神社総合 参拝マナー

祈祷と参拝はどっちが先?知っておきたい神社での作法と順番

神社で祈祷する女性

神社でお参りをする際、祈祷と参拝はどっちが先なのかと迷ったことはありませんか。特に、祈祷と参拝の違いを理解していないと、正しい作法がわからず不安になることもあるでしょう。実際に祈祷と参拝 両方を行う際は、どのような順番が適切なのでしょうか。

また、祈祷と祈願の違いについても混同しやすいポイントです。神社では、個人で手を合わせる参拝と、神職が執り行う祈祷があり、それぞれ意味や作法が異なります。さらに、厄払いでのお参りの順番を間違えると、ご利益を正しく受けられないのではないかと気になる方もいるかもしれません。

本記事では、ご祈祷のマナーや初詣と厄除けはどっちが先かといった疑問まで詳しく解説します。これからご祈祷を受ける方も、まずは参拝する順番の基本的なルールを押さえて、正しい作法で神様に敬意を表しましょう。

記事のポイント

  • 祈祷と参拝の違いと、それぞれの目的
  • 祈祷と参拝の両方を行う際の正しい順番
  • 厄払い、お参り、初詣などの適切なタイミング
  • ご祈祷のマナーや本殿での参拝作法

祈祷と参拝はどっちが先?正しい順番を解説

  • 祈祷と参拝の違いとは?
  • 祈祷と参拝の両方行う際の順番
  • 祈祷と祈願の違いを理解しよう
  • 神社での参拝と順番は?本殿での作法

祈祷と参拝の違いとは?

祈祷と参拝の違いに悩む人

神社での「祈祷」と「参拝」はどちらも神様に対して祈りを捧げる行為ですが、目的や方法が異なります。

まず、参拝とは、神社に訪れた際に手水舎で身を清めた後、拝殿の前でお賽銭を納め、「二拝二拍手一拝」の作法でお参りする行為を指します。これは日常的に行うことができ、感謝の気持ちや願い事を神様に伝えるための基本的な作法です。

一方、祈祷は、神職が正式な儀式を執り行い、祝詞を奏上することで神様に願いを届ける行為です。個人の願い事や厄払い、安産祈願など、特定の目的を持って行われることが一般的で、神社の社殿内で行われるのが特徴です。また、祈祷の際には「初穂料」と呼ばれる祈祷料を納める必要があり、事前に予約が必要な場合もあります。

このように、参拝は誰でも自由に行える日常的な行為であるのに対し、祈祷は神職による正式な儀式であるという点が大きな違いとなります。それぞれの目的に応じて適切に使い分けることが大切です。

神社本庁のサイトでも詳しく書かれているので合わせて確認してみてください。

祈祷と参拝の両方行う際の順番

神社で祈祷と参拝の両方を行う場合、どちらを先にすべきか迷う方も多いでしょう。基本的な順番としては、まず参拝を行い、その後に祈祷を受けるのが適切です。

最初に参拝をする理由は、神様に「これから祈祷を受ける」ことを報告し、敬意を表すためです。神社の鳥居をくぐる際に一礼し、手水舎で手と口を清めた後、拝殿の前で「二拝二拍手一拝」の作法で参拝します。ここでは、日頃の感謝を伝えたり、これから祈祷を受けることへのご挨拶をするとよいでしょう。

参拝を済ませたら、社務所で祈祷の受付を行います。申込書に名前や願い事を記入し、初穂料を納めた後、案内に従って社殿へ進みます。祈祷が始まると、神職が祝詞を奏上し、玉串拝礼を行うことで願い事を神様に届けます。

祈祷後は、神様からの御神徳をいただいた感謝の気持ちを込め、改めて一礼をして神社を後にします。

この順番を守ることで、神様に対して失礼のない形で参拝と祈祷を行うことができます。

祈祷と祈願の違いを理解しよう

祈祷と祈願の違い

「祈祷」と「祈願」は似た言葉ですが、神社においては若干の違いがあります。

まず、祈祷とは、神職が祝詞を奏上し、神様に願いを伝える正式な儀式のことを指します。個人の願い事のほか、企業の商売繁盛や団体の安全祈願など、幅広い目的で行われます。祈祷を受ける際には初穂料を納め、神職の指示に従いながら、玉串拝礼や祝詞奏上の儀式を受けるのが特徴です。

一方、祈願は、個人が神社を訪れ、神様にお願い事をすることを指します。特別な儀式を伴わず、拝殿の前で手を合わせることで願いを込める行為です。例えば、合格祈願のために神社に行き、お守りを受け取って手を合わせることも祈願の一つといえます。

神社によっては、祈祷を「神職が行う正式な儀式」、祈願を「参拝者が自主的に行う願掛け」と区別する場合もあります。ただし、日常的にはどちらの言葉も同じ意味で使われることが多いため、特に厳密な使い分けが必要になる場面は少ないでしょう。

いずれにしても、神社での願い事は、まず神様への感謝の気持ちを伝えた上で行うことが大切です。

神社での参拝の順番は?本殿での作法

本殿でお祈りする人たち

神社の参拝では、本殿での作法も重要です。本殿は神様が祀られている神聖な場所であり、失礼のないよう正しい手順で参拝することが大切です。

まず、参拝の前に手水舎で身を清めることを忘れずに行いましょう。手と口をすすぐことで、心身を清め、神様の前に立つ準備を整えます。その後、拝殿に進み、お賽銭を静かに納めます。お賽銭は神様への感謝の気持ちを込めて捧げるものであり、金額に決まりはありませんが、丁寧に入れることが重要です。

次に、鈴がある場合は鳴らします。鈴の音は邪気を祓い、神様に参拝を知らせる役割を持っています。その後、「二拝二拍手一拝」の作法でお参りをします。

この作法の流れは、まず深く90度の礼を2回行います。続いて、両手を胸の高さで合わせ、右手を少し下にずらしてから2回柏手を打ちます。この際、手を開きすぎず、しっかりと音を鳴らすことが大切です。拍手の後、再び両手を合わせ、感謝の気持ちや願い事を心の中で伝えます。最後に、深く一礼をして参拝を締めくくります。

神社によっては拝礼の回数や作法が異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。特に、出雲大社では「二拝四拍手一拝」となるため、通常とは異なる作法で参拝することになります。本殿での作法を守ることで、より丁寧で心のこもった参拝ができるでしょう。

祈祷と参拝はどっちが先?場面別の対応

  • ご祈祷を受ける前後の心得
  • ご祈祷のマナーと服装の注意点
  • 初詣と厄除けはどっちが先?
  • 厄払いでのお参りの順番は?
  • 祈祷と参拝はどっちが先なのか総括

ご祈祷を受ける前後の心得

ご祈祷を受ける人

神社でご祈祷を受ける際には、事前に準備しておくべきことや、終えた後の心得があります。正しい流れを知り、神様への敬意を持って臨みましょう。

ご祈祷を受ける前に、まず神社に連絡し、事前に予約が必要か確認することが大切です。神社によっては当日受付が可能な場合もありますが、特定の日時でのみ対応していることもあります。また、ご祈祷には「初穂料」を納める必要があるため、のし袋に包んで準備しておきましょう。表書きには「初穂料」または「玉串料」と書き、施主の名前を記入します。

当日は、神社に到着したらまず通常の参拝を行います。これは、神様に「これからご祈祷を受ける」ことを報告する意味があり、儀式への心構えを整えるためでもあります。その後、社務所で受付を済ませ、神職の案内に従って社殿へ進みます。祈祷中は、静かに儀式の進行を見守り、頭を下げる場面では深く礼をしましょう。

ご祈祷が終わった後は、授与品としてお札やお守り、撤下品(神様からのお下がり)を受け取ります。これらは大切に扱い、帰宅後は神棚にお札を祀るか、適切な場所に安置します。撤下品の御神酒やお供え物は、できるだけ早めにいただくのが良いとされています。

また、神社を出る際には、鳥居を出る前に振り返り、一礼をしてから帰ると礼儀にかなった形になります。ご祈祷を受けたことで得た御神徳に感謝し、普段の生活の中でも神様への敬意を忘れずに過ごしましょう。

ご祈祷のマナーと服装の注意点

神社でご祈祷を受ける際には、適切なマナーを守ることが大切です。また、服装も神様に対する敬意を示す要素のひとつです。ここでは、ご祈祷の際に気をつけるべきマナーと、ふさわしい服装について解説します。

まず、ご祈祷を受ける際には、事前に神社へ連絡をし、予約が必要か確認しておきましょう。当日受付が可能な神社もありますが、混雑時期や特別な祈願では予約が必要な場合もあります。受付では、初穂料(ご祈祷料)を納めます。封筒に入れて持参し、のし袋には「初穂料」または「玉串料」と書き、自分の名前を記入しておくと丁寧です。

ご祈祷の際の服装は、できるだけフォーマルなものを選びましょう。男性はスーツやジャケット着用が望ましく、女性はワンピースや落ち着いた色の服装を選ぶとよいでしょう。ジーンズやサンダル、派手なアクセサリーなどは避け、清潔感のある装いを心がけることが重要です。

ご祈祷の最中は、静かに儀式の進行を見守り、神職が祝詞を奏上している間は軽く頭を下げておきましょう。玉串拝礼を行う際には、神職の指示に従い、丁寧に行うことが求められます。また、スマートフォンの電源は事前に切っておくなど、周囲への配慮も忘れずに。

ご祈祷が終わった後は、いただいたお札やお守りを丁寧に持ち帰り、神棚に祀るか、清潔な場所に安置します。ご祈祷を受けたことに感謝し、普段の生活の中でも神様への敬意を持ち続けることが大切です。

初詣と厄除けはどっちが先?

初詣にきた家族

初詣と厄除けのどちらを先に行うべきか迷う方も多いですが、基本的な順番としては、初詣を先に行い、その後に厄除けのご祈祷を受けるのが一般的です。

初詣は、新年最初の参拝として、神様に昨年の感謝を伝え、今年一年の無事と幸福を祈るための行事です。お正月の三が日や松の内(1月7日または15日まで)に神社を訪れ、新年の祈願をするのが習わしとされています。

一方、厄除けは、厄年にあたる人がその年の災厄を避けるために受けるご祈祷です。特に本厄の年には、できるだけ早い時期に神社で厄除けのご祈祷を受けることが望ましいとされています。多くの神社では、節分(2月3日ごろ)までに厄除けを受ける人が多いですが、それ以降でも問題ありません。

したがって、まずは初詣を済ませ、神様に新年のご挨拶をした後、厄年の方は改めて厄除けのご祈祷を受けるのが良い流れとなります。ただし、神社によっては厄除けと初詣を一緒に行うことも可能なため、事前に確認するとよいでしょう。

厄払いでのお参りの順番は?

厄払いをする人

厄払いを行う際には、正しい順番でお参りをすることが大切です。神様に失礼のないよう、基本の流れを押さえておきましょう。

まず、神社に到着したら、鳥居の前で一礼をして境内に入ります。これは、神様の領域に足を踏み入れることへの敬意を示すためです。参道を歩く際は、中央を避け、端を通るようにしましょう。

次に、手水舎で手と口を清めます。これは、厄払いのご祈祷を受ける前に心身を清らかにするために重要な作法です。その後、拝殿へ進み、通常の参拝を行います。お賽銭を納め、鈴を鳴らし、「二拝二拍手一拝」の作法で神様にご挨拶をしましょう。この参拝は、これから厄払いを受けることを神様に報告する意味があります。

参拝を済ませたら、社務所で厄払いの受付を行います。申込用紙に氏名や生年月日、願い事を記入し、初穂料を納めます。ご祈祷が始まると、神職が祝詞を奏上し、玉串拝礼を行います。この際、神様に感謝の気持ちを伝えながら、厄を祓ってもらうよう祈ることが大切です。

ご祈祷が終わった後は、授与品としてお札やお守りを受け取ります。これらは持ち帰り、自宅の神棚に祀るか、清潔な場所に安置しましょう。特にお札は、厄年の間しっかりと祀り、翌年には感謝を込めて神社へお返しするのが一般的な習わしです。

最後に、鳥居を出る前にもう一度振り返り、一礼をしてから神社を後にすると、より丁寧な厄払いとなります。こうした順番を守ることで、神様への敬意を示し、厄払いのご利益をしっかりと受けることができるでしょう。

祈祷と参拝はどっちが先なのか総括

この記事のポイントをまとめます。

  • 祈祷は神職が執り行う正式な儀式であり、参拝は個人で行う祈りの行為
  • 参拝は日常的にできるが、祈祷は特定の目的を持ち神社で受ける
  • 祈祷の際には初穂料を納め、事前に予約が必要な場合もある
  • 参拝を先に行い、その後に祈祷を受けるのが基本的な順番
  • 参拝は「二拝二拍手一拝」の作法で神様に敬意を表する
  • 祈祷を受ける際は手水舎で身を清め、受付で申し込みをする
  • 祈願は個人が神社で手を合わせて願いを伝える行為
  • 祈祷は神職が祝詞を奏上し、願いを正式に神様へ届ける儀式
  • 厄払いの際も、先に参拝を行い、その後にご祈祷を受ける
  • 初詣は一年の感謝と新年の挨拶をするもので、厄除けとは別
  • 厄除けの祈祷は節分前後に受けるのが一般的だが、時期は自由
  • ご祈祷の際の服装はフォーマルが望ましく、派手な服装は避ける
  • ご祈祷後はいただいたお札やお守りを神棚に安置する
  • 神社を出る際は鳥居の前で振り返り、一礼するのが作法
  • それぞれの神社の指示に従い、作法を守って参拝や祈祷を行う