五節句とは？意味や由来と食べ物をわかりやすく解説【完全版】

こんにちは。神社と日本の伝統文化、運営者の「月影」です。

日本のカレンダーを見ていると、ひな祭りや七夕といった行事が目に入りますよね。

これらは五節句と呼ばれるものですが、改めて五節句とはどのような意味や由来があるのかと聞かれると、答えに詰まってしまう方も多いのではないでしょうか。

実は私たちが普段何気なく食べている行事食や、季節ごとの飾りには、昔の人たちが込めた深い願いや覚え方が隠されています。

この記事では、五節句の日付や読み方はもちろん、現代の生活に取り入れやすい祝い方までを詳しくご紹介します。

基本解説：五節句とはどのような行事か

まずは、五節句という言葉の響きは知っていても、具体的に何の日を指すのか、どのような背景があるのかといった基本から見ていきましょう。

単なる記念日ではなく、季節の変わり目を大切にしてきた日本人の心が詰まっているんですよ。江戸時代に幕府が定めたこの制度は、現代の私たちの生活リズムの基礎にもなっています。

五節句の読み方と種類の基礎知識

五節句（ごせっく）とは、江戸時代に徳川幕府が公的な祝日（式日）として定めた、1年に5回ある季節の節目のことです。現代でいうところの「国民の祝日」のような感覚に近いかもしれませんね。それぞれの名称と日付、読み方を整理してみましょう。

日付	節句の名称	読み方	別名
1月7日	人日の節句	じんじつのせっく	七草の節句
3月3日	上巳の節句	じょうしのせっく	桃の節句
5月5日	端午の節句	たんごのせっく	菖蒲の節句
7月7日	七夕の節句	しちせきのせっく	笹の節句
9月9日	重陽の節句	ちょうようのせっく	菊の節句

こうして表にして見ると、1月7日を除いて、3月3日や5月5日のように月と日の数字が同じ奇数で重なっていることに気づきますね。これは単なる偶然や語呂合わせではなく、古代中国の思想に基づいた非常に明確な理由があるんです。

また、「節句」という言葉の語源についても少し触れておきたいと思います。もともとは「節供（せっく）」と表記されていました。「節」は季節の変わり目や節目を意味し、「供」は神様への供え物を意味します。

つまり、節供とは「季節の節目に神様へ供え物を捧げ、それを共に食す行事」を指していたのです。神道には「神人共食（しんじんきょうしょく）」という考え方があります。

これは、神様に捧げた食事（神饌・しんせん）には神様の霊力が宿るとされ、お祭りの後にそれを人間が下げて食べることで、神様の力を体内に取り込み、生命力を更新（リフレッシュ）できるというものです。

時代が下り、行事そのものが定着するにつれて「節句」という表記が一般的になりましたが、その本質にあるのは「食を通じた生命力の更新」なんですね。

みんなで同じものを食べて「美味しいね」と言い合うこと自体が、実は神事の一部だったと思うと、毎回の食事が少し尊いものに感じられませんか。

陰陽五行説に基づく五節句の意味と由来

さて、ここから少しディープな話になりますが、なぜ「奇数の重なる日」が選ばれたのでしょうか。これには「陰陽五行説」という古代中国の自然哲学が大きく関わっています。

陰陽五行説では、世界を構成する万物は「陰」と「陽」の気に二分されると考えられています。数字においても同様で、奇数が「陽」、偶数が「陰」に配当されます。

陽は動的、能動的、明るいエネルギーを象徴し、陰は静的、受動的、暗いエネルギーを象徴するとされています。

一見すると、陽の数である奇数が重なる日（3月3日、5月5日など）は、陽の気が満ち溢れる極めてめでたい日、今風に言えば「超ラッキーデー」のように思えますよね。私も最初はそう思っていました。

しかし、ここには落とし穴があります。陰陽思想には「陽極まれば陰に転ず」という根本原理が存在するのです。

これは、陽のエネルギーが過剰に高まると、その反動として不吉な陰のエネルギーへと急激に転化するリスクが高まる、という考え方です。

ジェットコースターで頂上まで登りつめたら、あとは急降下するしかない、というイメージに近いかもしれません。

したがって、本来の五節句は、現代的な意味での「お祝いの日」ではなく、忌むべき事態を避けるための「物忌み（ものいみ）」や「祓い（はらい）」の日として位置づけられていました。

人々は、季節ごとの植物が持つ生命力や薬効、香気を借りて、忍び寄る邪気（陰の気）を祓い、無病息災を必死に祈ったのです。

例えば、3月3日の桃の節句も、もともとは華やかに女の子を祝う日ではなく、川辺で身を清めて人形（ひとがた）を流し、厄を落とす日でした。

江戸時代に入り、世の中が平和になって幕府がこれらを祝日として定めたことで、次第に「祝う」という側面が強調されるようになりましたが、五節句の行事食や飾りに「魔除け」の意味が色濃く残っているのは、この起源に由来しているからなんですね。

1月7日はなぜ五節句の1月なのか

ここで鋭い方なら、「奇数が重なる日が節句なら、1月は1月1日（元旦）が節句になるはずじゃないの？」と疑問に思うはずです。実際、9月9日は重陽の節句として存在しますから、1月1日でもおかしくないですよね。

実は、これには明確な理由があります。それは、1月1日の「元旦」が別格中の別格だったからです。

元旦は一年の始まりであり、全ての神様をお迎えする最も神聖なハレの日（祝祭日）でした。そのため、五節句という枠組みを超越した特別な存在として扱われ、節句には含まれなかったのです。

その代わりに採用されたのが、1月7日の「人日（じんじつ）の節句」です。この「人日」という聞き慣れない言葉も、中国の古い習慣に由来しています。

古代中国では、元日から順に動物を当てはめてその年の運勢を占う風習がありました。

具体的には、1日が鶏、2日が狗（犬）、3日が羊、4日が猪、5日が牛、6日が馬、そして7日目にようやく「人」を占ったのです。

この日は「人の日」として、人を大切にし、犯罪者に対する刑罰も行わない日とされていました。

この中国の「人日」の風習と、日本に古くからあった「若菜摘み」の風習、そしてお正月の暴飲暴食で疲れた胃腸を休めるための知恵が融合して、1月7日に七草粥を食べる「人日の節句」として定着していったのです。

神聖すぎて手が出せなかった1月1日の代わりに、人をいたわる1月7日が選ばれたというのは、なんだか日本らしい奥ゆかしさを感じますよね。

厄除けの意味を持つ五節句の植物

五節句を語る上で欠かせないのが、それぞれの節句を象徴する「植物」の存在です。

これらは単なる季節の彩りや飾りではなく、当時の人々にとっては目に見えない邪気や病魔と戦うための「武器」や「盾」のような役割を果たしていました。

人日の節句（1月7日）：七草
真冬の冷たい土の中から芽吹く七草（セリ、ナズナなど）は、圧倒的な生命力の塊です。これを体内に取り込むことで、邪気を払い、新しい一年の活力を得ようとしました。

上巳の節句（3月3日）：桃
桃は、古代中国の神話的・道教的世界観において、最強の魔除けの植物とされていました。日本の『古事記』でも、伊邪那岐命（いざなぎのみこと）が黄泉の国の追手に桃の実を投げつけて撃退するシーンが描かれています。桃の花を飾るのは、可愛らしさだけでなく、強力な霊力で女の子を守るためだったのです。

端午の節句（5月5日）：菖蒲（しょうぶ）
菖蒲は強い香気を持っており、この香りが邪気を払うと考えられていました。軒先に吊るしたり、お風呂に入れて「菖蒲湯」にしたりするのは、その香りのバリアで家や体を守るためです。また、「尚武（武道に励むこと）」や「勝負」と音が通じることから、男の子の成長を願う植物として定着しました。

七夕の節句（7月7日）：笹・竹
竹や笹は、成長が早く、真っ直ぐ天に向かって伸びる生命力の象徴です。また、中が空洞になっていることから、そこに神様が宿ると信じられていました。七夕の短冊を笹に吊るすのは、笹が神聖な依代（よりしろ）であり、願いを天に届けるアンテナのような役割を果たしているからです。

重陽の節句（9月9日）：菊
中国では、菊は優れた薬効を持つ「仙草」とされ、その香気や露を体に取り入れることで、邪気を払い、不老長寿が得られると信じられていました。菊の花に綿を被せて香りと露を移し、それで体を拭う「着せ綿（きせわた）」という平安貴族の美容法も、この思想に基づいています。

旧暦と新暦による五節句の日付のズレ

現代の私たちが五節句を祝うときに感じる「ちょっとした違和感」の原因についても、しっかり解説しておきましょう。それは、カレンダーの仕組みが変わったことによる季節感のズレです。

五節句はもともと、月の満ち欠けを基準にした「太陰太陽暦（いわゆる旧暦）」に基づいて制定された行事でした。

しかし、明治維新後の明治6年、日本は西洋諸国に合わせて現在の「グレゴリオ暦（新暦）」を採用しました。

この時、行事の日付だけをそのまま新暦にスライドさせてしまったため、約1ヶ月の「季節のズレ」が生じてしまったのです。

このズレは、行事の意味合いを理解する上で大きな障害となります。

• 桃の節句（3月3日）：新暦ではまだ寒く、桃の花は咲いていないことが多いですが、旧暦なら現在の4月上旬頃にあたり、まさに桃の花が満開の時期です。
• 端午の節句（5月5日）：新暦では爽やかな新緑の季節ですが、旧暦なら梅雨入り前の高温多湿な時期。だからこそ、薬草である菖蒲で邪気（病気）を払う「薬狩り」の意味が切実だったのです。
• 七夕（7月7日）：新暦では梅雨の最中で星空が見えないことが多いですが、旧暦なら8月中旬。梅雨が明け、天の川が最も美しく見える時期になります。

こうしたズレを解消し、本来の季節感で行事を楽しもうという動きもあります。例えば、国立天文台では「伝統的七夕」という名称で、旧暦の7月7日に相当する日を毎年発表しています。

実践編：五節句とは現代でどう祝うべきか

歴史や由来がわかったところで、次は「じゃあ、現代の私たちはどう楽しめばいいの？」という実践的な部分を見ていきましょう。形式にとらわれすぎず、心を込めることが大切だと私は思います。

健康を願う五節句の食べ物と行事食

五節句の楽しみといえば、やはり美味しい行事食ですよね。それぞれの食べ物には、単に「美味しいから食べる」だけでなく、その季節に必要な栄養を摂り、体に良い気を取り入れるという深い意味があります。

七草粥（1月7日）
春の七草（セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ）を入れた塩味のお粥です。現代栄養学の視点から見ても、冬場に不足しがちなビタミンCやミネラルを補給し、お正月の豪華な料理やお酒で疲弊した胃腸を休めるという、極めて理にかなった食事です。

菱餅・蛤のお吸い物（3月3日）
菱餅は下から緑、白、ピンク（紅）の順に重ねられることが多いですが、これは「雪の下（緑）には新芽が芽吹き、その上には雪（白）が残り、さらにその上で桃の花（ピンク）が咲いている」という早春の情景を表しています。
また、蛤（はまぐり）は対になっている貝殻以外とは決して合わさることがないため、一生一人の伴侶と添い遂げる「夫婦和合」や「貞節」の象徴とされ、女の子の良縁を願う料理となりました。

柏餅・ちまき（5月5日）
ここには面白い地域差があります。関東・東日本では「柏餅」が主流。カシワの葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、「家系が途絶えない」「子孫繁栄」の縁起物として武家社会の江戸で広まりました。
一方、関西・西日本では「ちまき」が主流。中国の詩人・屈原（くつげん）の伝説に由来し、邪気を払う茅（ちがや）や笹で巻くことで災厄除けの意味を持ちます。

そうめん（7月7日）
平安時代から食べられていますが、ルーツは中国の「索餅（さくべい）」という縄状のお菓子です。昔、熱病を流行らせた霊鬼がこのお菓子を好んだため、供えると祟りが収まったという伝説があります。
それが日本で形状の似ているそうめんへと変化しました。白い麺を糸に見立てて機織りの上達を願ったり、天の川に見立てたりして食されます。

栗ご飯・菊酒（9月9日）
重陽の節句は、旧暦では秋の収穫時期と重なるため、庶民の間では「栗の節句」とも呼ばれていました。栗ご飯を炊いて祝うのが一般的です。また、食用菊の花びらを浮かべた日本酒「菊酒」を飲むことで、菊の霊力を体に取り込み、不老長寿を願うという風流な楽しみ方もあります。

リズムで楽しく学ぶ五節句の覚え方

五節句について詳しくなっても、いざその時になると「あれ？春の七草って全部言えるっけ？」「どの節句が何月だっけ？」と記憶が曖昧になってしまうこと、ありますよね。

ここでは、昔から伝わるリズムや法則を使って、楽しく確実に覚える方法をご紹介します。

春の七草は「短歌のリズム」で
春の七草（セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ）を丸暗記しようとすると大変ですが、これは短歌と同じ「5・7・5・7・7」のリズムに乗せると、驚くほどすんなりと頭に入ってきます。

七草の覚え方
「せり・なずな（5文字） ／ ごぎょう・はこべら（7文字） ／ ほとけのざ（5文字） ／ すずな・すずしろ（7文字） ／ これぞ七草（7文字）」

実は江戸時代には、前日の夜に七草をまな板に乗せ、包丁でトントンと叩きながら囃子歌（はやしうた）を歌う風習がありました。

「唐土（とうど）の鳥が日本の土地に渡らぬ先に」と歌いながら、農作物を荒らす害鳥を追い払う意味も込められていたそうです。

お子さんと一緒に、リズムに乗りながら料理をするのも楽しい食育になりますね。

日付は「奇数のゾロ目」の法則で
五節句の日付に関しては、たった一つの例外を除いて非常にシンプルな法則があります。

• 法則：月と日が同じ奇数（陽数）で重なる日。
• 例外：1月だけは1日（元旦）ではなく、7日（人日）。

「3月3日、5月5日、7月7日、9月9日」と、これらは全て奇数のゾロ目です。「1月はお正月（元旦）が神様の日でスペシャルだから、代わりに7日になったんだな」というストーリーさえ覚えておけば、もう日付で迷うことはありません。

簡単にできる現代風の五節句の祝い方

「五節句を祝う」と聞くと、立派な七段飾りの雛人形を出したり、庭に大きな鯉のぼりを立てたり、手の込んだ料理を一から作ったりしなければならない、と身構えてしまう方もいるかもしれません。

しかし、現代の住宅事情やライフスタイルにおいて、昔ながらの形式を完全に守るのは難しいのが現実です。

そこで大切なのは、「形式」よりも「本質」を大切にすることです。現代風にアレンジした、無理のない祝い方をいくつかご提案します。

1. コンパクトな飾りで「季節のコーナー」を作る
最近は、マンションの玄関やリビングの棚の上にも飾れる、手のひらサイズの節句飾りが増えています。
ちりめん細工の小さな人形や、木製の積み木のようなデザイン、あるいは壁に掛けるだけのタペストリー型の鯉のぼりなども人気です。
これらを季節ごとに少し飾るだけでも、家の中に「あ、春が来たな」という空気が生まれます。
準備も片付けも簡単なので、忙しい方には特におすすめです。

2. 「買う」ことで行事を楽しむ
行事食を全て手作りするのは大変です。今はコンビニエンスストアやスーパーマーケットでも、節句に合わせた商品が充実しています。
1月7日にはレトルトのお粥、3月3日にはカップに入ったちらし寿司や桜餅、5月5日には柏餅。
これらを活用することに罪悪感を持つ必要はありません。
「今日は節句だから、これを食べよう」と意識して選び、家族で食卓を囲むこと自体が、立派な行事の実践なのです。

3. 写真に残して成長記録にする
「モノ」よりも「コト（体験）」を重視するのも現代的です。
豪華な人形を買う代わりに、写真館で記念撮影をしたり、家族で少し良い食事に出かけたりするのも素敵ですね。
毎年同じ時期に写真を撮ることで、子供の成長や家族の変化を振り返る良いきっかけになります。
「去年の七夕はまだ歩けなかったのにね」なんて会話が弾むのも、節句という定点観測があるからこそです。

端午や七夕以外の五節句の過ごし方

ひな祭り（上巳）やこどもの日（端午）、七夕はメジャーなイベントとして定着していますが、1月7日の「人日の節句」や9月9日の「重陽の節句」は、少し影が薄いと感じるかもしれません。

しかし、実はこの二つこそ、大人がしっとりと楽しめる、今の時代に合った節句だと私は思います。

人日の節句（1月7日）：自分をいたわるデトックス・デー

年末年始の忙しさや暴飲暴食で、1月7日頃は体も心も疲れが出ている時期です。この日を「胃腸を休めるメンテナンスの日」と決めてみませんか。

フリーズドライの七草セットを使えば、お湯を注ぐだけで簡単に七草粥が作れます。朝食に温かいお粥を食べ、「今年も一年、健康でいられますように」と自分自身の体をいたわる。そんな静かなスタートを切るのに最適です。

重陽の節句（9月9日）：秋の夜長を楽しむ大人の休日

重陽の節句は、別名「栗の節句」とも呼ばれます。

この時期、カフェや洋菓子店には栗を使ったモンブランやスイーツがたくさん並びますよね。これを「重陽の節句だから」という理由（口実？）で楽しんでみてはいかがでしょうか。

また、食用菊を買ってきてお酒に浮かべたり、お浸しにして夕食の一品に加えたりするのも粋です。かつては、3月に飾った雛人形をこの時期にもう一度飾る「後の雛（のちのひな）」という風習もありました。

これには「大人の女性の健康と長寿」を願う意味があります。秋の夜長に、自分へのご褒美として楽しむのにぴったりの節句です。

まとめ：五節句とは何なのか総括

ここまで、五節句の意味や由来、そして現代的な楽しみ方についてご紹介してきました。

五節句とは、単なるカレンダー上の印や、堅苦しい儀式ではありません。それは、古代から続く「自然への畏敬」と「大切な人の無事を祈る心」が形になったものです。

昔の人々は、季節の変わり目に体調を崩しやすいことを経験的に知っていました。

そして、旬の植物や食べ物の生命力を借りて、見えない邪気（病気や災厄）を払い、家族が元気で過ごせるようにと必死に願いました。その「切実な祈り」こそが、五節句の根底に流れるテーマです。

• 1月7日（人日）：七草粥で胃腸を休め、一年の無病息災を願う。
• 3月3日（上巳）：桃の力で邪気を払い、女の子の健やかな成長を願う。
• 5月5日（端午）：菖蒲の香りで厄を除け、男の子のたくましい成長を願う。
• 7月7日（七夕）：星に願いを込め、技芸の上達や夢の成就を願う。
• 9月9日（重陽）：菊と栗を楽しみ、不老長寿と繁栄を願う。

忙しい現代社会において、毎日の生活に追われていると、つい季節の移ろいを見過ごしてしまいがちです。だからこそ、年に5回訪れるこの「五節句」を、ふと立ち止まるきっかけにしてみてください。

コンビニで桜餅を買うだけでも、夕食に栗ご飯を炊くだけでも構いません。「あ、今日は節句か」と思い出し、季節を感じ、家族や自分自身の健康を願う。そんな小さな瞬間の積み重ねが、私たちの暮らしを彩り豊かにし、大切な人との絆を深めてくれるはずです。