世界遺産・厳島神社への旅行を計画する際、多くの人が最初に悩むのが「厳島神社は満潮と干潮どっちがいいのだろう?」という疑問ではないでしょうか。
海に浮かぶ朱色の大鳥居の幻想的な姿を写真で見て、この景色を見るにはどの時間帯がおすすめなのか、また、大鳥居まで歩いて行けるの?という期待も膨らみますよね。
そのためには干潮時間をはじめ、潮の満ち引きを正確に把握できる潮見表の見方を知ることが欠かせません。さらに、歩いた人の体験談を参考にすると、実際に歩くときの靴選びのポイントや、宮島でやってはいけないことといった注意点も見えてきます。
この記事では、宮島へのアクセス方法から、あなたにとって最高の厳島神社を体験するための全ての情報を分かりやすく解説します。
厳島神社は満潮と干潮どっちがいい?両方の魅力を解説

結局どの時間帯がおすすめ?
厳島神社を訪れるにあたり、満潮と干潮のどちらが良いかという問いへの最も的確な答えは、あなたがどのような景色を見たいか、どのような体験をしたいかによります。
どちらの時間帯にも、そこでしか味わえない唯一無二の魅力があるため、一概にどちらかが優れているとは言えません。それぞれの特徴を理解し、ご自身の旅の目的に合わせて時間を選ぶのがベストな選択となります。
満潮時の魅力:幻想的な海に浮かぶ社殿
一般的に「厳島神社」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、満潮時の姿でしょう。海水が社殿のすぐ下まで満ち、大鳥居や社殿全体が海に浮かんでいるように見える光景は、まさに幻想的です。
特に、風のない穏やかな日には水面に社殿が映り込み、その美しさは息をのむほどです。この神秘的な風景を写真に収めたい、厳島神社ならではの景色を堪能したいという方には、満潮時がおすすめです。

厳島神社といえばやっぱり海に浮かぶ神秘的な姿よね
干潮時の魅力:大鳥居の真下まで歩ける感動体験
一方、干潮時には潮が引き、普段は海の中にある大鳥居の根元まで歩いて近づくことができます。間近で見上げる大鳥居は、写真で見るのとは比べ物にならないほどの迫力と大きさです。
鳥居の柱に付着したフジツボや貝に触れたり、その巨大な構造を自分の目で確かめたりと、干潮時ならではのアクティブな体験が楽しめます。

大鳥居まで近づけるチャンスはめったに無さそうだから一度は経験してみたい!
【目的別おすすめ時間帯】
- 幻想的な風景を楽しみたい:満潮時
- 大鳥居に歩いて近づきたい:干潮時
- 両方体験したい:干満の差が大きい「大潮」の日を狙い、5〜6時間滞在するか、宮島に宿泊する
このように、どちらの時間帯にも代えがたい魅力があります。もし時間に余裕があれば、ぜひ両方の景色を楽しんでいただくことを強くおすすめします。
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訪問前に必須!潮見表での確認方法

厳島神社の満潮・干潮の時間を知るためには、「潮見表(ちょうせきひょう)」の確認が不可欠です。潮の満ち引きは毎日時間が異なり、日によって潮位(潮の高さ)も大きく変動するため、訪問日が決まったら必ずチェックしましょう。
最も信頼性が高く、情報が分かりやすいのは、一般社団法人宮島観光協会の公式サイトにある潮見表です。
公式サイトで確認:一般社団法人宮島観光協会 年間潮汐・潮見表
この潮見表では、日付を入力するだけで、その日の満潮・干潮の時刻と、それぞれの潮位(cm)がひと目で分かります。ここで重要なのが、時刻だけでなく「潮位」も確認することです。
見たい景色 | 潮位の目安 | ポイント |
---|---|---|
海に浮かぶ社殿 | 250cm以上 | 潮位が高いほど、より神秘的に見えます。300cmを超えると回廊のすぐ下まで海水が迫り圧巻です。 |
大鳥居の根元まで歩く | 100cm以下 | 潮位が低いほど、より広範囲を歩けます。完全に地面が乾くわけではないので注意が必要です。 |
潮干狩り | 40cm以下 | 大鳥居周辺での貝採りは禁止されていますが、他のエリアでは潮干狩りも楽しめます。 |
例えば、満潮時刻の潮位が230cmだった場合、完全には海に浮かんで見えない可能性があります。逆に、干潮時刻の潮位が120cmだと、大鳥居の根元まで歩いて行くことはできません。このように、時刻と潮位をセットで確認することが、理想の景色を見るための鍵となります。

せっかく行くのなら事前に調べておくと満足感が高まりますよ
厳島神社へのアクセスと移動手段

厳島神社がある宮島へは、対岸の宮島口からフェリーで渡るのが一般的です。ここでは、主要な出発地である広島駅からのアクセス方法を解説します。
広島駅から宮島口まで
広島駅からフェリー乗り場のある宮島口までは、主にJRと路面電車(広電)の2つの方法があります。
交通手段 | 所要時間 | 片道運賃(目安) | メリット・デメリット |
---|---|---|---|
JR山陽本線 | 約25〜30分 | 420円 | メリット: 速くて正確。 デメリット: 運賃が少し高い。 |
広島電鉄(広電) | 約70分 | 270円 | メリット: 運賃が安い。広島市内の景色を楽しめる。 デメリット: 時間がかかる。 |
急いでいるならJR、時間に余裕があり、のんびり街並みを楽しみたいなら広電がおすすめです。1日乗車券などを利用すると、さらにお得に観光できますよ。
宮島口から宮島まで(フェリー)
宮島口のフェリー乗り場からは、「JR西日本宮島フェリー」と「宮島松大汽船」の2社が運航しています。どちらも所要時間や運賃はほぼ同じです。
- 所要時間:約10分
- 運賃(片道):大人180円、小児90円
ただし、一つ大きな違いがあります。それは航路です。JR西日本宮島フェリーは、日中の便で大鳥居に最も近づく「大鳥居便」を運航しています。海上から大鳥居を間近で見たい方は、JRのフェリーを選ぶと良いでしょう。
神の島・宮島でやってはいけないこと
古くから宮島は「神の島」として崇められてきた神聖な場所です。そのため、島全体に独特の文化や守るべきルールが存在します。気持ちよく観光するためにも、以下の点に注意しましょう。
野生の鹿との接し方
宮島の鹿は野生動物であり、観光客が餌を与えることは厳しく禁止されています。人が食べ物を与えることで、鹿が本来の生態系を忘れ、健康を害したり、人の食べ物を奪うなどの問題行動につながるからです。可愛いからといって、絶対に食べ物を与えないでください。
大鳥居や自然への配慮
干潮時に大鳥居の柱を見ると、多くの硬貨が挟まれているのを目にすることがあります。これは願掛けのつもりで行われているようですが、金属が木材の腐食や劣化を早める原因となるため、絶対にやめましょう。また、島の植物を採ったり、むやみに傷つけたりする行為も慎むべきです。

大鳥居へのコインの差し込みは絶対にダメ!日本が誇る世界遺産を大切にね!
大鳥居は私たちの大切な文化遺産です。後世にこの美しい姿を残すためにも、敬意を持って接し、コインを挟んだり傷つけたりする行為は絶対にしないでください。
歴史的背景への理解
神聖な島である宮島では、古来「死」や「血」といった穢れを避ける風習がありました。そのため、島内での出産や埋葬は禁じられ、現在でも島内にお墓はありません。このような歴史的背景を知ることで、より一層この島の神聖さを感じられるはずです。
歩いた人の体験談からわかること
インターネット上のブログやSNSなど、実際に厳島神社を訪れた人の体験談を分析すると、満潮・干潮それぞれに関する多くの客観的な意見が見つかります。これらを参考にすることで、より具体的な旅のイメージが掴めます。
満潮派の意見
満潮時に訪れた人の多くは、やはりその「幻想的な美しさ」を評価しています。
「まるで海に浮かぶ竜宮城のようだった」「ライトアップされた夜の満潮時に屋形船から見た景色は一生忘れられない」といった声が多く、特に写真映えを重視する方からの支持が厚いようです。
一方で、「人が多くてゆっくり写真が撮れなかった」という意見もあり、混雑は避けられないようです。

混雑を避けたいならちょっと早起きして9時くらいまでならゆっくり参拝できそうです
干潮派の意見
干潮時に訪れた人は、「大鳥居のスケールを体感できた」という感動を語っています。
「自分の足で鳥居の下まで行けるのは特別な体験」「想像以上の大きさに圧倒された」など、アクティブな体験を重視する方に好評です。
また、「干潮時の方が大鳥居を背景に人物がしっかり写る写真を撮りやすい」という実用的な意見も見られます。デメリットとしては、「地面がぬかるんでいて靴が汚れた」という声が多数あります。

干潮時を狙うなら靴選びは気を付けたいポイントね!
体験談をまとめると、静かに景色を鑑賞したいなら満潮時、アクティブに感動を体験したいなら干潮時、という傾向が見えてきます。どちらの体験も魅力的であるため、多くの人が「次回は違う時間帯に訪れたい」と感じているようです。
厳島神社で満潮と干潮どっちがいいか迷うなら干潮も体験

大鳥居まで本当に歩いて行けるの?
はい、特定の条件下であれば、大鳥居の真下まで本当に歩いて行くことができます。多くの人が「干潮の時間に行けば歩ける」と考えていますが、実はそれだけでは不十分です。
最も重要なポイントは、「潮位が100cm以下になること」です。潮見表で干潮とされている時間帯でも、潮位が100cmより高い場合は、大鳥居の周りにはまだ海水が残っており、歩いて近づくことはできません。

「干潮=歩ける」は間違いだから注意して!
メディアによっては「干潮なら歩ける」と単純に書かれていることもありますが、これは不正確な情報です。必ず宮島観光協会の潮見表で、訪問したい時間帯の潮位が100cm以下になっているかを確認してください。これが、干潮時の体験を成功させるための絶対条件です。
逆に言えば、潮位が100cm以下になっていれば、干潮のピーク時刻から多少ずれていても歩くことが可能です。この「潮位100cm以下」という基準を覚えておきましょう。
狙い目の干潮時間と潮位の目安

大鳥居まで歩くための条件が「潮位100cm以下」であると理解した上で、次に気になるのが「いつがその時間帯なのか」ということですよね。
潮の満ち引きは、月と太陽の引力によって起こるため、毎日同じ時間に干潮が来るわけではありません。干潮から次の干潮までの周期は約12時間25分なので、干潮の時刻は毎日約50分ずつ遅れていきます。
さらに、潮の干満差も毎日変わります。
- 大潮(おおしお):新月や満月の前後。干満差が最も大きくなり、干潮時には潮が大きく引きます。大鳥居まで歩けるチャンスが最も多い時期です。
- 小潮(こしお):半月の前後。干満差が小さく、干潮になってもあまり潮が引かないため、一日を通して潮位が100cm以下にならない日もあります。
このように、訪問する日によっては、残念ながら一日中歩けないというケースも考えられます。だからこそ、事前の潮見表チェックが本当に大切なのです。特に潮位が40cm以下まで下がるような大潮の干潮時は、普段は歩けないような場所まで行ける絶好のチャンスですよ。
干潮時に大鳥居まで歩くルートと注意点
潮位が100cm以下になることを確認したら、いよいよ大鳥居を目指しましょう。ルートは非常にシンプルです。
浜辺への下り方
厳島神社の入口手前や、出口を過ぎたあたりに、浜辺へ下りるための石段がいくつか設置されています。潮が引くと、多くの人が大鳥居に向かって歩き始めるので、すぐに分かるはずです。
歩く際の注意点
浜辺を歩く際は、いくつか注意が必要です。
- 足元:地面は砂地ですが、場所によってはぬかるんでいたり、海藻で滑りやすくなっていたりします。足元をよく見て歩きましょう。
- フジツボ:大鳥居の柱や、浜辺に点在する岩には、フジツボや貝殻がびっしり付着しています。素手で触ると手を切る恐れがあるので、十分に注意してください。
- 神様の通り道:よく見ると、社殿から大鳥居に向かって、潮が引いても水が残っている筋のような場所があります。これは神様の通り道とも言われています。むやみに立ち入らず、敬意を払いましょう。
間近で見るべきポイント
せっかく大鳥居の真下まで来たのなら、ぜひチェックしてほしいポイントがあります。
- 扁額(へんがく):鳥居に掲げられた額の文字が、海側と神社側で異なるのをご存知でしたか?海側には「嚴嶋神社」、神社側には「伊都岐島神社」と書かれています。ぜひ見比べてみてください。
- 構造:この巨大な大鳥居は、地面に埋められているわけではなく、鳥居そのものの重さ(約60トン)だけで立っています。その安定感と迫力を、ぜひご自身の目で確かめてください。

せっかく来たのなら色々なことを体験してみてください
失敗しない!歩くときの靴選びのコツ

干潮時に大鳥居まで歩く計画で、最も悩ましいのが「靴」の問題です。データベースの情報や体験談を総合すると、ベストな選択は「汚れてもよく、歩きやすい靴」となります。
お気に入りの新しいスニーカーや、ヒールの高い靴は絶対におすすめできません。それぞれの靴のメリット・デメリットを理解して、自分に合ったものを選びましょう。
靴の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
汚れてもよいスニーカー | 歩きやすい。宮島内の他の観光にもそのまま対応できる。 | 確実に汚れる。濡れると乾きにくい。 |
ビーチサンダル | 濡れても気にならない。汚れてもすぐに洗える。安価で用意できる。 | ぬかるみで脱げやすい。長時間歩くのには不向き。冬は寒い。 |
長靴(レインブーツ) | 汚れや濡れを完全に防げる。 | 荷物になる。夏は蒸れる。 |
裸足 | 最も手軽。解放感がある。 | 貝殻などで足を怪我するリスクがある。冬は非常に冷たい。 |
【おすすめの持ち物】
靴選びと合わせて、足を拭くためのタオルやウェットティッシュ、そして汚れ物を入れるビニール袋を持って行くと非常に便利です。浜辺から上がったところに足を洗える水道が設置されているので、そこで汚れを洗い流し、タオルで拭けば、その後の観光も快適に続けられます。

裸足はケガのリスクがあるからちょっと不安だね
そうね。私なら汚れるの覚悟でスニーカーを選ぶかな

結論!厳島神社は満潮と干潮どっちがいいか

あなたの旅が、心に残る素敵な思い出になりますように♪