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手水舎で口をすすぐ際の正しい手順とNG行為をチェック

手水舎

神社や寺院の手水舎(てみずや)で口をすすぐ作法には、正しい手順やマナーがあります。しかし、手水舎で口をすすぐ行為について「本当に必要なのか」「衛生的に問題はないのか」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。特に「飲んでも大丈夫なのか」「吐き出すのはなぜか」「適切な吐き出す場所はどこなのか」など、不安に感じることもあるかもしれません。

また、「口をすすぐときの作法ややり方がわからない」「口をすすぐふりでもいいのか」「どうしてもすすぎたくない場合はどうすればよいのか」と悩む方もいるでしょう。さらに、手水舎によっては柄杓がないこともあり、その場合の対応方法を知っておくことも大切です。

加えて、「手水舎の水はどこから来ているのか」「水が汚いと感じた場合はどうすべきか」「口をすすいだ後の正しい振る舞いは何か」といった点も知っておくと安心です。もし口をすすぐのを忘れた場合でも、適切に対処すれば問題なく参拝できます。

本記事では、口をすすぐ意味をはじめ、正しい手水の作法や注意点を詳しく解説します。手水舎でのマナーを理解し、清らかな心で参拝できるようにしましょう。

記事のポイント

  • 手水舎で口をすすぐ意味とその重要性を理解できる
  • 正しい口のすすぎ方や作法を学べる
  • 吐き出す理由や適切な吐き出し場所を知ることができる
  • 口をすすぐ際の衛生面や水の安全性について理解できる
  • 柄杓がない場合やすすぎを忘れたときの対処法を知ることができる

手水舎で口をすすぐ意味と正しい作法

  • 口をすすぐ意味とは?
  • 口をすすぐときの作法とやり方
  • 吐き出すのはなぜ? 吐き出す場所に注意
  • 口をすすぐふりはOK? すすぎたくない場合
  • 口をすすぐのを忘れたときの対処法

口をすすぐ意味とは?

手水舎で口をすすぐ行為には、単なる衛生的な目的以上の意味があります。古くから、日本では水には清めの力があると考えられてきました。そのため、神社や寺院を訪れる際には、まず手水舎で手や口を清め、心身を整えることが重要とされています。

本来、神社参拝の前には禊(みそぎ)という儀式を行い、川や海で全身を清めるのが習わしでした。しかし、現代ではその儀式が簡略化され、手水舎での手と口の清めがその代わりとなっています。特に口をすすぐ行為には、「言葉の穢れを祓う」という意味が込められています。日常生活では、不用意な発言や悪口などを口にしてしまうことがありますが、口をすすぐことでそれらを清め、神様に対して敬意を持って参拝する準備を整えるのです。

また、手水は「禊」の名残であり、形式的に行うのではなく、心を込めて行うことが大切です。口をすすぐことで心の汚れを落とし、清らかな気持ちで参拝することができるでしょう。

口をすすぐときの作法とやり方

手水舎で口をすすぐ人
手水舎を利用する人

手水舎での口のすすぎ方には正しい作法があります。神社や寺院では、参拝前にこの作法を守ることで、より丁寧な心構えを持つことができます。

まず、手水舎に着いたら軽く一礼をしてから、右手で柄杓を持ち水をすくいます。一度に汲み上げる水の量で、すべての動作を終える必要があるため、水の配分にも注意しましょう。

次に、以下の手順で進めます。

やり方

  1. 左手に水をかけて清める
  2. 柄杓を左手に持ち替え、右手を清める
  3. 再び柄杓を右手に持ち替え、左手のひらに水を溜める
  4. 左手のひらに溜めた水を口に含みすすぐ(柄杓に直接口をつけるのはマナー違反)
  5. すすいだ後の水は、手水舎の排水溝や指定の場所に静かに吐き出す
  6. もう一度左手に水をかけて清め、最後に柄杓の柄の部分を洗い流して元の位置に戻す

また、口をすすぐ際には、周囲の人への配慮も重要です。すすいでいる姿を見せないように、左手で口元を隠すと良いでしょう。衛生面が気になる場合は、口をすすがず、唇を湿らせるだけの方法をとることも可能ですが、本来の作法に則ることが望ましいです。

さらに詳しい解説は神社本庁に掲載されています。

吐き出すのはなぜ? 吐き出す場所に注意

手水舎で口をすすいだ後、水を吐き出すのには理由があります。それは、「穢れを外に出す」という意味があるためです。手水は、単なる手や口の洗浄ではなく、心身を清めるための儀式です。そのため、口の中をすすいだ水を飲み込むことは、本来の目的に反する行為となります。

また、口をすすいだ水を吐き出す際には、吐き出す場所にも気をつけなければなりません。基本的に、手水舎の水盤に直接吐き出してはいけません。水盤は次に手水を使う人が水を汲み上げる場所なので、不衛生な行為となってしまいます。

正しい吐き出し場所は、手水舎の周りに設けられた排水溝や砂利の上です。多くの手水舎には、口をすすいだ水を捨てるための溝や石畳が用意されているので、事前に確認しておくと良いでしょう。

さらに、吐き出すときは周囲の人に配慮し、静かに行うことが大切です。大きな音を立てたり、不快感を与えるような行為は避けましょう。神社や寺院は神聖な場所であるため、細かな所作にも気を配ることが求められます。

口をすすぐふりはOK? すすぎたくない場合

手水舎で口をすすぎたくない人

手水舎での口すすぎは、神社や寺院を訪れる際の大切な作法の一つです。しかし、「衛生面が気になる」「抵抗がある」などの理由で、口をすすぐことを避けたいと考える人も少なくありません。このような場合、口をすすぐふりだけで済ませてもよいのでしょうか。

基本的に、口をすすぐふりだけで済ませるのは適切ではありません。なぜなら、口をすすぐことには「言葉の穢れを清める」という意味があるためです。作法の一環として、できるだけ実際に水を口に含んで清めることが望ましいでしょう。

一方で、どうしてもすすぎたくない場合の代替方法もあります。例えば、以下の方法を試してみてください。

  • 唇を軽く湿らせる:水を左手にため、口に含まずに唇を湿らせるだけでも、清める行為として一定の意味を持ちます。
  • 水を口元に近づける:手にすくった水を口の近くに持っていき、そのまま静かに流すことで「清める意識」を示すことができます。
  • 心の中で敬意を払う:手水の目的は「清める心」を持つことです。どうしてもできない場合は、心の中で敬意を払い、静かに手を合わせるのも一つの方法です。

衛生面が気になる場合、持参した飲料水で手水の作法を行うことも選択肢の一つです。ただし、口をすすぐ行為を完全に省略するのではなく、少しでも清める意識を持つことが大切です。

口をすすぐのを忘れたときの対処法

口をすすぐのを忘れた人

参拝前に手水舎で手を洗ったものの、口をすすぐのを忘れてしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。神社や寺院では、手水を使って手と口を清めることが作法とされているため、できる限り適切に対処することが望ましいです。

まず、まだ手水舎の近くにいる場合は、もう一度戻って口をすすぐのが理想的です。一度通り過ぎてしまっていても、戻って正しく作法を行うことで、清めの儀式を完了させることができます。

もし、手水舎から離れてしまい戻るのが難しい場合、次の方法を試してみましょう。

  • 持参した水を使う:ペットボトルや水筒の水を左手にため、口をすすぐことで代用できます。
  • 心の中で清める意識を持つ:どうしても水を使えない状況では、心を落ち着け、口をすすぐつもりで静かに手を合わせるのも一つの方法です。
  • 次回の参拝時に意識する:その場でどうしても対応できなかった場合は、次回の参拝時には忘れずに正しい作法を実践するよう心がけましょう。

口をすすぐことは手水の重要な要素ですが、忘れたからといって過度に気にする必要はありません。大切なのは、神聖な場所に対する敬意を持ち、できる範囲で作法を守る姿勢です。

手水舎で口をすすぐ際の疑問と注意点

  • 口をすすいだ後はどうする?
  • 手水の水はどこからきているのか
  • 口をすすいだ水を誤って飲んでも大丈夫?
  • 衛生面は大丈夫? 汚い水は避けるべき?
  • 柄杓がない場合の口をすすぐ方法
  • 手水舎で口をすすぐ作法と注意点

口をすすいだ後はどうする?

手水舎で口をすすいだ後、正しく作法を完了させるためには、適切な対応が求められます。口をすすいだ後に何をするべきかを知っておくことで、スマートに作法を行うことができます。

まず、すすいだ水は静かに吐き出すことが基本です。手水舎には通常、排水溝や砂利が設置されており、そこに向かって水を吐き出すのが適切な方法です。誤って水盤や柄杓に水を戻してしまうことのないよう注意しましょう。

次に、左手をもう一度清めることも重要です。口をすすぐ際に使った左手は、口の水を受けているため、改めて清めることで、作法を完結させることができます。

その後、柄杓の柄を洗い流し、もとの位置に伏せて戻します。これは、次に使う人のために清潔に保つための配慮でもあります。最後に、手水舎を離れる前に軽く一礼をして、感謝の気持ちを示しましょう。

手や口を清めた後、すぐに顔や髪を触るのは避けた方がよいでしょう。せっかく清めた手が再び汚れてしまう可能性があるため、なるべく意識しておくことが大切です。また、手を拭く際には、持参したハンカチや手ぬぐいを使用するのが一般的ですが、神社によっては「自然乾燥が望ましい」とするところもあります。気になる場合は、事前に参拝する神社の習慣を確認しておくとよいでしょう。

このように、口をすすいだ後の所作も含めて手水の作法が完結します。細かい作法を意識しながら、心を込めて手水を行うことが大切です。

手水の水はどこからきているのか

神社にある井戸の水

手水舎の水は、神社や寺院によって供給源が異なります。一般的には、井戸水や地下水、山から流れてくる湧き水が使われることが多いですが、都市部の神社では水道水を使用している場合もあります。

古くからの伝統を守っている神社では、境内に湧き出る御神水(ごしんすい)が使われていることがあります。これは、神聖な水とされ、参拝者が持ち帰ることを許されている場合もあります。一方で、近年では水質管理の観点から、定期的に水を入れ替えたり、循環式の設備を導入している神社も増えています。

ただし、どの水源であっても、参拝者が直接飲むことを目的としていません。特に流れがない水盤の水を汲んでしまうと、不衛生な可能性があるため、柄杓を使い、正しい作法で手と口を清めることが重要です。

口をすすいだ水を誤って飲んでも大丈夫?

手水舎で口をすすぐ際に、うっかり水を飲んでしまうことがあるかもしれません。この場合、基本的には問題がないことが多いですが、注意が必要な点もあります。

手水舎の水は、井戸水や水道水を使用している場合が多いため、一般的な飲料水と比べて衛生面に大きな問題があるわけではありません。しかし、神社によっては水が循環式になっていないため、長時間溜まっていることもあり、飲用には適していないことがあります。

誤って飲んでしまった場合、すぐに体調を崩すことはほとんどありませんが、気になる場合は、うがいや水を飲むことで口の中をすすぐと安心です。特に体調がすぐれないときや免疫が低下している場合は、意識的に気をつけるとよいでしょう。

衛生面は大丈夫? 汚い水は避けるべき?

手水舎の水は基本的に清潔に保たれていますが、衛生面が気になる場合もあるでしょう。特に、水が循環していない手水舎では、汲み上げた水が長時間滞留していることがあり、衛生管理が行き届いていない可能性があります。

水の衛生状態を確認するには、以下のポイントをチェックするとよいでしょう。

  • 水が流れ続けているか(湧き水や水道水が使われている可能性が高い)
  • 水盤にゴミや落ち葉が浮いていないか(清掃が行き届いているかの目安になる)
  • 水の色や臭いに異常がないか(濁っていたり異臭がする場合は避ける)

万が一、水が明らかに汚れていると感じた場合は、無理に手水を使わなくても問題ありません。その場合、持参したペットボトルの水やウェットティッシュを使って手を清めることで代用できます。また、神社によっては手水舎が設置されていないこともあるため、必ずしも手水を使わなければならないわけではありません。

大切なのは、清める意識を持つことです。水の状態が気になる場合は、無理をせず、他の方法で心を整えることを優先しましょう。

柄杓がない場合の口をすすぐ方法

柄杓がなくて困ってる女性
柄杓がなくて困っている女性

近年では、新型ウイルスの感染予防や衛生管理の観点から、柄杓を撤去している神社や寺院も増えています。この場合、どのようにして手水をとればよいのでしょうか。

柄杓がない場合は、手水舎の吐水口から直接流れ落ちる水を使って清めます。以下の手順で行いましょう。

柄杓がない場合の手順

  1. まず、手水舎の前で軽く一礼する
  2. 両手を水にかざして清める(このとき指先から手首までしっかり流す)
  3. 手のひらに水をため口をすすぐ(すすぐふりをすることも可)
  4. もう一度、両手を清める
  5. 最後に一礼して手水舎を離れる

この方法であれば、柄杓がなくても適切に手と口を清めることができます。ただし、手水舎の水に直接口をつけるのは厳禁です。また、吐水口に手を近づけすぎると、衛生的に問題があるため、適度な距離を保ちながら行いましょう。

もし水をすくいづらい場合は、持参したペットボトルの水を使って手と口を清めるのも一つの方法です。重要なのは、正しい心構えで清めることなので、環境に応じた方法で手水をとるようにしましょう。

手水舎で口をすすぐ作法と注意点

この記事をまとめると以下のようになります。

  • 口をすすぐ行為は、言葉の穢れを祓う意味を持つ
  • 手水は禊の簡略化であり、神様に敬意を示すための儀式
  • 口をすすぐときは、左手のひらに水をためて行う
  • 柄杓に直接口をつけるのはマナー違反
  • すすいだ水は、手水舎の排水溝や砂利の上に静かに吐き出す
  • 口をすすぐふりは作法上好ましくないが、衛生面が気になる場合は代替方法もある
  • 口をすすぐのを忘れた場合、可能であれば手水舎に戻ってやり直す
  • どうしても戻れない場合は、持参した水で代用するのも一つの方法
  • 口をすすいだ後は、もう一度左手を清めることが大切
  • 手水舎の水は井戸水、湧き水、水道水など神社によって異なる
  • 手水舎の水を誤って飲んでも問題ない場合が多いが、飲用には適していない
  • 衛生面が気になる場合は、水が流れているか、水盤が清潔かを確認する
  • 明らかに水が汚いと感じた場合は、無理に手水を使わず別の方法で清める
  • 柄杓がない場合は、直接流れる水で手を清め、口をすすぐ
  • 参拝前に心を整え、正しい手水の作法を意識することが大切

あなたの参拝が、心を清め、深い安らぎとご縁を感じる特別なひとときとなりますように。