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松の内にしてはいけないこと7選!掃除や洗濯はいつまでダメ?

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松の内にしてはいけないこと

こんにちは。神社と日本の伝統文化、運営者の「月影」です。

お正月は新しい年を迎える大切で神聖な期間ですが、昔から松の内にしてはいけないこととして掃除や洗濯、刃物を使うことなど様々なルールがあるのをご存知でしょうか。

せっかくのお正月、知らずにタブーを犯して運気を下げてしまったらどうしようと不安になる方もいるかもしれません。

また、松の内の期間がいつまでなのか地域によって違ったり、喪中の場合はどうすれば良いのかなど迷うことも多いですよね。

今回はそんな昔ながらの言い伝えやマナーについて、現代の生活に合わせて分かりやすく紐解いていきたいと思います。

この記事でわかること

  • 松の内のタブーに込められた本来の意味と理由
  • 掃除や洗濯など具体的な7つの禁止事項
  • 地域による期間の違いや喪中における参拝のマナー
  • 現代生活で無理なく伝統を取り入れるための考え方

松の内にしてはいけないことと理由7選

松の内にしてはいけないことと理由7選
神社と日本の伝統文化・イメージ

「あれもダメ、これもダメ」と言われると少し窮屈に感じるかもしれませんが、これらのタブーには単なる迷信だけではない、先人たちの深い知恵や願いが込められています。

神様への敬意はもちろん、普段忙しい家族(特に女性)を休ませるための配慮など、その背景を知ると納得できるものばかりです。

まずは代表的な7つの項目を見ていきましょう。

松の内とは?神様が家に滞在される期間のこと

本題に入る前に、そもそも「松の内(まつのうち)」とはどういう意味なのか、簡単におさらいしておきましょう。意外と曖昧なまま過ごしている方も多いのではないでしょうか。

松の内とは、文字通り「門松(かどまつ)が飾られている期間」のことを指します。お正月に門松を飾るのは、新しい年の神様である「年神様(としがみさま)」が、迷わずに私たちの家に来ていただくための目印(依り代)にするためです。

つまり、門松が飾られている松の内とは、「年神様が実際に家の中に滞在されている期間」と言い換えることができます。大切なお客様、それも神様が家にいらっしゃるわけですから、粗相のないように振る舞い、おもてなしの心を持って過ごそうとするのは自然なことですよね。

これからご紹介する数々の「してはいけないこと」は、単なる厳しいルールではありません。「神様がいる神聖な期間だから、騒がしくせず、清らかに静かに過ごしましょう」という、昔の人々の敬意と慎みの心が形になったものなのです。

掃除をすると福を掃き出すとされる理由

掃除をすると福を掃き出すとされる理由
神社と日本の伝統文化・イメージ

お正月に「掃除をしてはいけない」と聞いて、驚かれる方も多いかもしれません。新しい年を迎えて、部屋を綺麗に保ちたいという気持ちは自然なことですよね。

しかし、古くからの言い伝えにおいて、松の内、特に元日から三が日の間の掃除は最大のタブーとされてきました。

その最大の理由は、お正月に各家庭を訪れる「年神様(歳神様)」の存在にあります。年神様は、その年の「福」や「豊穣」、そして家族の健康をもたらすために、遠い山や海からやってくると信じられています。

私たちが年末に大掃除をして門松やしめ縄を飾るのは、この神様を気持ちよくお迎えするための準備に他なりません。

せっかく招き入れた年神様が家に滞在しているこの期間に、箒(ほうき)で部屋を掃いたり、大きな音を立てて掃除機をかけたりする行為は、神様を塵や埃と一緒に家の外へ「掃き出してしまう」ことにつながると考えられているのです。

月影
月影

つまり、自ら「福」を捨ててしまうようなものなのですね

「掃き出す」行為がNGの核心

ここで重要なのは、「部屋を汚れたままにする」ことが目的ではなく、「掃き出す」というアクションを避ける点にあります。

昔の掃除は箒を使って外へゴミを掃き出すスタイルが主流でした。この動きが「家財を失う」「福が出ていく」という連想を呼び、忌み嫌われたのです。

また、精神的な側面から見ても、お正月は「ハレ(非日常)」の日です。

日常的な家事労働である掃除をあえて止めることで、心静かに新年を祝い、家族との時間を大切にするという意味も込められています。

「お正月くらいは掃除用具を置いて、ゆっくりしなさい」という、昔の人の優しさとも受け取れますよね。

どうしても汚れが気になる時は?

とはいえ、現代の生活でお子さんがお菓子をこぼしたり、髪の毛が落ちているのが気になったりすることもありますよね。三が日ずっと掃除を我慢するのは、かえってストレスになるかもしれません。

そんな時は、以下の方法で対応すれば問題ありません。

  • 掃除機は使わず、目立つゴミだけ手で拾う。
  • 粘着クリーナー(コロコロ)で静かに取り除く。
  • フローリングワイパーでさっと拭き取る。

要は「外に掃き出す」「吸い取る」という激しい動きを控えれば良いのです。ゴミを集めたとしても、ゴミ箱にまとめておき、松の内が明けてから捨てるようにすれば、福を逃がすことはありません。

洗濯などの水仕事は神様を流してしまう

洗濯などの水仕事は神様を流してしまう
神社と日本の伝統文化・イメージ

掃除と同じくらい厳しく言われてきたのが、洗濯やお風呂掃除、台所の洗い物といった「水仕事」の禁止です。

現代では全自動洗濯機や食洗機があるので、「ボタン一つならいいのでは?」と思うかもしれませんが、このタブーには「水」そのものが持つ性質と、当時の女性たちの過酷な労働環境が深く関わっています。

水が「福」まで流してしまう恐怖

一つ目の理由は、水が持つ「洗い流す」という力への畏怖です。水は汚れを浄化する神聖なものですが、同時に、家に定着しようとしている「運気」や「福」まで一緒に洗い流してしまうと考えられました。

「水に流す」という言葉があるように、過去の悪いことだけでなく、これから訪れる良いことまで流れてしまっては大変です。そのため、極力水を使わないように過ごすのが良しとされたのです。

主婦を休ませるための「方便」としてのタブー

二つ目の理由は、もっと現実的で切実なものです。かつての水仕事は、現代とは比べ物にならないほどの重労働でした。

井戸から水を汲み上げ、冷たい川の水で洗濯板を使って洗う作業は、冬場においては手がかじかみ、あかぎれができるほど辛いものでした。

普段、休みなく働き続ける主婦やお嫁さんたちに対し、堂々と「休んでいいよ」と言える口実はなかなかありませんでした。

そこで、「神様の福が逃げるから」という宗教的な理由をつけることで、誰もが納得する形で女性たちを水仕事から解放しようとしたのです。

月影
月影

これは、当時の社会システムが生んだ、知恵と優しさの結晶と言えるでしょう

お風呂には入ってもいいの?

「水仕事がダメなら、お風呂もダメなの?」と心配になる方もいるでしょう。

昔は「元日にお風呂に入ると福を洗い流す」として入浴を控える風習もありましたが、現代ではそこまで厳密に考える必要はありません

ただし、ここでのポイントは「お風呂掃除」を避けることです。お風呂に入ること自体はリラックス効果もあり良いことですが、カビ取りなどの本格的な掃除は松の内が明けてからにしましょう。

どうしても浴槽を洗いたい場合は、家族で分担するか、簡単なこすり洗い程度に留めると良いですね。

爪切りや刃物は縁を切るため避ける

爪切りや刃物は縁を切るため避ける
神社と日本の伝統文化・イメージ

包丁、ハサミ、ナイフ、カッター、そして爪切り。これら「刃物」類を松の内に使用することは、「縁を切る」という言葉に通じるため、非常に縁起が悪いとされています。

お正月は、家族や親戚が集まり、地域のつながりを確認し合う「縁」を深める時期です。また、新しい一年における良縁(仕事、恋愛、友人関係など)を祈願するタイミングでもあります。

そんな大切な時期に、物を切断する道具を使うことは、せっかく結ばれようとしている縁をバッサリと断ち切ってしまう行為だと見なされたのです。

怪我をすることへの強い忌避感

もう一つの理由は、刃物による「怪我」への恐れです。もし三が日に刃物を使って指を切ってしまい、血が出てしまったらどうでしょうか。古来より、血は「穢れ(けがれ)」の一種とも捉えられてきました。

「一年の計は元旦にあり」と言いますが、お正月の行動はその年一年を象徴すると考えられています。

つまり、お正月に怪我をして血を見ることは、「その一年間、ずっと怪我や病気に悩まされる」「血を見るような争いごとに巻き込まれる」という不吉な予兆(オーメン)として恐れられたのです。

安全に過ごすためにも、刃物には触れないのが一番というわけです。

包丁を使わないための「おせち料理」

では、料理はどうすればいいのでしょうか?ここで登場するのが、日本の伝統食「おせち料理」です。おせち料理が日持ちのする濃い味付けで作られているのは、単に保存のためだけではありません。

「三が日の間、主婦が台所で包丁を使わなくて済むように」という配慮が込められているのです。

お重に詰められた料理を食卓に出すだけであれば、包丁も火も使いません。最近では「包丁いらず」のレシピも人気ですが、これも伝統的なタブーを現代風に解釈した賢い方法と言えますね。

爪切りの例外「七草爪」

爪が伸びていてどうしても切りたい、割れてしまって痛い、という場合もあるでしょう。基本的には三が日は我慢し、1月7日まで待つのが作法です。

1月7日は「人日(じんじつ)の節句」。この日に食べる七草粥を作った時の残り汁や、七草を浸した水に指先をつけ、爪を柔らかくしてから切ることを「七草爪(ななくさづめ)」と言います。

この儀式を行うことで、邪気が払われ、その一年は風邪を引かずに健康に過ごせると言い伝えられています。ぜひ、7日の朝まで待って、この縁起の良い爪切りを試してみてください。

煮炊きで火を使うと灰汁が出るから

煮炊きで火を使うと灰汁が出るから
神社と日本の伝統文化・イメージ

「火の神様」への配慮から、松の内には火を使った調理、特に「煮炊き」を避けるという風習もあります。これには言葉遊びのような要素と、信仰的な要素が混ざり合っています。

まず、煮炊きをすると鍋から「灰汁(あく)」が出ますよね。この「灰汁」が「悪(あく)」に通じるとされ、新年に悪いものを出すのを避けるという意味があります。言霊(ことだま)を大切にする日本人らしい感性です。

荒神様(火の神)への休日

また、台所には火を司る神様「荒神様(こうじんさま)」が宿っているとされています。一年中、私たちの生活を支え、温かい食事を作らせてくれる荒神様にも、お正月くらいはゆっくり休んでいただこうという考え方です。

さらに、歴史的な背景として「火災予防」の意味もありました。木造家屋が密集していた江戸時代などでは、火事は全てを失う恐ろしい災害でした。

人々が浮かれ気分になりがちなお正月に、火の取り扱いを最小限にすることで、失火のリスクを減らそうとした社会的な知恵でもあったのです。

お雑煮はどうするの?という疑問

「でも、お雑煮は火を使って温めるよね?」と疑問に思う方もいるでしょう。これには例外的な解釈があります。

お雑煮を作る火は、若水(元旦に汲んだ神聖な水)を沸かすための「聖なる火」と見なされ、通常の煮炊きとは区別されることが多いのです。

しかし、それ以外の煮物や凝った料理を一から作るのは避けるべきとされています。おせち料理が冷たいままでも美味しいように工夫されているのは、この「火を使わない」期間を美味しく乗り切るための先人の知恵なのです。

四足歩行の動物の肉を食べるのは殺生

四足歩行の動物の肉を食べるのは殺生
神社と日本の伝統文化・イメージ

お正月の食卓といえば、現代ではすき焼きやしゃぶしゃぶ、ローストビーフなどが並ぶことも珍しくありませんが、伝統的なタブーの観点からは「四足歩行の動物の肉」を食べることは避けるべきとされてきました。

具体的には、牛、豚、馬、猪、鹿などがこれに当たります。この背景には、天武天皇の時代(675年)に出された「肉食禁止令」や、仏教における「不殺生戒(生き物を殺してはいけない)」という教えが深く根付いています。

特に、お正月という神聖な期間に、血を流す殺生を連想させる獣肉を食べることは、穢れを持ち込む行為として忌避されました。

鶏肉がOKな理由

一方で、鶏肉(二本足)や魚介類に関しては、比較的緩やかに許容されてきました。お雑煮の出汁や具材に鶏肉が使われることが多いのは、鶏が「時を告げる鳥」として神聖視されつつも、四足動物とは区別されていたためです。

また、「ん」のつく野菜(レンコン、ニンジンなど)や、尾頭付きの魚(鯛など)は縁起が良いとして積極的に取り入れられました。

現代における変化と「薬食い」

江戸時代などでも、寒さの厳しい冬を乗り切るために「薬食い(くすりぐい)」と称して、猪肉などを食べる文化は密かに存在しました。現代においては、栄養状態の改善や食文化の多様化により、このタブーはかなり形骸化しています。

おせち料理にローストビーフや焼豚が入っていることも一般的ですし、アレルギーや好みの問題もあります。ですので、この項目に関しては「昔はそうだったんだな」と知識として持っておき、ご家庭の方針に合わせて柔軟に考えても良いでしょう。

月影
月影

もし気になる場合は、三が日だけは魚料理やお寿司を中心にするのも粋な過ごし方かもしれませんね

喧嘩やお金を使うことは一年の予兆

喧嘩やお金を使うことは一年の予兆
神社と日本の伝統文化・イメージ

最後にご紹介するのは、行動や対人関係に関するタブーです。

「一年の計は元旦にあり」という言葉には、単に計画を立てるという意味だけでなく、「元旦(および三が日)の状態が、その一年間ずっと継続する」という予兆(オーメン)信仰が含まれています。

喧嘩をすると一年中争いが絶えない

お正月から夫婦喧嘩、親子喧嘩、兄弟喧嘩をしてしまうと、その年は「争いの絶えない一年になる」と言われています。

普段なら些細なことで言い争ってもすぐに仲直りできるかもしれませんが、お正月の喧嘩は悪い運気を引き寄せ、家庭内の不和を招くと信じられてきました。

親戚が集まってお酒が入ると、つい昔の不満が出たり、口論になったりすることもあるかもしれません。

しかし、ここは「神様の前である」ということを意識して、グッとこらえて笑顔で過ごすことが、一家の平和を守るための重要なミッションとなります。

お金を使うと浪費する年になる?

また、「元日にお金を使うと、その年は財布の紐が緩みっぱなしになり、お金が貯まらない」という言い伝えもあります。お正月にお金を使う=お金が出ていくという流れを作ってしまうことを嫌ったのでしょう。

しかし、これには明確な例外があります。

  • お賽銭:神様への感謝のしるしであり、奉納です。
  • お年玉:子供たちへの施しであり、福を分け与える行為です。

これらは「浪費」ではなく、有意義な使い道なので問題ありません。

現代では「初売り」や「福袋」の楽しみもありますよね。これらも「福を買う」と考えればポジティブですが、無駄遣いを戒める昔の人の教えを心に留め、本当に必要なものかどうか冷静に判断してから財布を開くのが良いかもしれません。

期間や喪中など松の内にしてはいけないことの注意点

期間や喪中など松の内にしてはいけないことの注意点
神社と日本の伝統文化・イメージ

ここまで具体的な「してはいけない行動」について深掘りしてきましたが、そもそもこのルールを守るべき期間はいつまでなのでしょうか?

また、家族に不幸があった喪中の場合はどう振る舞えば良いのでしょうか。

ここからは、現代人が特に迷いやすいポイントについて、地域差や宗教的な違いも踏まえて詳しく解説していきます。

いつまでが期間か地域による違い

「松の内」の期間は、実はお住まいの地域によって大きく異なります。一般的には以下の表のような違いがあります。

これが「いつまで掃除を我慢すればいいの?」「いつ飾りを片付ければいいの?」という混乱の元になっています。

地域区分期間詳細な背景と特徴
関東・東北・甲信越1月1日 ~ 1月7日江戸時代、幕府より「1月7日をもって飾りを納めるべし」というお触れが出されました(火災予防説が有力)。これが定着した地域では、7日の朝、七草粥を食べた後に飾りを片付けるのが一般的です。
関西(近畿地方)1月1日 ~ 1月15日京都や大阪を中心とする関西圏では、幕府のお触れよりも古来の伝統が優先されました。小正月(1月15日)までを松の内とし、年神様をゆっくりおもてなしする文化が根付いています。
九州地方1月1日 ~ 1月7日地理的には関西に近いですが、多くの地域で関東と同じく7日までとされています。ただし一部地域では15日までとする場所もあり、混在が見られます。
その他(一部地域)1月1日 ~ 1月20日「二十日正月(はつかしょうがつ)」と呼ばれる地域もあります。お正月の魚の骨まで食べ尽くすことから「骨正月」とも呼ばれ、20日までをお正月の節目とします。

現代における判断基準

最近では、テレビのニュースや全国展開のスーパーマーケットの情報が入り混じり、関西に住んでいても「7日まで」と思い込んでいるケースが増えています。

また、マンションの管理規約などで「門松はいつまで」と決められている場合もあるかもしれません。

基本的には、「ご近所さんがいつ飾りを片付けているか」を確認して合わせるのが、その土地の神様に対するマナーとして最も無難で確実な方法です。

もし引越しをしたばかりなら、大家さんやご近所の方に「この辺りではいつ頃片付けますか?」と聞いてみるのも、良いコミュニケーションのきっかけになるでしょう。

喪中の参拝など忌中との違いに注意

喪中の参拝など忌中との違いに注意
神社と日本の伝統文化・イメージ

「今年は喪中だから、お正月のお祝いは控えないと」と考える方は多いですが、具体的に何をしてはいけないのか、初詣は行ってもいいのか、正確に把握している方は意外と少ないものです。

ここで最も重要なのが、「忌中(きちゅう)」と「喪中(もちゅう)」の区別、そして「神社(神道)」と「お寺(仏教)」の違いです。

忌中(50日間)は神社への立ち入りが厳禁

神道において、「死」はもっとも重い「穢れ(けがれ)」とされています。ここで言う穢れとは、汚いという意味ではなく、「気枯れ(生命力が枯渇した状態)」を指します。

家族を亡くして気力が落ちている状態のまま、清浄な神域である神社に入ると、神様まで元気がなくなってしまうと考えられているのです。

そのため、故人が亡くなってから50日以内の「忌中」の期間は、神社の鳥居をくぐること自体がタブーです。当然、初詣も控える必要があります。

お寺への初詣はOK、忌明け後の神社もOK

一方で、お寺(仏教)には死を穢れとする概念がありません。むしろ、仏様やご先祖様に手を合わせることは供養になります。したがって、忌中・喪中に関わらず、お寺への初詣は全く問題ありません。

また、忌中(50日)が過ぎていれば、まだ喪中(1年間)であっても、神社への参拝は可能とされています。ただし、派手な晴れ着を着たり、大騒ぎしたりするのは控え、静かに祈りを捧げるのがマナーです。

新年の挨拶も「あけましておめでとうございます」ではなく、「今年もよろしくお願いいたします」といった表現に留めましょう。

仏壇の扉は開けておくのが一般的

仏壇の扉は開けておくのが一般的
神社と日本の伝統文化・イメージ

お正月の間、実家や自宅にある仏壇の扉をどう扱えばいいのか、迷うことはありませんか?

「神様のお正月だから、仏様(仏壇)は閉めておくべき?」と考える方もいるようですが、基本的にはその逆です。

一般的に、お正月やお盆、お彼岸、法事などの特別な行事の際には、仏壇の扉は全開にしておくのが正式なマナーとされています。

これは、ご先祖様や故人にも、私たちと同じようにお正月の雰囲気を感じてもらい、一緒に新年を祝う(供養する)ためです。

仏壇にお供えするお餅(鏡餅)やお菓子も、ご先祖様への「お年玉」のような意味合いがありますね。

宗派や忌中による例外

ただし、これにも例外があります。もし、まだ四十九日法要を終えていない「忌中」の期間にお正月が重なった場合は、仏壇の扉を閉めておく、あるいは半紙を貼って封じるといった習慣を持つ地域や宗派が存在します。

また、浄土真宗など一部の宗派では、そもそも扉を閉めるという概念があまりない場合もあります。

仏事に関しては「家のルール」や「お寺の教え」が最優先されますので、不安な場合は親戚の年長者や菩提寺に確認するのが一番です。

自己判断で閉め切ってしまうと、「ご先祖様を仲間外れにしている」と取られかねませんので注意しましょう。

処分の際にプラスチックは燃やさない

処分の際にプラスチックは燃やさない
神社と日本の伝統文化・イメージ

松の内が明け、お正月飾りや書き初めを神社や広場で燃やす行事、それが「どんど焼き(左義長)」です。

年神様を炎と煙に乗せて天にお見送りし、その火にあたることで一年間の無病息災を祈る大切な行事ですが、ここにも現代ならではの深刻なタブーが存在します。

環境への配慮が神様への配慮

それは、プラスチックやビニール、金属類をどんど焼きの火にくべることです。 昔のしめ飾りや門松は、稲わら、竹、紙、木といった自然素材だけで作られていました。

しかし、現代の市販の飾りには、色鮮やかな装飾のためにプラスチック製の橙(だいだい)、化学繊維の紐、強力な接着剤、固定用のワイヤーなどが多用されています。

これらをそのまま燃やすと、ダイオキシンなどの有害物質が発生したり、嫌なにおいが周囲に広がったりして、環境汚染や近隣トラブルの原因になります。神聖な行事で環境を汚してしまうのは、神様に対しても大変失礼な行為ですよね。

正しい処分の手順

どんど焼きに持ち込む場合は、必ず事前に自宅で解体作業を行ってください。ペンチやハサミを使って、燃えるもの(わら、紙)と燃えないもの(プラ、金属)を完全に分別しましょう。多くの自治体や神社でも、分別の徹底を呼びかけています。

もし、どんど焼きに行けない、あるいは分別が難しくて持ち込めない場合は、自宅で処分しても構いません。その際は、以下の手順でお清めをしてからゴミに出しましょう。

  1. 飾りを広げ、塩を「左・右・左」と振って清める。
  2. 白い紙(半紙やコピー用紙など)に包む。
  3. 他の生ゴミなどとは別の袋に入れて、地域の分別ルールに従って出す。

こうすることで、感謝の気持ちを示しつつ、現代のマナーに則った正しい処分ができます。

松の内にしてはいけないことのまとめ

松の内にしてはいけないことのまとめ
神社と日本の伝統文化・イメージ

ここまで、松の内にしてはいけないことについて、その理由や背景、そして現代での向き合い方について詳しく見てきました。

こうして紐解いてみると、一見厳しそうに見えるタブーの数々には、昔の人々の「家族の安全を守りたい」「忙しい主婦を休ませたい」「平穏な一年であってほしい」という切実な願いと愛が詰まっていることがわかります。

もちろん、ライフスタイルが大きく変化した現代において、これら全てのルールを厳密に守り通すことは困難かもしれません。仕事始めが早い方もいれば、ワンオペ育児で休んでいられない方もいるでしょう。

大切なのは、「形式だけを頑なに守ること」ではなく、「一年の始まりを清々しく迎え、自分たちのペースで平穏を祈る心」を持つことです。

「今日は三が日だから、無理に掃除をしなくてもいいんだ」
「料理は手抜きをして、お惣菜でもいいから家族で笑って食べよう」

そんな風に、これらのタブーをポジティブな「休むための理由」として活用してみてはいかがでしょうか。伝統の意味を知った上で、できる範囲で生活に取り入れ、気持ちの良いお正月をお過ごしください。

※本記事で紹介した風習や期間は、地域や宗派によって異なる場合があります。最終的な判断は、お住まいの地域の慣習に従ってください。

  • この記事を書いた人
月影というキャラクター

月影

はじめまして。月影と申します。
神社や日本の文化が好きで、その魅力を伝えたくてブログを始めました。
忙しい毎日に、和の暮らしや神社参拝を通じて、心がほどける時間をお届けできればと思っています。
どうぞ、ゆったりとお楽しみください。