日本の伝統文化 年中行事と暦

2026年版(令和8年)二十四節気と七十二候カレンダーを紹介

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2026年の二十四節季と七十二候カレンダー

こんにちは。神社と日本の伝統文化、運営者の「月影」です。

ふと空を見上げたときや風の匂いに変化を感じたとき、今は季節のどこにいるのだろうと思ったことはありませんか。

2026年という新しい年を迎えるにあたり、日々の暮らしに彩りを添える二十四節気や七十二候のカレンダーに関心を寄せる方が増えています。

春の足音が聞こえる立春から始まり、暑さが極まる大暑、そして実りの秋を経て冬へと向かう季節の移ろいは、私たちの心身のリズムと深く結びついているものです。

今日がどのような意味を持つ日なのかを知り、その時期ならではの旬の食べ物や伝統的な過ご方を取り入れることで、何気ない毎日がとても愛おしいものに変わるはずです。

このページでは、2026年の日付一覧や季節ごとの楽しみ方を分かりやすくまとめてみました。

この記事でわかること

  • 2026年の二十四節気と七十二候の正確な日付と曜日
  • それぞれの季節が持つ本来の意味や美しい名称の由来
  • 季節ごとの旬の食材や伝統行事を取り入れた暮らしのヒント
  • 季節の変わり目に合わせた体調管理や養生のポイント

2026年版二十四節気と七十二候カレンダー春夏

まずは、生命が目覚め活動的になっていく春から夏にかけての暦を見ていきましょう。

寒さの中に温かさを感じる始まりの季節から、万物が力強く成長する夏至の頃まで、2026年の時空間を二十四節気と七十二候という羅針盤を使って紐解いていきますね。

二十四節気と七十二候の違いと意味

二十四節気と七十二候の違いと意味
神社と日本の伝統文化・イメージ

カレンダーや天気予報でよく耳にする「二十四節気」や「七十二候」ですが、具体的にどう違うのか少し分かりにくい部分もありますよね。

どちらも季節を表す言葉ですが、簡単に言ってしまうと、季節を区分する細かさの違いであり、見ている視点が少し異なります。

二十四節気は、もともと中国の黄河流域で生まれた暦のシステムです。地球から見た太陽の通り道である「黄道」を15度ずつ24等分して決められています。

「夏至」や「冬至」、「春分」などが有名ですが、これらは約15日ごとに訪れる季節の大きな節目です。

太陽の動きを基準にしているので、農業など日照時間が重要になる活動において、種まきや収穫の時期を知るための絶対的な指標として重宝されてきました。

一方、それをさらに約5日ずつ、3つ(初候・次候・末候)に分けて、より細やかな自然の変化を描写したのが七十二候です。

二十四節気が「天文学的な視点」に基づいているのに対し、七十二候は「生物学的・気象学的な視点」と言えるかもしれません。

「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」や「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」のように、その時期に吹く風や、虫や鳥たちの行動、花々の開花などがそのまま名前になっています。

日本独自の七十二候

実は、現在日本で使われている七十二候は、江戸時代の天文暦学者・渋川春海らが改訂した「略本暦(りゃくほんれき)」がベースになっています。

中国から伝わったオリジナルの七十二候には、日本の気候風土に合わない記述(日本にはいない鳥の話など)が含まれていたため、日本の自然に合わせて書き直されたのです。

だからこそ、私たちの肌感覚にしっくりくる美しい日本語が並んでいるんですね。

このように、二十四節気で季節の大枠を捉え、七十二候で日々の微細な変化を感じ取る。この二つを組み合わせることで、私たちは自然の呼吸に合わせた豊かな時間を過ごすことができるのです。

2026年1月から3月の日付一覧

2026年1月から3月の日付一覧
神社と日本の伝統文化・イメージ

新しい年の始まりである1月から、本格的な春を迎える3月までの暦をまとめました。2026年のこの時期は、寒さが底を打ち、徐々に光が満ちていく希望の季節です。立春を境に、暦の上では新しい年がスタートします。

二十四節気日付七十二候(期間の目安)候の名称と読み・意味
1月小寒
(しょうかん)
1月5日
(月)
1/5〜1/9芹乃栄(せりすなわちさかう)
寒セリが盛んに育つ頃
1/10〜1/14水泉動(しみずあたたかをふくむ)
地中の凍った泉が動き始める
1/15〜1/19雉始雊(きじはじめてなく)
雄のキジが鳴き始める
大寒
(だいかん)
1月20日
(火)
1/20〜1/24款冬華(ふきのはなさく)
フキノトウが顔を出す
1/25〜1/29水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
沢の水が厚く凍りつめる
1/30〜2/3鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)
鶏が卵を産み始める
2月立春
(りっしゅん)
2月4日
(水)
2/4〜2/8東風解凍(はるかぜこおりをとく)
春風が氷を解かす
2/9〜2/13黄鶯睍睆(うぐいすなく)
ウグイスが山里で鳴く
2/14〜2/18魚上氷(うおこおりをいずる)
氷の間から魚が跳ねる
雨水
(うすい)
2月19日
(木)
2/19〜2/23土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
大地が潤い脈打つ
2/24〜2/28霞始靆(かすみはじめてたなびく)
春霞がたなびき始める
3/1〜3/5草木萌動(そうもくめばえいずる)
草木が芽吹き始める
3月啓蟄
(けいちつ)
3月6日
(金)
3/6〜3/10蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)
冬籠りの虫が出てくる
3/11〜3/15桃始笑(ももはじめてわらう)
桃の花が咲き始める
3/16〜3/19菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
青虫が蝶になる
春分
(しゅんぶん)
3月20日
(金・祝)
3/20〜3/24雀始巣(すずめはじめてすくう)
雀が巣作りを始める
3/25〜3/29桜始開(さくらはじめてひらく)
桜の花が咲き始める
3/30〜4/4雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
春の雷が鳴り始める

※各日付は(出典:国立天文台『令和8年(2026)暦要項』)に基づいています。

1月は「寒の入り」とも呼ばれ、一年で最も寒い時期ですが、七十二候を見ると「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」のように、目に見えない地中で春の準備が進んでいることが分かります。

そして2月の立春は旧暦のお正月。ここからが本当の意味での2026年のスタートと言えるでしょう。

3月の啓蟄には虫たちが目覚め、春分には昼と夜の長さが同じになり、いよいよ生命が謳歌する季節へと突入していきます。

立春から穀雨までの行事や旬の食材

立春から穀雨までの行事や旬の食材
神社と日本の伝統文化・イメージ

2月4日の立春は、暦の上での春の始まりであり、八十八夜や二百十日などの雑節を数える基準となる非常に重要な日です。前日の2月3日は「節分」。

「鬼は外、福は内」と豆をまいて邪気を払いますが、これは季節の変わり目に生じやすい体調不良や災厄を避け、清らかな心身で新しい季節を迎えるための昔ながらの生活の知恵なんですね。

この時期にぜひ味わっていただきたい食材は、なんといっても「蕗の薹(ふきのとう)」です。雪解けの地面から顔を出すあの独特の苦味。

実はこの苦味成分(植物性アルカロイド)には、冬の間に鈍った新陳代謝を促進し、身体を目覚めさせる生理的な効果があると考えられています。

天ぷらやフキ味噌にしていただくと、春の香りが口いっぱいに広がり、「ああ、春が来たな」と実感できるはずです。

そして3月3日は「桃の節句(上巳の節句)」。ひな人形を飾り、女の子の健やかな成長を願う行事ですが、大人の女性にとっても華やかで心躍る日ですよね。

この時期の定番料理である蛤(はまぐり)のお吸い物には、対の貝殻しかぴったりと合わないことから「夫婦和合」の象徴という意味が込められています。栄養学的にもタウリンや鉄分が豊富で、春先の貧血予防にも嬉しい食材です。

3月20日からの「春分」は、ご先祖様を敬うお彼岸の中日でもあります。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通り、この日を境に冬のコートを手放す人が増えます。

お供えする「ぼたもち(牡丹餅)」は、小豆の赤色が魔除けになると信じられており、これから始まる農作業の無事を祈る意味も。

春は牡丹の花になぞらえて「ぼたもち」、秋は萩の花になぞらえて「おはぎ」と呼び分ける日本人の感性は、本当に素敵だなと思います。

4月20日頃の「穀雨(こくう)」は、田畑を潤す春雨が降る時期。この期間の終わりには八十八夜(2026年は5月2日)が訪れ、茶摘みが最盛期を迎えます。

この時期の新茶は冬の間に蓄えた養分が凝縮されていて旨味がたっぷり。ビタミンCやカテキンも豊富なので、季節の変わり目の風邪予防にも最適です。

4月から6月の季節の変わり目と暦

4月から6月の季節の変わり目と暦
神社と日本の伝統文化・イメージ

桜の季節が過ぎ、新緑が眩しくなる4月から、梅雨を経て夏へと向かう6月までの暦です。ゴールデンウィークや衣替えなど、現代の生活イベントともリンクするこの時期の変化を、二十四節気は鮮やかに切り取っています。

二十四節気日付七十二候(期間の目安)候の名称と読み・意味
4月清明
(せいめい)
4月5日
(日)
4/5〜4/9玄鳥至(つばめきたる)
燕が南からやって来る
4/10〜4/14鴻雁北(こうがんきたへかえる)
雁が北へ帰っていく
4/15〜4/19虹始見(にじはじめてあらわる)
雨上がりに虹が見え始める
穀雨
(こくう)
4月20日
(月)
4/20〜4/24葭始生(あしはじめてしょうず)
芦が芽吹き始める
4/25〜4/29霜止出苗(しもやんでなえいずる)
霜が終わり稲の苗が育つ
4/30〜5/4牡丹華(ぼたんはなさく)
牡丹の花が咲く
5月立夏
(りっか)
5月5日
(火・祝)
5/5〜5/9蛙始鳴(かわずはじめてなく)
蛙が鳴き始める
5/10〜5/14蚯蚓出(みみずいずる)
ミミズが地上に出てくる
5/15〜5/20竹笋生(たけのこしょうず)
筍が生えてくる
小満
(しょうまん)
5月21日
(木)
5/21〜5/25蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
蚕が桑を盛んに食べる
5/26〜5/30紅花栄(べにばなさかう)
紅花が咲き誇る
5/31〜6/4麦秋至(むぎのときいたる)
麦が熟し収穫の時を迎える
6月芒種
(ぼうしゅ)
6月5日
(金)
6/5〜6/9螳螂生(かまきりしょうず)
カマキリが生まれる
6/10〜6/14腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)
蛍が舞い始める
6/15〜6/20梅子黄(うめのみきばむ)
梅の実が黄色く熟す
夏至
(げし)
6月21日
(日)
6/21〜6/25乃東枯(なつかれくさかるる)
夏枯草が枯れる
6/26〜6/30菖蒲華(あやめはなさく)
アヤメの花が咲く
7/1〜7/6半夏生(はんげしょうず)
半夏が生え、田植えが終わる

4月5日頃の「清明」は、その名の通り「清浄明潔」な季節。花々が咲き乱れ、南東の風が心地よく吹くこの時期は、新年度の緊張をほぐしてくれるような明るさに満ちています。

七十二候の「玄鳥至(つばめきたる)」にあるように、ツバメが巣作りを始めるのもこの頃。軒先のツバメは繁栄の象徴として、古くから大切にされてきました。

そして5月5日は立夏(りっか)。ゴールデンウィークの最終日あたりから、暦の上ではもう「夏」なんです。新緑を揺らす風は「薫風(くんぷう)」と呼ばれ、一年で最も過ごしやすい時期と言えるでしょう。

しかし、現代では紫外線が急激に強くなる時期でもあるので、早めの対策が必要ですね。

「木の芽時」の体調管理
春から初夏にかけては、気温の寒暖差が激しく、自律神経が乱れやすい「木の芽時(きのめどき)」でもあります。5月病という言葉があるように、心身のバランスを崩しやすい時期ですので、旬のタケノコや豆類などを食べてエネルギーを補給し、無理をしないことが大切です。

6月に入ると「芒種(ぼうしゅ)」を迎え、空気中の湿度が上がってきます。

「梅子黄(うめのみきばむ)」という候の通り、梅の実が熟して黄色くなる頃に降る雨だから「梅雨(ばいう)」。雨空が続くと気分も塞ぎがちですが、雨に濡れたアヤメや紫陽花の美しさは、この時期だけの特権です。

立夏から夏至の時期の過ごし方

立夏から夏至の時期の過ごし方
神社と日本の伝統文化・イメージ

5月5日の立夏から、一年で最も昼が長くなる6月21日の夏至にかけては、自然界の陽の気が最高潮に達するエネルギッシュな時期です。

この時期の生活の知恵として外せないのが、6月1日の「衣替え」です。これは平安時代の宮中行事「更衣(こうい)」に由来するもの。

湿度が高くなる梅雨入り前に冬物を片付け、風通しを良くしてカビを防ぐというのは、日本の気候に合わせた非常に合理的な家事なんですね。

クローゼットの整理と一緒に、気持ちも夏モードへ切り替えていきましょう。

そして、6月の手仕事といえば「梅仕事」です。芒種から夏至にかけて熟す梅を使って、梅干しや梅酒、梅シロップを仕込みます。

梅に含まれるクエン酸は疲労回復効果が抜群で、高温多湿で体力を消耗しやすい日本の夏を乗り切るための必須アイテム。自家製の梅酒が出来上がるのを待つのも、豊かな時間の使い方ですよね。

夏至(2026年は6月21日)には、地域によって面白い風習があります。例えば関西地方では、この日に「タコ」を食べる習慣があるのをご存知ですか?

これは、田植えを終えた稲の根が、タコの足のように大地にしっかりと四方八方に根付くことを祈願したものなんです。

タコにはタウリンが豊富に含まれているので、田植えで疲れた農家の人々の疲労回復にも役立っていたはず。先人の知恵には本当に驚かされます。

また、神社の運営者として忘れてはならないのが、6月30日に行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」です。

半年の間に知らず知らずのうちに溜まった罪や穢れを払い落とす神事で、大きな「茅の輪(ちのわ)」をくぐります。「水無月(みなづき)」という和菓子を食べて邪気を払う習慣もありますので、ぜひお近くの神社へ足を運んでみてくださいね。

季節を感じる二十四節気や七十二候カレンダー秋冬

さあ、ここからは2026年の後半戦です。うだるような暑さのピークから、空気が澄み渡る実りの秋、そして静寂に包まれる冬へと向かうドラマチックな季節の移ろい。カレンダーをめくるたびに表情を変える日本の秋冬を、暦の言葉と共に味わっていきましょう。

7月から9月の処暑などの意味

7月から9月の処暑などの意味
神社と日本の伝統文化・イメージ

7月に入るとすぐに七夕があり、本格的な夏の到来を告げます。小暑から大暑にかけては暑さが厳しくなりますが、お盆を過ぎれば秋の気配が漂い始めます。

二十四節気日付七十二候(期間の目安)候の名称と読み・意味
7月小暑
(しょうしょ)
7月7日
(火)
7/7〜7/11温風至(あつかぜいたる)
熱風が吹き始める
7/12〜7/16蓮始開(はすはじめてひらく)
蓮の花が開き始める
7/17〜7/22鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)
鷹の幼鳥が飛ぶ練習をする
大暑
(たいしょ)
7月23日
(木・祝)
7/23〜7/27桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
桐の実がなり始める
7/28〜8/1土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
蒸し暑さが厳しくなる
8/2〜8/6大雨時行(たいうときどきふる)
夕立や大雨が降る
8月立秋
(りっしゅう)
8月7日
(金)
8/7〜8/11涼風至(すずかぜいたる)
涼しい風が立ち始める
8/12〜8/16寒蝉鳴(ひぐらしなく)
ヒグラシが鳴き始める
8/17〜8/22蒙霧升降(ふかききりまとう)
深い霧が立ち込める
処暑
(しょしょ)
8月23日
(日)
8/23〜8/27綿柎開(わたのはなしべひらく)
綿を包むガクが開く
8/28〜9/1天地始粛(てんちはじめてさむし)
暑さが鎮まり秋の気配
9/2〜9/6禾乃登(こくものすなわちみのる)
稲が実り穂を垂れる
9月白露
(はくろ)
9月7日
(月)
9/7〜9/11草露白(くさのつゆしろし)
草に降りた露が白く光る
9/12〜9/16鶺鴒鳴(せきれいなく)
セキレイが鳴き始める
9/17〜9/22玄鳥去(つばめさる)
燕が南へ帰っていく
秋分
(しゅんぶん)
9月23日
(水・祝)
9/23〜9/27雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
雷が鳴らなくなる
9/28〜10/2蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
虫が土に潜り戸を塞ぐ
10/3〜10/7水始涸(みずはじめてかるる)
田の水を抜き稲刈りの準備

7月23日頃からの「大暑」は、一年で最も暑さが厳しい「酷暑」の時期。七十二候の「大雨時行(たいうときどきふる)」は、現代で言うゲリラ豪雨を指しているかのようです。

この期間中の「土用の丑の日」(2026年の夏土用は7月19日〜8月6日)に鰻を食べるのは、ビタミンAやB群が豊富な鰻で夏バテを防ぐための理にかなった習慣です。

そして8月7日の立秋。暦の上ではここから秋になります。「こんなに暑いのに秋?」と思われるかもしれませんが、七十二候は「涼風至(すずかぜいたる)」。

「新涼(しんりょう)」と呼ばれる微かな涼しさが、朝夕の風に混じり始める時期なんです。空を見上げると、力強い入道雲から、刷毛で掃いたような鰯雲へと変化しているのに気づくかもしれません。

8月23日頃は「処暑(しょしょ)」。「処」には落ち着くという意味があり、暑さが峠を越えて収まる頃を指します。

しかし、安心はできません。この時期は台風シーズンでもあり、昔から「二百十日(立春から数えて210日目)」は農作物を守るための厄日として警戒されてきました。

2026年の9月1日は「防災の日」であると同時に、ちょうどこの二百十日にあたります。現代の私たちも、このタイミングで非常用持ち出し袋の点検などをしておくと安心ですね。

立秋から霜降までの気候と食べ物

立秋から霜降までの気候と食べ物
神社と日本の伝統文化・イメージ

秋が深まると、日本の食卓は一年で最も賑やかになります。「天高く馬肥ゆる秋」という言葉通り、美味しいものが目白押しです。

この時期の養生は、夏の疲れを癒し、これから来る厳しい冬に備えて体にエネルギーを蓄えることがテーマになります。

9月の「白露(はくろ)」の頃には、夜間の気温が下がり、草花に朝露が宿るようになります。キラキラと光る露の玉は「露の珠」とも呼ばれ、儚い美しさの象徴。

9月9日の「重陽の節句(菊の節句)」には、菊の花を浮かべた菊酒で不老長寿を願う風習があります。

そして忘れてはならないのが、お月見です。2026年の中秋の名月(十五夜)は9月25日頃になります。

澄み渡った秋の夜空に浮かぶ月を眺めながら、月見団子やすすきを供えて収穫に感謝する。電気を消して、月の明かりだけで過ごす夜というのも、現代人にとっては最高の贅沢かもしれません。

秋の味覚の代表格「サンマ」
秋刀魚(サンマ)は、DHAやEPAといった良質な脂が豊富で、血液をサラサラにしたり脳を活性化させたりする働きがあります。大根おろしと一緒に食べれば消化も良く、焼き魚の香ばしさは食欲をそそりますよね。まさに、冬に向けた体作りに欠かせない自然のサプリメントです。

10月23日頃の「霜降(そうこう)」になると、北国や山間部からは初霜の便りが届き始めます。

七十二候の「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」にあるように、山々が紅葉で赤や黄色に染まる「錦秋(きんしゅう)」の世界が広がります。寒暖差が大きくなるこの時期は、紅葉が鮮やかになる条件でもあります。

10月から12月の冬至などの日付

10月から12月の冬至などの日付
神社と日本の伝統文化・イメージ

秋の深まりとともに、夜が長く感じるようになる10月から、一年の締めくくりである12月までのカレンダーです。冬至に向けて日照時間が短くなり、自然界が休息モードに入っていく様子が分かります。静かな時間が流れるこの季節もまた、味わい深いものです。

二十四節気日付七十二候(期間の目安)候の名称と読み・意味
10月寒露
(かんろ)
10月8日
(木)
10/8〜10/12鴻雁来(こうがんきたる)
雁が北から渡ってくる
10/13〜10/17菊花開(きくのはなひらく)
菊の花が咲く
10/18〜10/22蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
キリギリスが戸口で鳴く
霜降
(そうこう)
10月23日
(金)
10/23〜10/27霜始降(しもはじめてふる)
霜が降り始める
10/28〜11/1霎時施(こさめときどきふる)
時雨が降る
11/2〜11/6楓蔦黄(もみじつたきばむ)
紅葉や蔦が色づく
11月立冬
(りっとう)
11月7日
(土)
11/7〜11/11山茶始開(つばきはじめてひらく)
山茶花が咲き始める
11/12〜11/16地始凍(ちはじめてこおる)
大地が凍り始める
11/17〜11/21金盞香(きんせんかさく)
水仙の花が咲き香る
小雪
(しょうせつ)
11月22日
(日)
11/22〜11/26虹蔵不見(にじかくれてみえず)
虹が見えなくなる
11/27〜12/1朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)
北風が木の葉を散らす
12/2〜12/6橘始黄(たちばなはじめてきばむ)
橘の実が黄色く色づく
12月大雪
(たいせつ)
12月7日
(月)
12/7〜12/11閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
天地の気が塞がり真冬となる
12/12〜12/16熊蟄穴(くまあなにこもる)
熊が冬眠のために穴にこもる
12/17〜12/21鱖魚群(さけのうおむらがる)
鮭が群がって川を遡上する
冬至
(とうじ)
12月22日
(火)
12/22〜12/26乃東生(なつかれくさしょうず)
夏枯草が芽を出す
12/27〜12/31麋角解(おおしかのつのおつる)
大鹿の角が落ちる
2027/1/1〜雪下出麦(ゆきわたりてむぎいずる)
雪の下で麦が芽を出す

立冬から大寒までの冬の養生

立冬から大寒までの冬の養生
神社と日本の伝統文化・イメージ

11月7日の立冬を迎えると、暦の上ではもう冬です。この頃に吹く強い北風は「木枯らし1号」と呼ばれ、冬の訪れを告げます。

「山茶始開(つばきはじめてひらく)」という候がありますが、ここで言う「つばき」は山茶花(サザンカ)のこと。

花の少ない冬枯れの景色の中で、鮮やかなピンクや赤の花は貴重な彩りとして、私たちの心を温めてくれます。

11月23日は「勤労感謝の日」ですが、もともとは「新嘗祭(にいなめさい)」という大切な宮中行事の日でした。

その年に収穫された新米を神様に捧げ、感謝していただく収穫祭です。

寒さが深まるこの時期、大根や白菜、鱈などを使った温かい鍋料理を家族で囲むことは、体を芯から温めるだけでなく、心の絆を深める「精神的な養生」にもなりますね。

そして12月22日の冬至(とうじ)。一年で最も昼が短く、太陽の力が最も弱まる日ですが、悲観することはありません。

古来より「一陽来復(いちようらいふく)」といって、この日を底として太陽の力が甦り、運気が上昇に転じるおめでたい日と考えられてきました。

冬至の「ん」尽くし
冬至には「ん」のつく食べ物を食べると運がつくと言われています。「なんきん(南瓜)」、「れんこん」、「にんじん」、「ぎんなん」など。特にカボチャ(南瓜)はビタミンA(カロテン)が豊富で、風邪予防に効果的。また、柚子湯に入るのも、柚子の強い香りで邪気を払い、血行を促進して冷え性を改善するという、非常に理にかなった習慣です。

年の瀬の「大雪」を経て、年が明ければ1月20日頃は「大寒」。寒さの底ですが、七十二候の最後は「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」で締めくくられます。

春に向けて生命が着々と準備を始めていることを教えてくれる、希望に満ちたエンディングですね。

2026年二十四節気と七十二候カレンダー総括

2026年二十四節気と七十二候カレンダー総括
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2026年の二十四節気と七十二候のカレンダーを通して、季節の巡りを追いかけてみましたが、いかがでしたでしょうか。

現代の生活では、ついカレンダーの数字や曜日ばかりを気にしてしまいがちですが、こうして暦の言葉に耳を傾けてみると、毎日が変化に富んだドラマチックなものであることに気づかされます。

「今日は啓蟄だから、虫たちも起き出すころかな」「そろそろ半夏生だから、タコを食べようか」といった具合に、暦を暮らしのヒントにしてみてください。

スーパーで食材を選ぶとき、空を見上げるとき、あるいは散歩をするときに、二十四節気や七十二候の言葉を思い出していただければ幸いです。

自然のリズムに寄り添うことで、心も体も健やかに、そして豊かに2026年を過ごせるのではないかなと思います。

  • この記事を書いた人
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月影

はじめまして。月影と申します。
神社や日本の文化が好きで、その魅力を伝えたくてブログを始めました。
忙しい毎日に、和の暮らしや神社参拝を通じて、心がほどける時間をお届けできればと思っています。
どうぞ、ゆったりとお楽しみください。