「でんでんむし」(左回り)が便利です。 | 約15分~20分 |
車 | 東北自動車道「盛岡IC」または「盛岡南IC」から盛岡市街方面へ。 | 各ICから約20分 |
徒歩 | JR盛岡駅から、市内を散策しながら向かうことも可能です。 | 約30分~40分 |
駐車場について
盛岡八幡宮には、参拝者専用の広大な無料駐車場が完備されています。普通車で数百台を収容できるスペースがあるため、車で訪れる際にも安心です。ただし、正月や例大祭(9月)などの繁忙期には大変混雑し、満車になることもあるため、注意が必要です。特に大きな祭事の期間中は、公共交通機関の利用を検討するのが賢明です。